74.決意の夜会1
なんてことしたんだろう。。
もうグレイ様に会わす顔がない。
媚薬事件では、周りの令嬢達も精神的に参っている人が多い。
それでもさすがみんなご令嬢、明るく振る舞ってみんな芯が強いなと思う。
私は………………媚薬でわからない状況になっていたが記憶はある。
ばっちりあるのだ………………。
私からカペロ様を求めてしまったことも………カペロ様が紳士的に対応してくれたからよかったがあの時カペロ様がああ言ってくださらなかったら私は今もっと後悔してただろう。
グレイ様という心に決めた方がいながらカペロ様を誘惑した。
それが媚薬のせいで興奮状態だったとしても言い訳にはならない。
………私は誰でもいいのか!?
いや、、そんなんじゃないよ。そんなんじゃないんだけど………グレイ様と会えなくて寂しかったり………そんななか、ヒロインとの噂を聞いたり…………自分が思ってたより傷ついてたのかな。。
優しく私を包んでくれたカペロ様に………すがりたくなった。
駄目だとわかっていても………………私最低だ。
事が終わったら…………て話だったけど、こんな私がグレイ様の婚約者に戻っていいわけないよね。。
今日はグレイ様のエスコートなしで初めて出る夜会だ。
エスコートしてくれるのはカペロ様筆頭にサムウィル様とカシリス様もしてくださるみたいで、、、みんなに申し訳ない。
それに…………カペロ様とのこと覚えてるばかりにめちゃくちゃ気まずいです!!
どんな顔して会ったらいいんだろう………あれから学園は事件に巻き込まれた令嬢は今日までお休みになっていた。
だからカペロ様に会うのはあの日以来になる。
だってだって……………『キスしたい』何て言ったんだよ!!
何言ってんだろ………私。恥ずかしくてたまらない。
「リィ、ドレス似合ってるよ。……………まだ気にしてるんだね。」
「クリスお兄様…………ありがとうございます。どうしたらいいのかわからないんです。…………グレイ様のことを想ってますが、あんな風にカペロ様を求めてしまってこのままグレイ様と会わす顔がありません。」
「そうか……………わかってると思うがグレイセドは今回のことすべて知ってるよ。グレイセドはリィのことになると周りが見えないくらいリィのこと大好きだよ。それにカペロの気持ちも気づいているんだろ?リィのことを大切に想っているよ。………最後はリィが決めていいんだ。」
カペロ様の気持ちは薄々だけど私のこと想ってくれてるのかな~と思ってた。ナージュ様や侍女達から聞くカペロ様と私に接するカペロ様が全然違って………とろけるように幸せだと私に微笑む姿はさすがの私も自意識過剰になってしまった。
クリスお兄様が言うってことは間違いないんだろうな。
…………私のどこを好きになってくれたのだろう。
「リーゼ様、カペロ様がいらっしゃいました。」
侍女の声が聞こえてきた方を私とクリスお兄様が向くと、正装したカペロ様が立っていた。
正装したカペロ様はクリスお兄様やグレイ様に劣らずの王子様ぶりを発揮している。
白を貴重に瞳の赤色をベストに着ており、普通派手になるはずなのに派手どころか着こなしていてカペロ様が着てると色気が漂う紳士になっている。
私も白を貴重に赤い薔薇、青い薔薇、黄色い薔薇を胸元にあしらっており、肩が出ている大人っぽいデザインになっている。
少し………胸元が開いているから恥ずかしいが支度を手伝ってくれた侍女達は涙を流しながら『リーゼお嬢様お似合いです。こんなに成長してしかも真珠のように輝く白い肌がとても綺麗で………婚約候補者達はメロメロです!!』と何がメロメロなのか…………うちの侍女達は興奮するとワケわからないことを言い出すからなぁ~。褒めてくれてるのはわかるからありがたいんだけど。
「リーゼ、今日は一段と綺麗だよ。」
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
私の手にキスをしながら甘い言葉を言われた。
カペロ様は甘い言葉をすら~となんなく言えるのが凄い!!
こんなことされたら女性はドキドキするに決まってるじゃないですか!!
「あっありがとうございます。カッカペロ様も素敵です。」
しどろもどろになりながら受け答えをするとクリスお兄様が隣でクスクスと笑っている。
もぉ~クリスお兄様とカペロ様の話をしてたから意識しちゃうじゃないですか…………そう。意識してる自分がいる。
こんなことはグレイ様以外になかったのに…………私は最低だ。
「ありがとう。さあ、夜会に行こう。」
ふにゃっと幸せそうに微笑まれて私の手を引いて歩きだす。
カッカッカペロ様………………その笑顔は反則です。。
ドキドキが止まらないじゃないですか。
「リィ、夜会でまた会おう。………しっかり悩むといいよ。」
クリスお兄様は私とカペロ様を後ろから手を振って見送っている。
わざとですね!?わざとでしょう!!
余計な一言を大声で最後にぶちまけて………………。