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溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。  作者: 竜ヶ崎彰
7章 ささやかな日常2

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115.あんなのティオだけどティオじゃないよ…

「お姉ちゃん…僕、どうしちゃったの?あれ?なんか声がいつもより低いような、それにみんな背縮んだ?」


 身体が大きくなったティオは無意識に立ち上がって私達を見てそう言うと、リリサが真実を話した。


「これは飴に、見えるけど実際には5年ほど成長させる成長薬…失敗したやつだから捨てようと思っていたんだけど…」


「にゃっは〜ごめんごめ〜ん!忘れてたにゃ〜!」


 ミィは申し訳なさそうに見えそうで見えない陽気な笑顔で謝罪していたけど…


 とりあえず、今はティオの服を用意する必要があったため、即座に高等部の人を頼って服を貸してもらって何とか万事休すを得た。


 でも私達は悩んだ。

 これからどうするべきなのか…


「とりあえず仕方ないから効果が切れるまでの辛抱ね…」


「『切れるまで』って、一体どれくらいだよ…」


「前に子ねずみで試した時は30分だったり1時間だったり、色々だったから…それでこれ"失敗"だって確信したの…」


「それってつまり…」


「長い時間そのままか、一生そのままかもしれない…」


「そ、そんなぁ…!?」


 ティオは泣き出しそうになっていた。

 正直に言うと、おっきい(あの)姿で泣くティオが斬新すぎて()()()にしか思えなかった…。


 でも内心、中身は12歳(いつも)のままなのはちょっと安心した…。



 とりあえず、リリサも何とか解毒薬を作ってみるって言って今製作に取り組んでいて、しばらくティオはこの姿のままで過ごす事になった…。


 寮の廊下を私と揃って歩いていると、他の女子達の視線がティオに釘付けになっていた。


「ねえ?あの人かっこよくない?」


「高等部の人かな?」


「中等部に知っている子いるのかな?」


 みんな大きくなったティオを別人だと思っているようで、ちょっとだけ高評を受けていた。

 私も改めて今のティオの姿を見て思った…


(ティオって、こんなにかっこよくなるんだ…)


 普段は『可愛い弟』のティオがまさか将来こんなにかっこよくなるなんて…

 まるで今は私の方が『妹』みたいだな…



「あ・・・」


 ティオのお腹の音が鳴っているのが聞こえた。


「お姉ちゃん!おやつ食べに行こ!」


「う、うん!」(その身体でその仕草はある意味反則じゃない!?)


 ティオはいつも通りに私に弟としてのスキンシップを取っているけど、私は未だに慣れなかった…



 寮から出て近くのカフェ。


 私はチョコドーナツでティオはパンケーキを注文した。


「美味しい!」


 私はドーナツを食べた途端に幸せの絶頂みたいに心から喜んだ。


「このパンケーキを美味しいよ!お姉ちゃんにも分けてあげる!はい!」


「え!?」


 ティオがパンケーキを一口サイズに切って私の口に「あ~ん」の仕草で運ぼうとしていた。

 いつもなら、可愛い弟からの無邪気なしぐさとして受け入れて「あ~ん」に応えるけど…


「だ、だめええええええええええええええええ!」


「え?」


「あ…」


 思わず叫んじゃった…

 あまりの恥ずかしさにドーナツを丸のみしてそのままお店を出た。

 しかもティオを置いて…



 それから寮の自室に戻って落ち着かせようとして私はベッドに蹲っていた。

 でも、心臓はまだ"ドキドキ"していた。


 それもそうだよ…


 あんなに大きくなってしかもかっこいいティオなんて…


「あんなのティオだけどティオじゃないよ…」


 ちょっとながら私はティオにデレてしまった事が恥ずかしかった…。

 心臓の音もさっきよりも大きくなりつつあって、平常心を保てずにいたから…


「お姉ちゃん…」


「ティオ?」


 私を心配してくれたのか、ティオが部屋に入って来た。

 そして、私に寄り添って…


「お姉ちゃん大丈夫?今の僕がこんな姿だから、怖い?それだったらごめんね…僕、お姉ちゃんの気持ち分からなくて…」


 ティオは自分に責任があるかのようにしょんぼりしていた。

 でもそれは違う…

 でも、"怖い"と言うより、"かっこいい"っていうのはティオに言って良い事なのかもよく分からなかった。


「大丈夫だよ…」


「え?」


「ティオがどんな姿になってもお姉ちゃんはティオの事が大好きだよ…ただその姿になっちゃった時は驚いたけど、その姿でもティオはティオなんだってわかっているから…」


「お姉ちゃん…」


「いつものように、甘えていいよ…」


「う、うん…」


 ベッドで一緒に蹲ると、ティオは安心したかのように眠ってしまった・・・。


(この姿でも根が負って可愛い…)


 寝顔を見て改めていつものティオだと確信して、私も眠りについた。



 ーー3時間後。


 私はふと目が覚めた。

 時計を見ると、17時30分になっていて夕食の時間になっているのに驚いた…。


「うそ!こんなに寝てたの!?あ!ティオ?」


 ふとティオの方を見ると、またしても私は驚いた。


 ティオはいつもの小さな12歳の男の子の姿に戻っていた。

 さらに、まだ眠っていたティオの寝顔を見た私は思った…。


(やっぱりティオはこっちがいいわよね!)


 内心、いつものティオに戻って私は安心した。


 それから食堂でテレシー、アギト達にもティオが戻った事を教えると驚かれたけど、一番驚いていたのは、リリサとミィだった…。


 どうやら解毒薬を作ったみたいで…。


 でも、戻った事で一件落着!

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