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57.初めての……

「おはようございます。リーゼ様行きましょうか。」


王宮から帰ってきて知ったけど、グレイ様と登下校出来ないからサムウィル様とカシリス様が一緒に行ってくれるらしい。

グレイ様やクリスお兄様以外とは初めてで少し緊張してしまう。


「サムウィル様、カシリス様朝からありがとうございます。朝早いので無理しないでいいのですよ………私一人でもい「いいえ、大丈夫ですから登下校は任せてください。」」


私の言葉を遮るようにサムウィル様が答えたからビックリした。こんなに勢いついたサムウィル様って珍しいから。


「俺も大丈夫ですよ。逆に嬉しく思います。」


カシリス様は優しいですね~。私に気を使って嬉しいとか言ってくれて。


「ふふふ。二人とも優しいですね~。実は言った手前ですが一人では心細かったんです。私こそ巻き込んですみません。」


にっこり微笑むと頬を赤く染め二人とも固まってしまった。


「サムウィル様とカシリス様はヒロ…………カヴァル・シーファ様とお会いしたことがありますか?」


二人とも急に顔が真顔になり、なんとも言えない表情になった。

えっ?なにその表情!?何かあった??


「ありますね。何故か俺の行くところにいて………それが毎日続くので気味が悪かったですね。」


サムウィル様がとても憂鬱そうに言ったので……ヒロインなにやってるんだ!と心で叫んでしまった。

確かにヒロイン的にはイベントのために行動してても知らない方からしたら行く先々で出没されると怖いよね。

サムウィル様の態度を見るとイベントは失敗に終わってたんだろうな。。


「俺も似たような感じですね。知らない令嬢がいつもいつもにっこり微笑みながら近づいてくるのでさすがに恐怖でしたね。」


カシリス様は恐怖を感じてたのか!!

本当に何やってるんだヒロインは!!

好感度上がるどころか恐怖を植え付けてるじゃないか!

うーん………この感じだとカシリス様もイベント失敗に終わってたんだろうな。


今思えば夢で初めて話したけど全然想像としてた感じと違ったなぁ……………。ヒロインのイメージは可憐なおしとやかな女性を思ってた…………。夢で会ったヒロインは口が悪く暴力的だった。

………………………ヤバイ手が震えてきた。夢のことは鮮明に覚えてるから今だに怖いんだよね。


「そうだったのですね。私はカヴァル・シーファ様とは現実でお会いしたことはありませんが、可愛らしい方だと噂は聞いておりました………。」


「うーん…………容姿はあまりインパクトないですね。奇行の方が目立つ方だとしか。」


うぉぉぉぉぉぉぉい!ヒロインーーーーーーー!

全然だめじゃないですか!!

カシリス様に奇行の方としか思われてなかったですよぉーーーーー!

どんだけ毎日現れてたんですか!

うーーーーーん。ヒロインに転生した人とは友達になれないな。


「俺もです。怖い方だとしか…………噂も色々な噂がありますよ、あの方は。それに………リーゼ様の方が可愛いです。」


「ふふっ。サムウィル様私にお気遣いしなくていいですわ。噂がまだあるのですね………。」


全く………あの話し方だとあまりいい噂ではないだろうから、知らなかったとはいえヒロインどんだけ悪目立ちですか…………。


「気遣いなとしていません。本当のことを言ったんです。リーゼ様は可愛いです!!」


えっ?急にどうしたんですかサムウィル様!?そこは流してもいいのですよ。


「そうですよ。リーゼ様の髪は光を浴びてなくてもとてもキラキラと輝いて綺麗ですし、アメジストのくるりとした大きな瞳に見つめられると男性はたまらないんです。唇もサクランボのように真っ赤で「ストーーーーーーーープ!!!!!」」


ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

急に何を熱弁してるんですかカシリス様!!!!!

朝からすごく恥ずかしいことを言われました。

お世辞とわかっていますが聞いてて恥ずかしくなって止めちゃいましたよ。


「ふふ。そんなに朝から誉められると恥ずかしくなっちゃいますよ。カシリス様は女性を誉めるのがお上手ですね~私も恥ずかしいですが嬉しかったです。」


頬を赤くして手で顔をパタパタと仰ぎながら言う私にカシリス様とサムウィル様は微笑みながら


「「事実ですから。」」


と言われ、朝からイケメン二人の微笑みショットに私は心の中で『朝からいただきました。』と心の中で呟いた。



――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――


はぁぁぁぁ。めちゃくちゃ視線を感じますよ。

皆さんいいたいことはわかりますよ!

グレイ様といないからでしょう!?

他の人と来たからでしょう!?

皆さん言いたいことはわかりますが、私達を見て持っていた物を落としたり、目を見開いて固まったり…………そんなにビックリされることに私がビックリしてますよ。


「…………なんか皆さんすごく驚いていますね。」


「そうでしょうね。いつもリーゼ様はグレイセド様と共に行動されてましたから…………俺はリーゼ様と注目されて嬉しいですが。」


えっ?注目されるのが嬉しいって………カシリス様はナルシスト?なのかな。。


「俺もリーゼ様との注目は全然嫌じゃないですね。むしろ嬉しいですよ。」


えーーーーーー!!

サムウィル様まで……そんな注目を嬉しがるキャラでしたか!?

ふぅ…………なんだか今日は朝から二人の意外な一面ばかり見ている気がします。

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