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101.お泊まり会

とうとう明日お泊まり会……王宮でなんてとんでもないお泊まり会になってしまった。

ナージュ様はお泊まり会の事を話していると緊張からか震えていた。

そうなりますよね………。


「グレイセドが言い出したことだから覆らないよ。」


「あら、リィはまだそんなこと考えてたの!?ミールも乗り気だったんだからもう覆らないわ、ふふふ。」


クリスお兄様にお母様から最後のとどめを刺されてしまった。

覆らないことはわかってても悪足掻きしたくなったんです。



―――――――――――――――――――――――

――――――――――――――



「えぇーーーー!!何故だ!!私の愛しいティアとリィにクリスまでも王宮に行ってしまうのか!?嫌だ…………嫌だ!!今日は日帰りで帰っておいでぇぇぇ!!」


半泣きをしながら朝からお父様が叫んでおります。

お母様はお父様にさっき言ったみたいです…………泣かれることを見越していたのでしょうね。

私もお母様が行くと決まったときにお父様が大丈夫かな!?と心配になりましたが予想的中でした。


「お父様………一日だから大丈夫ですよ。」


クリスお兄様が宥めてくれてる傍ら私にすがり付いて泣いております。

お父様………普段はかっこいいのに何故私やお母様が関わると残念になるのですか……。

ほら、クリスお兄様が呆れた顔で見てますよ。

お母様は笑顔を絶やしません………それが恐ろしいです。


「あなた」


私にすがり付いているお父様の身体がビクンと強張りチラッとお母様を見ているお父様がなんだか可愛らしいです。


「ティア………俺は片時も離れたくないんだ。君を愛してるんだ。側にいないと落ち着かないし寝れない。気が狂いそうになるんだ。」


いや、もう離れてください。

私に抱きつきながらお母様に愛を語っているお父様。

親のこんな姿をこんな至近距離で見せられてこっちが恥ずかしいですから。

クリスお兄様や侍女達はこんなお父様を見ても無表情ですが………慣れてるとはいえ挟まれて親のこんな姿見せられてる私が戸惑いますから。


「ふふふ、私も愛しておりますわ。困りましたわね………。」


お母様が私とお父様に近づいてきてお父様の耳元で


「帰ってきたら存分に楽しみましょうね。あ・な・た、ふふふ。」


と呟きました。

ぎゃぁぁぁぁ!!

お母様、私と側にいたクリスお兄様にも聞こえてますから!!

私は真っ赤になり、クリスお兄様はやれやれとため息をつきお父様は私から離れてお母様に抱きつき元気になり、あらあら!!と背中を撫でられると目をキラキラさせてました。

どんだけラブラブなんですかぁぁぁ。

見てるこっちが恥ずかしいです!!

一部始終見ていたクリスお兄様がボソッと


「さらに弟か妹が出来るかもな。」


勢いよくクリスお兄様の方を見て真顔で『あり得ますね。』とコクりと頷いて賛同した。



――――――――――――――――――――

―――――――――――――

――――――――



「待っていたわティア。今日はたくさん楽しみましょうね。クリスもリーゼも気軽に過ごすといいわ。」


お義母様(ウォレット公爵婦人)ようこそお越しくださいました。クリス、リィ来てくれて嬉しいよ。みんなはまだだからゆっくりしてるといい。」


王宮に着き通された部屋でお茶をしながら待っていると…………まさかのお義母様(王妃様)とグレイ様が聞き付けて来てくれた。


「ミール、グレイセド様、今日はよろしくお願い致しますわ。」


「懐かしいわね~学生の頃を思い出してしまうわ。」


「ふふふ。学生以来かしら。」


穏やかな雰囲気の中次々に到着し入ってくる度にお母様とお義母様がいるこの空間に固まっていた。


ですよね。その反応になりますよね!

公爵婦人と王妃様が和気相合に話してるのだ……普通緊張するでしょう!!


「皆さん今回は息子のグレイや()()()()()の為にありがとう。今日は楽しんでいってくださいね。あっ、晩餐は私や国王陛下も交えて一緒に食べましょうね~楽しみにしていたのよ。ふふ。」


…………お義母様!!お義母様ーーーー!!

色々と突っ込みどころがありますが!?

娘って……………まさか()()()()()()()()からですか!?

みんなの前だからってオブラートに包んだだけですか!?

みんな………真意に気づきませんように………恥ずかしすぎます!!


晩餐??あのお義父様も一緒??

お義母様にお義父様にお母様…………このメンツは怖いです!!

何するかわからない!!何を言い出すかわからないのが一番怖いんです!!

お母様を見て『回避したいです!!』と眼力を飛ばすと


「ふふふ。ミールから大事にされてるじゃない。私にもグレイセド様という()()がまた増えたわ~ふふふ。」


駄目だ!!駄目だぁぁぁぁぁ!!

諦めろと聞こえてくる!!

お母様私の慌てぶりから気づいているだろうけど煽る言葉しか出てこない。


はっ!!クリスお兄様!!唯一知っているクリスお兄様助けてーーーー!!と目を向けるとクリスお兄様も困った顔をしていてボソッと「諦めろ。敵に回すと恐ろしいぞ。」と私の肩にポンと手を置きながら呟いた。


恐る恐るナージュ様達を見ると全員が固まっていた。

ナージュ様が晩餐晩餐…………とぶつぶつと言って国王陛下と王妃様がいる晩餐が気になってしかたないみたいだ。

わかりますよー!わかります!

私も不安しかないです!


どうか何事も起きずに過ごせますように。

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