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62.婚約者候補2

「ねえ、あの噂聞きました?」

「ああ、皇太子が婚約破棄するっていう?」

「そうそう。どうも本当らしいですわよ。あんなに一緒にいたのに最近ぱったりですし…………。」

「やっぱりそうなのですね。お似合いの二人でしたのに……残念ですわ。」


ふふふ…………あははははははっ。

学園で噂になってるわ。リーゼ・ウォレットは婚約破棄になるし卒業式には()()()()かしら。楽しくてたまらないわ。私の邪魔をするからよ、いい気味だわ。

いつの間にか魔術師がいなくなってたけど、あの時リーゼ・ウォレットに忠告したのがよかったわ。

グレイセド様は相変わらずだけど婚約破棄となれば卒業までに落とせばいい話だし~時間はたっぷりとある。


「皇太子の婚約者誰になるのかしら………令嬢たちは浮き足立ってますわよ。」

「そうですね………選ばれたいですわ。皇太子は素敵な方ですもの。ウォレットご令嬢のようにあんなに愛されるなら一時でも婚約者になりたいですわ。」

「ふふ。本当ですわね。」


はぁ!?あんたたちはお呼びじゃないのよ!

皇太子の婚約者にはヒロインの私しかいないじゃない!

せっかくリーゼ・ウォレットをグレイセド様から遠ざけたのに他の令嬢達が群がるのは面白くない。

早くグレイセド様を私の虜にしてラブラブっぷりを見せつければ誰も私に太刀打ちできないでしょ~。



――――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――



「サムウィル様、カシリス様、カペロ様本当に巻き込んでしまいすみません。しかも朝早くからお迎えに来てくださって…………婚約者候補の話も了承してくださったみたいで申し訳ないです。」


馬車のなかで三人に謝る。目の前にはサムウィル様とカシリス様がいて隣にはカペロ様が座っている。

もちろん一番はグレイ様ですが…………なんだこのイケメンに囲まれた状況は!朝から周りが輝いて眩しいです!!

サムウィル様とカシリス様はイケメンだと思っていたが、カペロ様はイケメンな上に大人な色気がある。

朝から目の保養半端ないです!!!!!


確かにうちの侍女達が騒ぐのがわかるわ。

朝からざわざわして私の支度をしてたのに自分の身なりを気にしてるのまるわかりの侍女達。

グレイ様やクリスお兄様の時もそうだったが、どうもうちの侍女達はイケメン大好きだ。

「サムウィル様の騎士であり甘いマスクがたまらないぃぃぃぃ。私を守ってぇぇぇぇーーーーーーーーーー!!」

「知的で愛嬌のあるカシリス様に微笑まれたいぃぃぃぃ。」

「カペロ様の色気は半端ない!半端ない!抱かれたいぃぃぃぃぃぃーーーー!!!!!」

…………………なんて歌を歌ってるの。はぁぁぁぁ。カペロ様に関しては欲求丸出しではないか。

あれだけのイケメンが揃うと、浮かれたい気持ちわかるよ!わかるけどさすがにその歌はないよーーーー!

はぁぁぁぁ。

今日なんかカペロ様が加わって三人が客室で待ってる間私の部屋で大合唱が開催されていた。

聞こえていたか聞こえていなかったかは…………怖くて聞けない。



「リーゼ様の婚約者候補を名乗れるだけで幸せですから。」


サムウィル様が私を見て頬を赤らめながら微笑んだ。

めちゃくちゃ気を使ってくれてるんだろうな……なんて優しいんだろう。騎士であり誠実でこの対応………女性みんなやられちゃうんじゃないですか!!


「俺も、婚約者候補に選んでいただいて嬉しく思ってますよ。ナージュも喜ぶでしょうね。」


カシリス様は頬を赤らめ私を見つめてくる。

カシリス様も優しいですよね。ただ、最後の一言は怖いですねー。この前も説明できなくて誤解のままにしていましたが追い討ちをかけるように婚約者候補にカシリス様が入ってるんですから………今後のナージュ様の動向が怖くなりますよ。


「リーゼ俺も構わないよ。何か言われたら俺の名前を出していいからな。」


カペロ様は話すときなかなか目が合わないが、チラッとこっちを見たとき私もカペロ様を見ていたので目が合い耳が真っ赤になっている。


カペロ様は大人の男性って感じでめちゃくちゃ大人の色気がすごいんです!!!!私なんか足元にも及びません。

この前はじめてお会いしましたが………イケメンでワイルドなところも含まれてて絶対に女性に人気ですよね!!

なんでこんなカペロ様が私の婚約者候補を引き受けてくれたのか謎ですが…………。


「婚約者候補になってくれてありがとうございます。でも、想い人がいたり誤解されそうなときは私を切ってくださいね。」


「絶対にないです。」

「あり得ないな。」

「ないな。」


三人が私の言葉に反応して急に真顔になって一斉に言われたのでビックリした。


「ふふ。サムウィル様もカシリス様もカペロ様もよろしくお願いします。」


クスクス笑いながら三人を見ると顔が真っ赤になっていた。


―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――


学園に着いて馬車から降りると一斉に注目を浴びた。

私を囲むように三人が立ち歩いてる姿を見て噂は一気に現実味を帯びて学園全体に数時間もかからず広まったことは言うまでもない。

その後、私はこの三人の爆発的な人気を目の当たりにすることになる。

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