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92.裁判4

「私は急いでリーゼ・ウォレット令嬢を探しにいきました。一分………一秒でも早く私のものにしたくて……。」


本当に気持ち悪い。自分が何を言ってるのかわかってるのかこの人は………犯罪になりうることを頬を染めて語ってるのに。

今日初めて見た顔なのに………全く知らない人にそんなことを思われてるなんて……………………いや、この人を知らないと言うことは私はうまく逃げたのかも。

この人の話を聞いてると一分………いや一秒刻々と私の恐怖へのカウントダウンのように聞こえる。


「見つけたときリーゼ・ウォレット令嬢は学園の校舎にいました。すぐに声を掛けたかったが側には皇太子がいたから様子を見ていた。あんなに間近で見たことがなかったが遠巻きで見るよりもさらに綺麗で制服からわかるスタイルの良さ、光に当たるとキラキラと輝いて靡く髪、くりっとした瞳にサクランボのような唇…………たまらなかった。」


気持ち悪いです!何を言ってるんだこの人は!!

チラッとグレイ様達の方を見るとみんな負のオーラを放出し黙って聞いてるところがまた怖いです。


「廊下を歩いてると何もないところで足を躓いてよろけたところを皇太子が支えていた。リーゼ・ウォレット令嬢は恥ずかしかったのか何もなかったように振る舞って歩いていたが………顔を真っ赤にして俯き恥ずかしそうにしてる姿は可愛すぎた。皇太子もそんなリーゼ・ウォレット令嬢を見て後ろから抱き締め耳元で何かを囁くと林檎のように頬を赤く染めていた。」


いやーーーーーーーー!!

この人本当に何を言ってるの!?

私がドジをして隠そうとしてたことを何で裁判で詳細に話すんですか!!!

あれは恥ずかしかった……何もないところで躓くって一人のときはあははっですむけど………見られてると恥ずかしいんですあれは!

後はグレイ様とイチャイチャしてたことまで暴露されて……………顔があげれないくらい恥ずかしい。


「早く自分の腕で抱き締めたくて監禁するために連れ出そうとしたが………最初は皇太子に次にカペロ様にクリス様………カシリス様、サムウィル様がなかなか側を離れず実行にうつすとすぐに皇太子に捕らえられ未遂に終わったんです。…………あの色白で柔らかそうな肌に触りたかった………それだけが心残りです。」


ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!

最後の一言いらないです。それまでの話もいらないですが、最後の一言言うとき私をじっと見て話していました………まだ諦めてないぞと言ってるかのように……。

知らない人にここまで考えられてると怖いです。

皆さんが私の側で守ってくれてよかったです。

じゃなかったら私は……………考えると泣きそうです。


「…………リィにグレイセド様が側にいれないとき婚約者候補者として側にいてもらって本当によかったわ。」


隣のお母様がボソッと呟いたが笑いが消えているお母様から………いいえ家族からは今にも掴みかかっていきそうなくらい殺伐とした負のオーラ全開だった。


「あのクズが。これから何も考えられないように死んだ方がましだと思えるくらいの恐怖を経験させよう。」


セディオお兄様が低い声で呟いた。本気ですか!?

セディオお兄様に目を向けると…………本気ですね。

私も聞いてただけで恐怖だったしあまりにも気持ち悪いのでここは何も言いません。


お父様は怒りのあまりに飛び出そうと………殴りかかろうとしてるところをお母様が「裁判中です。押さえてください。後でたっぷりと料理してあげましょう。」と言って氷の笑みを浮かべた。

お父様は「………そうだな。()()だな。」と冷酷な笑みを浮かべた。お母様の言葉で冷静に………本当に冷静になってますよね!?


「言いたいことはそれだけか?」


「そうですね、これが私の真実です。カヴァル・シーファ嬢からの頼みとはいえ前々から気になっていたリーゼ・ウォレット令嬢です。元々の欲望にしたがったまでです。」


「………薬をする前はクレーナ子爵令息は優秀な人材だったと聞く。そんな欲だけで突っ走るような性格じゃなかったはずだ。………残念だ。」


グレイ様はクレーナ子爵令息の話に怒りを露にしているが、優秀だった人が薬によってこんなにも変わってしまったことに…………悲しんでいるようにも見えた。


確かにそう思って証人達を見ると皆さん落ちついてなかったり虚ろだったり………正気だと思った人でも発言をすると異常だったり…………。


皆さんの証言は人数が多いためクレーナ子爵令息と他数名が証言をしその他の人達の証言は取り調べのときにとった調書を読み上げられた。


「クレーナ子爵令息だけが特別ではなく、カヴァル・シーファ嬢からここにいる証人達はリーゼ・ウォレット令嬢に対して何らかの危害を加えるように頼まれている。監禁するために連れ出そうとしたり、リーゼ・ウォレット令嬢に魅せられて傷物にしようと実行したのち主に皇太子、カペロ・ハムロ令息、クリス・ウォレット令息により未遂に終わり実行犯で捕らえられています、その数58人。ここには厳選した25人が証人として来てもらいましたが、他は薬が抜ききれずベッドから出ることもできない人達もいる。」


58人!?58人!?そんなに??

58人から狙われてたんですか!?

グレイ様にカペロ様、クリスお兄様が守ってくれてたのですね…………私は知らずにのんきに過ごしてました。

みんなが守ってくれてたんですね………幸せ者です私。

ヒロイン…………どれだけの令息を操ってたんですか……そんなことよりも幸せになる方向があったはずなのに。

ヒロインの証人である令息達を見ながら失笑している顔を見てヒロインの意思の強さに怖さを感じた。

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