79.こういう時こそ友達を頼れ!
模擬ダンジョンの最終地点において鎧の兵士が俺達の行く手を阻もうとしていた。
「何あれ?アギト…僕なんか怖い…」
「心配すんな…ただの置物だよきっと…」
そう言ってビビっているティオを宥めて、俺は秘宝を持ち帰ろうと兵士に近づいた。
だが、俺は油断した・・・。
ギイイ・・・
「え?」
「アギト!避けて!」
ジャキイイイン!
驚いた!
動かないと思っていた兵士が秘宝を手に取ろうとした瞬間に持っていた俺に持っていた剣を振りかざしやがった…。
下手したら腕を持っていかれていた…。
「なに、この鎧!?」
「おそらく秘宝に近づいたら動いて妨害を仕掛ける魔法を駆けられているんだろ!」
多分教師陣が仕組んだんだろうな…。
「こ、怖い・・・」
「ティオ!!」
怖がって尻もちをついたティオを俺が抱きかかえて鎧による攻撃から逃げ回った。
逃げ回りながら鎧を観察している内に1つだけ分かった事がある。
(やっぱりあくまで授業だから、この鎧は俺達を殺す気はさらさら無い…にしてもさっきのは手加減なさすぎだろ!)
多分俺らより前にダンジョンに入った奴らも最終地点でこの鎧の猛攻に驚いて尻尾巻いて逃げたんだな…。他の奴らが手ぶらだったのはその為か…
「アギト…僕たちあれと戦わなきゃダメなの!?」
「いや、課題は秘宝の持ち帰りだ!戦う必要は無い!」
とは言ったものの、やっぱりあの鎧の動きが予測つかねえ…
こうなったら・・・
「おらぁっ!」
鎧に向けて風魔法『斬風』をダメもとで放ってみた。
すると、鎧は予想外の動きを見せた。
なんと、少しだが動きが止まった。
(もしかして、攻撃に反応すると数秒だけ止まるのか!?なら・・・)
俺は鎧の弱点らしきものを見つけた事である策に出た。
その策に必要なのは、"ティオ"だ!
「ティオ、すまないが遠距離からお前の攻撃魔法を鎧に当てて見てくれないか?」
「え?なんで?」
「この課題、俺らなら突破できるかもしれない!だから…怖いとは思うが頼む!」
「・・・・・うん!分かった!アギト、僕やってみる!」
「よし!いけ!」
俺の合図でティオが動きを見せた。
ティオは口から最大火力の炎を吹いていた。
(こりゃすげえ、ティオの魔法…これが竜人の魔力か…)
魔法学の授業でチラっとティオの魔法は見た事あったが、改めて見るとティオの…というか竜人の力はすげえな…
感心しているのも時間の無駄だ。
「今だ!!!」
俺はサクっと秘宝を手にした。
「ティオ!もう大丈夫だ!」
「はあ、はあ…疲れた…」
「…仕方ねえな…ほら!」
「え?」
「恥ずかしがるな!こういう時こそ友達を頼れ!」
「…ありがとう!アギト!」
疲れてヘトヘトなティオを俺はおぶってそのままダンジョンを後にした。
ダンジョンから出るとリタが心配そうな顔をしてティオに近づいて来た。
「ティオ!大丈夫?怪我とかしていない?」
「大丈夫だよお姉ちゃん!アギトが助けてくれたの!」
「え?アギトほんと?」
「半分違うけどな…」
「でもよかった!ティオが無事で!」
「おいおい、俺は心配しねえのかよ…」
全く…ティオって良い姉を持ったな…。




