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68.魔石3

「リーゼお嬢様いいですか!失敗はいいのです。そこがリーゼお嬢様の可愛らしいところなので直さなくて良いです。が、私の知る限り気を付けてください。」


「なにを?」


「今までリーゼお嬢様はグレイセド皇太子の婚約者だからと線を引かれていましたが、今は違いますよね。婚約者候補にカペロ様、サムウィル様、カシリス様が名乗りをあげているので少し沈静化しておりますが、私の得た情報によるとまだ諦めていない令息が数名いらっしゃいますよ。学園でもお気をつけくださいね!!もう、リーゼお嬢様は隙だらけで私達は心配でたまりません。」


侍女達が首がとれそうなくらい勢いよく頷いている。

まだ諦めてないやつがいるのか。。


「情報って…………侍女の情報網は凄いのね。私はしっかりしてるから大丈夫よ。」


にっこり笑顔で答えてるがリィ………………それが心配なんだ。

これは三人に頑張ってもらわないといけないな。

ん?ドアの開く音がして入ってきた侍女が花束を抱えて入ってきたな。


「リーゼお嬢様宛に花束が送られてきました。」


「えっ?誰からかしら?ん~……………………………あっ花びらのところにメッセージカードが付いてたわ。うーーーーーーん…………………………………………誰?名前をみてもわからないわ。ねぇ誰か知ってる?」


「僭越ながら…………ああ、伯爵のご令息ですね。」


「何故知らない人から私に来たのかしら??しかも付き合ってほしいと書いてあるわ。」


「だから言ってるじゃありませんか。諦めてない()がいるのです!!」


「…………困ったわ。私知らない人と出掛けたくないわ。」


「「「「「「「はいっ??」」」」」」」


侍女達が揃って聞き返してるじゃないか…………リィ意味が違うんだよ。

はぁ……………こっちはこっちでみんな殺気だってる。

落ち着けよ…………………。


「だって、この方何処に付き合ってほしいのか書いてないんです……………お花も一緒に送られてきたから花屋さんに行きたいのかしら??女性の意見を聞きたいとか??」


「「「「「「なんでだぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」」


侍女達がリィの言葉に気持ちいいツッコミしているな。

気持ちはわかるが、リィはこれが素なんだよ。


「…………………リーゼお嬢様、今までよく無事でしたね。グレイセド皇太子にとても大切にされていた(囲われていた)んですね。」


一人の侍女がそう言うと他の侍女達が首を大きく頷いている。

侍女達もある程度はわかっていただろうが想像を越えてたんだろうな。

グレイセドをみんなが一斉に見る。

まぁ………リィが恋愛に対して疎いのはグレイセドが長年()()()()()()ともいうが…。

みんなに見られてもグレイセドは顔色ひとつ変えず、むしろ不敵な笑みを浮かべている。

………確信犯だな。はぁ………リィの状況に満足そうだ。

リィ以外のことは出来るやつなのにリィのことになると…………執着が凄いというか粘着質というか………恐ろしいやつだ。

みんなわかっているのかじとーとグレイセドを見ているが知らない振りしているな。


「この方にお返事は何て書けばいいかしら?他の人に付き合ってもらってくださいとか?」


「返事をする必要はありません。」


「えっ?そうなの?」


「…………公爵家より二度とこんなことがないよう返事をしておきます(脅迫しておきます)のでご安心を。それにしても心配ですね………グレイセド皇太子がいなくなった途端リーゼお嬢様の周りが騒がしいです。婚約者候補もいらっしゃるというのに…………。家以外は必ずカペロ様、サムウィル様、カシリス様の誰かと必ずいてくださいね!!」


「うふふ。私もしっかりしているし大丈夫よ。でも、心配かけたくないから必ず側にいるようにするわ。ありがとう。」


にっこり笑顔で返すリィを見て侍女達が不安そうな顔をしている。

男達も心配そうな顔をしているな。

俺からみてもリィはしっかりしていない。本人がしっかりしていると思っているのも危うい感が万歳だ。


「リィは自分の恋愛事になると疎くてな………好意を寄せられている自覚がないんだ。」


「知る必要がないことだ。」


「グレイセド………お前がそうしたんじゃないか。相当執着が激しいぞ。」


カペロが呆れた顔でグレイセドに言うと、


「俺以外に興味を持つ必要がないからな。」


「「「「…………………………………。」」」」


グレイセドは満足そうな顔をしているが、四人はなんとも言えない顔をしている。


「グレイセドのリィに対する執着は今に始まったことじゃないが、今はグレイセドが側にいることができない。三人には今までよりもリィの側を離れないでくれ。何か贈ってくる奴もいるからリィと仲よくな。」


俺から三人にリィを頼むとグレイセドが顔をしかめている。

リィの側にいることができない守れない状況が嫌なのはわかるが……。


「いいか、リィの婚約者は俺だからな。カペロ、サムウィル、カシリス、リファエルお前達リィに()()()()()()。」


「「「「…………………………。」」」」


みんなリィに惹かれてることをわかってるな。


「まぁ、リーゼを繋ぎ止めれることを願ってな。」


カペロが挑発するようなことを言って不敵な笑顔でグレイセドを見た。

早く終わらせないと俺は待たないぞってことか。

カペロもリィを忘れられないんだろう。

挑発半分、本気半分…………か。

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