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103.お泊まり会3

違うちがーーーーう!!

何でこんな大事なお泊まり会になってるのーー!?


「想像してたのと全く違う…………とんでもないお泊まり会になってしまった。」


「あらあら。リィが思うお泊まり会ってどんな感じなの?」


ボソッと呟いたはずがお母様に聞こえてた………そこは受け流してくださいーーー。

どうせ叶わなかったから前世の記憶を交えながら自分が思ってることいっちゃえ!!


「そっそうですね~。ナージュ様とお茶を飲みながら沢山お話をして、()()()()()()()入ったり、寝る前に()()()()()()して盛り上がったり…………ですかね。」


首をかしげ思い出したことをバラバラに言ってしまった………………。

周りを見渡すと、ナージュ様は目を見開いてこっちを見ていてグレイ様達もビックリされているのがわかる。

だよね、だよねー。この世界じゃお泊まり会って一緒に食事をしてお茶をしながらお話しするだけだもんね。


「リーゼの考えたお泊まり会すっっごく楽しそうだわぁ。是非みんなで全部やりましょう!!うふふ。」


「ふふふ。みんなでお風呂楽しみだわ。」


採用されてしまった。

しかも何故か()()()()となってしまってる。

いやいやいや、ナージュ様と一緒にやりたいことだったのですがみんなでわざわざしなくてもいいですよ!


「リーゼ様、この後少しよろしいでしょうか?」


「いいですよ。でしたら私がナージュ様のお部屋に伺いますね。」


とは言ったものの、思い詰めたようなナージュ様の表情が少し気になりました。



――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

―――――――



ふぅ~。晩餐はとても精神的に大変だったけど、みんなと食事ができて嬉しかったな。

ナージュ様のことが気になるしお部屋も確かそんなに遠くなかったはずだから行ってみようかな。


ドアを開けると広い廊下が静まりかえっている。

暗くて先があまり見えず少し怖いけど少しの距離だから大丈夫だろう。

よし、行こう!!


恐る恐る暗いなか歩いていると急にグイッと引っ張られてそのまま部屋の中に連れ込まれた。


えっ!?誰!?誰!?

後ろから抱きつかれて誰かわからずゾクリとする。


「ちょっと離してくださ……………。」


言い終わる前に後ろから抱きついてきた人の手が私の顎を上に向かせたと思ったときに唇を塞がれた。


「んんんんっ…………。」


後ろから抱きしめられ顔も自由がきかず抵抗したくても出来ない。

抱きしめられてる腕に動く手でささやかな抵抗をしてもびくともしない。

暗くて誰だがわからないし、キスをされてることが何よりも嫌だ!!

グレイ様としかしたことないのに………他の人にされるのは嫌だ。

嫌だ!怖い!嫌!怖い!


グレイ様。

グレイ様。


「んっ…………んんっ。」


心の中で叫びながら抵抗をするがなかなか唇が離れない。

一瞬唇が離れた瞬間、力では抵抗できないなら叫ぶしかない。


「離してください!!嫌だ!!グレイ様にしかキスされたくないです!!嫌です!嫌です!嫌!嫌……グレイ様………グレイ様………。」


最後は不意をつかれたとはいえグレイ様以外に唇を奪われてしまったことに悔しくて悔しくて絶望してしまう。


「………………………………グレイ様……………。」


「リィ、俺がいいか?」


「はい。グレイ様じゃなきゃ嫌で……………えっ!?」


あまりにも普通に会話をしてしまったけど、グレイ様の声だったよね?

顔を恐る恐る確認すると…………私を抱きしめていたのはグレイ様でした。


「……………………悪ふざけが過ぎます。びっくりしたんですからね。」


「ごめんな。」


本当に本当にごめんって思ってますか?

グレイ様の顔は相当にやけていますよ!!


「本当に謝ってますか………?顔がにやけてますが………。」


頬っぺを膨らましてグレイ様から顔を背けた。悪ふざけが過ぎます!!

クルリと身体が回転しグレイ様と対面したかと思ったら頬が両手で包まれ、暗闇に慣れてきたこともあってバチリとグレイ様の瞳と目があった。


「リィが俺の名前を呼んだから………俺じゃないと嫌だと言ったから。」


瞳が愛しそうに私を見つめているのがわかった。

誰かわからず抱きしめられキスされたとき、グレイ様のことしか考えられなかった。


「……………………突然で誰かわからず抱きしめられキスされたときグレイ様以外にされるのは考えられず嫌だと強く思ったんです。」


本当のことだ。グレイ様以外にされたくない。

自分がグレイ様以外に………と考えたらこんなに拒否反応が出るとは思わなかった。


「リィは俺じゃないと嫌なんだね?」


「嫌ですね。」


考えただけでもゾクリとし嫌悪感が身体を支配する。


「リィは俺にだけ触れられたいんだな。」


見方を変えればそうなりますね。

目を見つめてそんな言い方をされると恥ずかしくなり視線を横に反らすと、突然両手が頬から離れてお姫様抱っこでソファーまで連れていかれ、その状態のままグレイ様が腰を下ろした。

私はグレイ様の胸元へ顔を埋める。


「リィの全ては俺のものだ。俺以外には誰にも触らせない。」


顎を持ち上げられ瞳と瞳がぶつかる。

ソファーの近くの窓から月明かりがはいってきて入り口付近よりも明るく、グレイ様の金色の髪がキラリと動く度に光っていて綺麗だ。

私を見つめるグレイ様の瞳もいつもより深みのあるエメラルドでとても綺麗。

ジッーと見つめられると吸い込まれていく。


「リィをこのまま抱きたい。」


「えっ………お泊まり会でみんながいるから無理で…………んっ。」


グレイ様の瞳が近づいてきて深いキスで言葉が遮られた。

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