124.決まりですね!
泣いていた女の子を家に連れて帰ってきた僕。
勿論お使いは済ませている。
そして、家に着くと…
「あれ?ここって?」
女の子は何か知っているかのような表情をしていて、そこで中に入れるとお姉ちゃんが出迎えてくれた。
「あ、ティオおかえり…アリアも…」
「あ、お姉ちゃんこの子…」
「リタお姉様ぁ!」
「え!?」
「うわ!イデア?」
「え?お姉ちゃん、この子は?」
女の子はお姉ちゃんを見た途端に急に笑顔で抱き付いて来た。
そして、お姉ちゃんから話を聞くと、この子の名前は"イデア・ハーミオン"。10歳。
お義母様の妹の娘さんで、お姉ちゃん達にとっては所謂"従妹"にあたる子。
さらには、隣の州にある領地『ハーミオン領』の領主の娘さんでもあるらしい…
つまり、この子も貴族って事!?
「ごめんね、前もって言っておけばよかったね…」
「いいよ…え~っと改めて初めましてだね…イデア…ちゃん…」(つまり、僕にとっても従妹って事だから、ちゃんと挨拶しないとね…)
とりあえず僕もイデアちゃんに挨拶してみたけど…
「あなた、さっきからなんですの!?お姉様に馴れ馴れしい!」
「ええ~!!」
鋭い目つきで僕を睨みつけてきた。
「さっき聞きましたが、いくら義弟とはいえお姉様に汚らわしい手で触らないでください!竜人の分際で!」
「そこまで言う!?」
完全に悪口を言われた僕は泣きそうになってしまっていた…
でも…
「こら、イデア!」
「はい!?」
「ティオにそんな事言っちゃだめ!確かに私もイデアにティオの事言っていなかったのも悪かったし、アリアは最近家に迎えたから…それに、イデアもさっきティオに助けられたでしょ?」
「それはそうですが…でも、お姉様の知人だと知ってたら拒否してましたし!」
「知人じゃなくて義弟ね…」
僕はイデアを見て思った。
とっても頑固な子だけど、お姉ちゃんの事がすごく大好きなんだなって事が…
少しだけど、僕と同じな気がしてきた。
とりあえず、団らんとして夕食の時間になった。
もちろんハーミオン一家も一緒に。
嬉しそうな顔をしてイデアがみんなに言った。
「え?本当に?」
「はい!私、今年の聖女祭の"聖女"に選ばれました!」
サイガ義兄さんが僕に教えくれた。
ーー聖女祭
毎年、『フル』と呼ばれる国にある教団『リフェル教』。そのリフェル教が崇める神『エリシオン』によって選ばれた15歳未満の少女が加護を受けて一年間聖女としての役割を果たす。
聖女には世界の平和の象徴となる義務があり、加護を受けた聖女は1年間フルで暮らしその役割を全うする。
聖女に選ばれる事はとっても名誉ある事らしく、イデアはすごく喜んでいた。
「でも、加護ってどんなものなんですか?」
「いろいろあるけど、中には『病に侵された人を完全に癒す』『泣き止まない子供の涙を収める』とかがあって、毎年違うんだ…でも、それだけでも聖女様という存在は絶大なんだ…」
「サイガお兄様はわかっていらっしゃいますね…こんな"ちんちくりん"とは違って…」
「ちんちくりん…」
また僕は泣きそうになった…。
「もう…イデアったら、でもすごいよね!聖女に選ばれるなんて!」
「はい!ぜひお姉様もフルに来てくれませんか?授与式を見てもらいたいのです!」
「いいね!お父様、よろしいですか?」
「まあ、いいじゃないか、一応保護者、つまりイデアの両親も一緒なら…」
「では、決まりですね!イデア!行けるよ!」
「わ~い!」
「僕も…いいよね?」
「私も…」
「もちろん、ティオとアリアもね!」
お姉ちゃんは笑顔で僕とアリアも行くことを了解してくれた…。
聖女祭…
どんなのか気になってきた。




