78.決意の夜会5
「はっ?ロペトが従兄弟??」
「お前の噂はロペトから聞いてたよ。ずいぶん軽いんだな。」
虫けらを見るような冷たい目でカペロ様がヒロインを見ている。
……………ヒロインはどうやらロペト様と言うカペロ様の従兄弟と関係を持っていたらしい。
さっきのヒロインの怒鳴り声でざわざわしていた周りがシーンと静まり返っている。
みんな聞きたいんだろうけどあからさまです。
しかし、ヒロインは純情な乙女じゃなかったのぉぉぉ?!
どうしたんですか!!ヒロインに何があった!?
カペロ様を怖い表情で睨んで…………怖いです!!かわいい顔が台無しですよぉ!!
「…………本当に本人じゃないのね?よく似てる…………。」
「そうかな。小さい頃はよく似ていたが今は少し違うと思うけどな。それにみんな知ってるしもうあまり間違われないから………久しぶりだったよ。」
そうだったんだ。知らなかった…………サムウィル様もカシリス様も驚いてないからきっと知ってらしたのね。
ロペト様…………ヒロインが間違うくらいだから似てるんだろうなぁ~てことはその人も相当カッコいいんだろう。
私も会ったら違いがわかるのかな。
「カペロ様でしたっけ?初対面ですみませんでした。向こうのテラスでお話ししませんか?」
すっ凄いなぁ…………。
さっきまであんなに怒鳴り散らしてたのにその相手に頬を赤らめてお話ししたいと誘うなんてヒロインは相当心が強いですね!!
「はっ?俺言ったよな。ロペトから聞いてるって。ロペトと違ってそんなに優しくないから嫌いな人とはいたくないんだ。ごめんな。」
カペロ様がヒロインを冷たい目で冷酷なことを言いなさった。
私は甘いカペロ様しか知らないから…………ビックリした。
カペロ様は女性には優しいと思ってたから………さっきのクリスお兄様やグレイ様もそうだったなぁ。。
ヒロインはカペロ様から言われたことで顔を真っ赤にして身体が震えている。
ヒロインのことは可哀想だと思うけど、公衆の面前で大声をあげて怒鳴り散らし結局自分に返ってきたので…………何とも言えない気持ちになる。
「あれ~!カペロじゃないか~。夜会に来てるなんて珍しいな。」
ヒロインのなんとも言えない雰囲気を明るい声でかき消した方をみんなが一斉に見つめる。
そこに立っていたのはカペロ様と同じ赤い髪色に赤の瞳の男性だった。
「きゃぁぁぁぁぁ!!久しぶりのブラホワだぁ!!」
「また見れるなんて………今日ここにきてよかったぁぁぁ!!!」
「最高!!ブラホワ大好きでぇぇぇす!!」
夜会に来ていたご令嬢達が騒ぎだし、黄色い声援が飛び出している。
なっ…………なに??この絶大な人気は!!!!
ブラホワ??なにそれ??
確かに………この二人が並ぶとユニット組めそうなビジュアルになるなぁ。
私の隣にいるカペロ様のところに近づいてきた人を見て思っていた。
「リーゼ・ウォレット様、初めまして。カペロの従兄弟でロペト・ハムロと言います。カペロと同じなのでロペトとお呼びください。」
私にお辞儀して挨拶をしてくれて礼儀正しく微笑まれた顔はカペロ様と似ていますね。
「初めましてロペト様。私もリーゼとお呼びください。お会いできて光栄でふわ…………ですわ。」
ぎゃぁぁぁぁ!間違えた!間違えてしまった!!
はっ恥ずかしい!!!!!
心はパニックになりながらもそれを顔に出さないようにしても、顔が真っ赤になっているであろう自分の顔を隠せず立ち尽くしてしまった。
「ぷふっ。リーゼは可愛いね。俺も逢えて嬉しいよ。」
クスクス笑いながらロペト様は私の頭をポンポンと小さい子をあやすように宥めてくれるが………………ロペト様にしても周りにいるご令嬢にご令息の方々が温かい目で見る目ていることに気づいてさらに顔が真っ赤になる………恥ずかしいです。
………………よし、今のはなかったことにしよう!
みんななかったことにしてくれるでしょう!!
「カッカペロ様にロペト様。ブラホワってなんですか?」
別の話題をふってなかったことにしたいと真っ赤であろう顔で涙目で訴える。
どうしたのかな??
カペロ様とロペト様は顔が真っ赤になって固まっている。
「ロペト様はやんちゃで手に終えない意味でブラック、カペロ様は天使の微笑みで女性が王子様みたいでホワイトといつからかご令嬢達から二人はそう呼ばれたのですよ。二人は滅多に一緒にいないので今みたいに並んでいるとブラホワと騒がれるのです。」
「カシリス様教えていただきありがとうございます。すごい人気なんですね~。ふふふ。」
「……………なにがブラホワよ。ただ顔がいいだけじゃない。」
ロペト様を睨み付けながらヒロインが呟くと、ロペト様は目を細め冷ややかな目でヒロインを見てくすりと笑った。
「だからお前は悪役令嬢なんだよ。」
………………………えっ?
ロペト様がなんでその言葉を知ってるの??