55.王宮6
朝食も晩餐と同じメンバーで食べましたがお義父様、お義母様がいるので朝からすごく緊張した。
しかもお義母様………………あからさますぎます。
わかりますよ、わかってますよ。言いたいことは………。
そのにたにた笑って私を見ないでください………みんなが知っていると思うと顔から火がでそうでパニクりますから。
「おっお義母様、そっそのぉ……………。」
「ふふふ。リーゼ何でも言っていいのよ、本当に娘になったんですもの。」
……………お義母様、朝からそこを強調しないでください。
恥ずかしくてみんなの前で私は穴を掘り出しますよ。
「お義母様………………できればその表情をやめていただけたらと思います。」
「ええ?どうして?嬉しいんですもの~やっとグレイとリーゼが結ばれて、私ずっと待ってたのですよあの婚約者決定の日から。」
聞いてて私は食べ物を吹き出しそうになりましたよ。
勇気を振り絞りお義母様に伝えるがキョトンとした顔でなんていう爆弾を言いなさった。
クリスお兄様にお義父様までいるのに…………顔面から火がでそうですよ。
しかもお義母様どんだけ昔から願ってたのですか!
もう…………………諦めよう。こんだけ暴露されて私だけがパニクっていてみんな平気な顔してるかにたにたしてるか………私がおかしいみたいじゃないか。
気になるが!気にはなるが普通に朝御飯を食べよう。
「それでグレイはどうだったか?リーゼは満足したか?」
「ゴホゴホッゴホッ……………。」
噎せてしまったではありませんか!お義父様なんてストレートなんですか!オブラートに包んでください!!
「ご想像にお任せしますわ。」
お義父様には悪いがこれはスルーしよう。いくらなんでもさすがにみんなの前で言える話じゃないでしょう!
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今日は王宮のバラ園でお茶をするらしく、今支度をしてもらっている。
気分転換に誘ってくれたのかな~。
初めてグレイ様と散策したのもバラ園だったなぁ。
あの頃のグレイ様は天使のようにかっこよかったし可愛かった。今は大人の男性に成長してるがかっこよさは健在だ。
王宮のバラ園はとっても沢山咲いていて、薔薇も種類が豊富だしとても綺麗だもんね。
ドレスも白をベースとして刺繍で赤い薔薇と金色の薔薇が描かれて肩から胸元まで開いているが胸の辺りに沢山のエメラルド色の薔薇の花が施されておりセクシーだけどエロさは感じない………むしろ可愛いから見たときは心が踊った。
ふふふ。グレイ様が選んでくれたんだろうな~。
まるでウェディングドレスと言ってもいいほど輝いているドレス。
昨日は最高だったなぁ。
グレイ様が本当に近くに感じて………あの熱のこもった瞳に見つめられると……………………て何考えてるんだー!!!!!
真っ昼間からヤバイです!気を抜くと昨日のことがフラッシュバックして……………グレイ様を……………グレイ様の身体を……………。
て、何考えてるだ私は!!!!!
だめだだめだ!支度に集中しよう!!!!!
とにかく、急いでグレイ様とクリスお兄様のところに行かなきゃ。
私の妄想のせいでかなり時間が遅くなったみたい。
途中、王宮侍女達が私を見る目が引きぎみだった気がする…。
家ではないから気を付けないと!
ウォレット家のご令嬢は変だと噂をされたら大変だ。
バラ園に来たはいいが………浮かれていて案内してくれていた侍女を見失ってしまった。
侍女さんごめんなさい。私全然見てませんでした……………。
目を閉じればグレイ様の身体が…………ぎゃぁぁぁぁぁぁ。
顔を覆ってしゃがみこむ。
……………………こんなことしてたから見失ったんじゃないか!
私もっとしっかりしろ!!
はぁ………それにしても同じところをぐるぐる回ってる気がする。
ここのバラ園広いからなぁ~。
そうそう!迷ったときはその場で止まってた方がいいんだよね。
立ち止まってバラを眺めていると、世界に一人だけの気分になり口に出したくなって妄想を話す。
「グレイ様、誰もいませんのでぎゅっーとしてください。」
「リィは甘えん坊だなぁ。おいで。」
「ぎゅーーーーー。グレイ様大好きです。グレイ様の熱い瞳に見つめられると……………何も考えられなくなります。それに成長されてグレイ様って色気ありますよね~。もう身体中から滲み出ていて女性はみんな虜になっちゃいますよ。私妬いちゃいますよ。」
「リィ大丈夫だよ。俺にはリィだけだ。大好きだよ。」
「私はあっ愛してます。」
きゃーーー!!私ったら妄想では素直に言えるんだ。
「俺も愛してるよ。」
目を閉じてキスを待つ私。
「ちゅっ。」
「きゃぁぁぁぁぁ!グレイ様ったら~。」
ギィィィィーーーーーー。
ん?何今の音は!?私の妄想の中でこんな音なかったんですが!!!?
音のした後ろを振り向くと薔薇で作られた扉が開いていた。
そこまではいい!こんな隠し扉があるとは知らなかったが最高の隠れ場所ではないか!
今はそこは問題ではない。
ドアを開けたのはグレイ様だった。
その向こうの景色に目を見開いて固まってしまった。
お茶の準備をしてあるテーブルと椅子には、呆れた顔のクリスお兄様に顔を真っ赤にして気まずそうにしているサムウィル様、不敵な笑みを浮かべているカシリス様が座ってこっちを見ていた。
「グッグレイ様……………!?」
あまりの状況に名前しか出てこない。
「リィ、今はみんないるからまた後で妄想を現実にしてあげるな。」
くすりと笑いながら私に言うグレイ様。
「サムウィルにカシリス。今リィはちょっと浮かれてるんだ。妹がすまない。」
呆れたようにみんなに謝るクリスお兄様。
聞こえてたんですね!聞こえてたんですよね!
ぎゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
妄想が……………独り言が………………聞こえてたなんて、、、。
「…………………みんなの記憶を消したいです。」
真っ赤になっている顔を覆いながらしゃがみこんで呟いた。