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溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。  作者: 竜ヶ崎彰
5章 ヴィンツェルト学院入学

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75.こんな事をしても無意味よ…

 午後の授業はオルガリス王国の歴史の授業。


 王国の誕生の秘話や初代国王の事。

 色々勉強になって面白かった。"私達の王国はこうやって誕生したんだ!"って事を初めて知ったから。

 国王って事は、テイズ王子の()()()()って事だよね…?




 ーーオルガリス王国の歴史。

 かつて数百年前、王国は他国との戦争があった。

 相手の国は王国の人間達を圧倒していき、王国もそれに対抗すべく自分達の力で国を守っていった。


 しかし、やがて自分達の武力や魔法では勝つ事は不可能と解かりある()()に出た。


 それは、『亜獣人を使い魔にしてその亜獣人を"戦争の道具"にする』という極めてあくどい手段だった。


 だが、偶然か必然か相手の国も同じ()()を用いて王国に挑んだ。


 互いの国の亜獣人は思うがままに戦い合った末に人間共々、増えていくのは"死者"ばかり。


 多くの人間がこの戦争が命を無駄に消しかかっている事に気が付いた者達が続々と現れる中で、ある救いの手が差し伸べてきた。


「もうやめましょう…こんな事をしても無意味よ…」


 天空から謎の声と共に上空に見える雲の中からそれはそれは美しい女神(めがみ)が現れた。


 女神の名前は「アフィリエス」。


 アフィリエスは人間や亜獣人の無益な戦争を止めさせ、仲を紡ぐ為に天界より降り立った存在であった。


 アフィリエスの美しさや慈愛に満ちた笑顔にすべての者達は互いに降参し、戦争は終焉を迎えた。

 そして、死者は全員生き残った者達が弔い…オルガリス王国に平和が訪れた。


 後に、この出来事は『女神の奇跡』と呼ばれ歴史に刻まれていき、今もなお受け継がれている…。





 ーー以上がオルガリス王国に伝わる国の歴史。


 本当に女神様がこの国に平和をもたらしたかは正直分からない…。

 でも、今この国が平和なのは確か…。


 私は心の中で女神様(アフィリエス)に感謝をした。





 そして、午後の授業が終わって私はティオと2人で寮の近くのケーキ屋さんでスイーツを堪能した。


 私はイチゴの乗ったショートケーキ、ティオはチョコたっぷりのチョコレートケーキを食べていた。


「お姉ちゃん、本当にこの国が女神様のおかげだったら、僕は今こうしてお姉ちゃんと一緒にケーキ食べられるのも女神様のおかげなのかな?」


「きっとそうだね!」


「僕ね、今まで『幸せなんて絶対僕には来ない』って、思っていた事あったんだ…」


「ティオ…」


「でもね!今は凄く幸せ!こうしてお姉ちゃんと一緒に居られるのが!!」


「ティオ!」


 ティオが過去に酷い目にあっていた事はけして消える事のない出来事だけど、私は今のティオが幸せなら私も幸せだと思えた…。

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