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69.変化1

「財務官は何処にいったんだ!早く支払いをしなければ品物が入ってこないと言うのに……………。」


ガンッと大きな音がしてドアを開けてはいると、机を叩いて怒りを露にしているお父様がいた。


「お父様どうされましたか?」


「……………シーファ、皇太子と噂になっているが本当のところはどうなんだ?」


「………まだです。」


なんて屈辱なの!全然進展していないなんて言いたくないのに!

それどころか相手にされてないなんてプライドが許さないのよね。


「お前にしては手こずっているな。必ず認めてもらえよ。………財務官の令息とはどうなっている?」


鋭い目付きで質問をしてくるお父様を見て珍しいわね、焦ってるのかしら?


「財務官の令息は学園には来ておりません。外出禁止にされていると噂では言われていますわ。なので姿は見ておりませんが、そろそろ私に会いに来ることでしょう。私に夢中(中毒)ですからね。」


ニヤリと笑って話す私を見てお父様も満足そうな笑みを浮かべる。


「ならいいが、くれぐれも手放すなよ。それと今すぐに高位貴族(金蔓)を探してこい。」


「………………何故ですか?」


「理由は知らなくていい。言われた通りにしろ。」


「……………………失礼します。」


ドアを閉めたあと、廊下を歩いてるとひぃぃぃぃぃーと私を見て侍女が逃げていった。

なんて失礼な侍女!見つけ出して首にしてあげるわ!

怒りが顔に出てたみたいね…………お父様…………いいえ、あの勘違い野郎をもうお父様とは呼びたくない。

今までいい子にしてたのはあの薬を手に入れたいためなのに私がなんでも言うことを聞くと勘違いしてマジうざいわ。

金蔓を………か。ハッ私が動くとでも!?

何か焦ってたけど私には関係ない。

この先は勝手に没落するのね。お母さんを弄んで捨てたのに私を利用するために連れてきて…そのことを私が知らないとでも思ってるのかしら?笑えるわ。


この手で没落をさせようと思ってたけど、あの様子だと勝手に没落してくれるだろうから、ふふふっ。見物しててあげるわ。

私はいずれグレイセドと恋人同士になるの。

そのときは侯爵家に養子にだされるんだから。カヴァル家がどつなろうが構わないわ。


それにしても、グレイセドはなかなか手強い……。

あの悪役令嬢のリーゼ・ウォレットが側にいないのに………私に靡かないのよね。

しかも、グレイセドから婚約破棄されていい気味と思ってたのに婚約者候補に攻略対象の人ばかりを選んで………イライラする。

最近は学園でもみんなリーゼ・ウォレットの婚約者候補の話ばかりなのよね。注目の的で目立ってるじゃない。

こんなはずじゃなかった………私より目立つなんて許せない!!

悪役令嬢なら悪役令嬢らしく大人しくみんなに嫌われて断罪されなさいよ。

何か打つ手を考えないと………………ふふふ。私自らリーゼ・ウォレットにお仕置きしようかしら。




―――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――





「リーゼ様、朝から熱々でしたね。」


ナージュ様がにやにやしながら私に言ってきた……………まぁ、その前からかなり注目されてましたが…………。

何故こうなったのぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!


……………………………事の発端は私が学園に行く馬車の中で寝てしまったこと。

いや~朝から天気がよくてついついうとうとしちゃったんだよね。

揺れるのが気持ちよくて…………いやいやいや、揺れてるのおかしいよね??と思って目を開けるとサムウィル様の胸元が目の前に!!

………………………自分の目を疑って固まってしまった。

サムウィル様の手で私の顔がみんなに見えないように胸元へ押し当てている。

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

何故こうなってる!!??

どうしてこうなったーーーーーーー!?

起こしてくれれば起きた…………と思うが、急にサムウィル様らしくない行動でびっくりです!

目のやり場…………どころじゃありませんよ!?

服の上からでもサムウィル様の引き締まった身体を感じますよ!!

周りのざわつきからして門の辺りかしら?

みんなに見られてさすがに顔をあげれるほど勇気はありません。


「リーゼ様、目を覚まされましたか?」


体勢は変えずに私に語りかけてくるサムウィル様。


「はい………………何故かこんなことに………寝てしまいすみません。今すぐに下ろしていただいていいですよ?」


そういった途端、私の頭を押さえていたサムウィル様の手に力がこもり、胸元から離れられなくなった。


「もう少しこのままで。」


意味がわからずどうすることもできず身を任すことしか出来なかった。

下ろしてくれたときは、中庭だった。

あっ、ここのベンチではよくグレイ様と一緒にいたなぁ………ヤバイヤバイ会いたくなっちゃうよ……………。


「何を思い出してるんですか?」


顔を覗かれ近すぎる顔に固まってしまう。

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!

今日はどうしたんですか?サムウィル様?何か変なもの食べましたかー?????


「今は俺のことだけを見てほしいです。」


私の髪に触れながら髪にキスをするサムウィル様。

ちょっ………周りからは黄色い声が上がっている。

めちゃくちゃ見られてますよ!?


「サッサムウィル様??今日はどうしたのですかー?」


返事がなくサムウィル様は私の髪を撫でながら幸せそうに微笑むだけだった。

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