91.裁判3
「カヴァル・シーファ嬢は私の婚約者であるリーゼ・ウォレットに対して敵意を剥き出しにしていたね。」
「……………それは…………悪役令嬢だしグレイさ…………グレイセド皇太子を攻略するのに邪魔だったから……。」
小さい声だったけど確実に悪役令嬢と言った………しかも皇太子を攻略するとも………不敬極まりない。
ヒロインは転生者だからそう言ったんだろうけど………知らない人からしたらよく分からないが単語で侮辱しているのだけはわかるだろう。
ましてや、私の隣にいるお父様にお母様、セディオお兄様から放たれる殺気は恐ろしいものがある。
自分で言うのもなんだが私は家族にめちゃくちゃ溺愛されている。
そんな私を悪役と罵った瞬間ヒロインは私の家族を完全に敵にまわしてしまった。
それに…………ちょっと恐ろしいんですがクリスお兄様もグレイ様もカペロ様も殺気を放っている。
ヒロインは気づいていないみたいだけど私の家族さらに王族含む三人も敵にまわすとは恐ろしい。
「邪魔だから……と何をしたか詳細に話してもらおう。」
「…………リーゼ・ウォレット令嬢に体当たりしたり学園で階段から落とそうとして…未遂で終わったり、グレイセド皇太子から引き離そうと誘拐するために刺客を送り込んだけど未遂で終わったり………未遂続きだったから精神的に苦痛を味わせグレイセド皇太子との婚約を破棄させたり…………ぐらいです。」
いやいやいや、ぐらいじゃないでしょう!
知ってるものもあれば知らないものもあるし未遂で終わってるのってどれも私の命に関わることか怪我しそうなものばかりのような………どれだけ邪魔だと思われてたんだろう。
淡々と話すヒロインが余計に怖く感じる。
「………他には?」
何だろう………グレイ様の言い方だとまだあるような………これ以上に何かあるって怖いんですが!
「もうありませんわ。」
「そうか。では、次の証人達をここへ。」
グレイ様が言ったと同時にバンッとドアが開かれ証人が入室してきた。
…………入室してきた入室してきたが………多くない!?
ぞろぞろと入ってくるのは学園で見たことある同じクラスだったり上級生かな?と思われる人達も含まれてて様々だ。
えーーーーーと、ざっと見ても20人以上はいそうだ。
何をしたら証人がこんなにもいるの??
周りの傍聴人達もざわざわして証人の多さに呆気にとられているようだった。
急にぞわっと鳥肌がたってなんだか気持ち悪い視線を感じる方を見ると入ってくる人達の中からこっちを見てる人と目があった。
知り合いではない。見たことあるかないかで言うとない……上級生かな??
私の姿を上から舐め回すような………ねっとりとした視線だ。
なになになに!?
気持ち悪いんですが!!!!
視線がその人だけじゃなく他の人からも見られてる気がする………何なのこの人達。気持ち悪い。
ヒロインは入ってくる人達を見てふるふると顔を青くして首を振って明らかに動揺していた。
「こちらの証人達はカヴァル・シーファ嬢からある依頼をされた者達です。クレーナ子爵令息証言台へ発言を許す。嘘偽りなく真実を話せ。」
グレイ様に名前を呼ばれた令息であろう人が前へ出てくると…………あっさっき目があった人……いや嫌な視線を送ってきた人の一人だ。
「嘘偽りなく真実を述べると誓います。カヴァル・シーファ嬢と仲良くしていたときにリーゼ・ウォレット令嬢を傷つけてほしいと頼まれました。私は仲良くしてると気分が向上する物を貰わないととても平常ではいられなかった。頼まれ事を引き受けるとカヴァル・シーファ嬢は心身共にボロボロにしてほしい。襲えもしくは捕らえろと言われ………私は興奮しました。高嶺の花のあのリーゼ・ウォレット令嬢ですよ!秘宝の妖精令嬢ですよ!!誰もが近寄りたくても皇太子の婚約者でいつも皇太子が側にいて溺愛し牽制してる為誰もが近寄れなかったんです。それが私の好きにできると聞いて…もうそれしか考えられなくなった。」
なになになにこの人!!!何に興奮したって!?
誰が誰を好きにできるって!?この人の思考回路が全く読めません。わかりません。わかりたくないです。
話の途中だけど…………この人恐ろしいこと言ってますよね。
私そんな感じで狙われてたんですかぁぁ!!!!
めちゃくちゃ怖いんですが………それにグレイ様とずっと一緒にいたことをこんな裁判で暴露しなくても………恥ずかしいです。
この人………証言をしながらチラチラとこちらを見るのです……………その目がなんとも気持ち悪い感じで……こっちを見ないでください。
続く証言に私はさらなる衝撃と羞恥を知ることになるとはこの段階では思いもしなかった。




