表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/110

98.騒ぎ2

チュッと口にキスをされ微笑んでくれたから私も微笑み返した。

少しは落ち着いたのかな?さっきよりも雰囲気(オーラ)が穏やかになった気がする。


「グレイ様そろそろ行きま……んっ。」


軽めのキスではなく深い口づけで言葉を遮られた。

ちょっちょっとグレイ様、ここ廊下です。学園内です!!


「んんんーーーーーっ。」


言葉にならない言葉で訴えてもグレイ様はびくともせず、やめてもくれない。


それから数分口の中を貪られ、唇が離れたときは私がふにゃふにゃだった。

そんな私をしっかり支えグレイ様は熱をもった瞳で唇をペロリと舐めとんでもないことを言った。


「リィの味は美味しいな。いつまでも味わっていたい。」


うきゃぁぁぁぁぁ!!!

どこで覚えたんですかそんな言葉を……。

勘弁してください。顔から火がでそうです。




――――――――――――――――――

――――――――――――

―――――――




「リィのとろんとした顔を誰にも見られたくない。」落ち着くまでグレイ様が離してくれず………誰のせいですか!!と突っ込みたくなりました。


遅れて教室まで行く途中でご令嬢達が話してる声が聞こえてきて………自分の名前を聞いた気がして歩みを止めた。



「はぁぁ、なんてロマンチックなんでしょう。リーゼ様の展開は小説みたいで素敵ですわ。」

「私もこんな風に皇太子に想われてみたいわ。リーゼ様が羨ましいわ。」

「私は一途にカペロ様に想われたいわ。………きっとリーゼ様もカペロ様に惹かれてるかもしれませんわ。」

「私だったらクリス様に想われたいわ。だってリーゼ様と並んでる姿兄弟だとわかっていても密かに恋人と呼んでも良いくらいの雰囲気ですもの。」


「「「「わかるわかるわ~~きゃぁぁぁぁ。」」」」


えーーーとこれって私達のことでしょうか??

名前が飛び交ってるから間違いないですよね!!

グレイ様にカペロ様はわかりますが、クリスお兄様とは兄弟なので………何て想像をしているのですか!?

いくら大好きでも大変なことになりますよぉぉ!!

グレイ様行きましょう!!と目で訴えると、唇に人指し指を立てている。

まさか様子を見るってことですか!?


「それに私見ましたの。皇太子がカヴァルご令嬢に付きまとわれてたときいつ見ても無表情で対応されてましたわ。」

「あっ、私も見たことありますわ。いつも笑顔を絶やさない皇太子があの対応珍しくよく覚えてますわ。」

「裁判中の皇太子のご様子………リーゼ様を溺愛されてましたわね。………リーゼ様を危険から遠ざけるために遠くから見守ることを選んだ皇太子が素敵すぎますーーー。」


「「「「きゃぁぁぁぁ!!素敵ですわ!!」」」」


皆さん裁判のこと凄く詳しいですが………それよりもグレイ様の株がめちゃくちゃ上がってる気がします。

グレイ様も気を良くしたのか私の頭にチュッとキスをおとされ、私は危うく声が出そうになりましたよ。

ここ、学園の廊下で曲がり角からは数名のご令嬢の声が聞こえるって場所ですよ、、勘弁してください。


「でもでも、私はカペロ様のリーゼ様を見つめる優しい視線を見るのがたまりませんわ。」

「わかるわかるわぁぁぁ!!!!私もあんな瞳で見つめられたいですわ。リーゼ様羨ましいーーーーー。」

「今まで綺麗な令嬢達から言い寄られても絶対に靡かなかったあのカペロ様がリーゼ様だけはとても大切そうに見つめてますの。嫉妬を通り越してリーゼ様にはあんな表情のカペロ様を引き出してくれてありがとうと伝えたいですわ。」


「「「「拝めるだけで幸せですぅぅ。」」」」



そうなんだ…………客観的に見るとそんな風に見えるのかと目を見開いてしまった。

私はカペロ様から言われるまで(プロポーズ)気付かなかった。


「それに…………皇太子には悪いですがリーゼ様とカペロ様がくっついてほしいですわ。」


カペロ様を熱弁していたご令嬢が突然とんでもないことを言い出した。

その言葉を聞いて後ろにいるグレイ様の方から漂ってくるオーラを見なくてもわかるくらいどす黒い感じ漂ってます。


「カペロを辺境に送るか。」


ちょっとちょっとまったぁぁぁ!!

後ろから……低く冷たく言い放つ不穏な言葉が聞こえてきました。

グレイ様落ち着きましょう!!


「私は…………クリス様とくっついてほしいですわ。」


なんですって!?

それ一番ないから!!あり得ないから!!

確かにお兄様じゃなければ………なんて思ったこともありますがそれはあくまでお兄様みたいな人が素敵だからの意味ですから。


「クリスもか。」


ヤバイです!ヤバイです!

低く冷たい声で呟いたグレイ様。何か良からぬことを考えてませんか!?


ご令嬢達がその場を離れて行ったが………グレイ様に後ろから抱き締められていて動けずにいた。

さっき解放されていたのに何故廊下でまた抱き締められているのだろう。

これは………何を言っても離してくれない気がする。

見えないが手をあげて「大丈夫ですよ。」「落ち着いてください。」の意味を込めてグレイ様の頭をそっとなでなでする。


「フッ。リィは可愛いな。」


グレイ様…………声もたまらんですね。

ちょっと……耳元で甘い声出さないでください。

変な気持ちになっちゃいますから。


それにしてもご令嬢達は詳しく知ってたみたいだけど裁判のことが広がるにしても詳しく知りすぎてたな。

どうしてなんだろう!?


と思っていたが、思いがけず自分の疑問が数秒後に解決をすることになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ