たまには真面目に?
いっきに3本投稿しちまった!
Discord?【ディスコード】
意味:不仲?
◆*◇
そこは、壁一面にびっちりと隙間なく詰められた本がある本棚で埋め尽くされた広い広い部屋。
部屋は1階2階と中央階段を挟んで別れており、その様式は西洋の図書館と似た風貌である。
そんな趣在る空間に不釣り合いな者が2人。
「ヤッハロー、元気してた蔭くん?」
「やあ悪友、拙者は元気でございまする」
「あははっヤだなぁ悪友だなんて!只の友達でしょ?」
「それを言うなら只の知人では?」
キャッキャうふふな空気には合わないどこか不仲な匂いを漂わせた会話をするのは、淡い緑の湯飲みを手に持つ床に着くくらいの白銀の長い髪をした丸眼鏡をかけた者と、その向かいに左腕を頭の後ろで交差し右腕を左足膝裏に回し掌をつき腰をくねらせる全身タイツの者の2人である。
白銀の髪の者は湯飲みに入った梅昆布茶をゆっくりと飲みながら実に愉快そうな雰囲気で口を開く。
「で?わざわざ私のとこまで来て何かご用で?」
「拙者が来た理由をアナタが問うと?それはアナタが一番知っているのではありませぬか」
「あはー、もうっ質問を質問で返すなんて蔭くんはお茶目さんなんだからっ」
もぅこのぉっ!
指をツンツン動作して白銀の髪の者は全身タイツに言う。
その光景を遠目で見るのは黒髪の中性的な顔立ちをした泣きボクロが特徴の者。
その者の目は明らかに光を失っていた。
現実を認めたくないし視界にすら入れたくないらしい。
それほどの嫌悪感がその者の周りを囲っていた。
「それより、アナタ、いい加減拙者が浄化させた世界を壊すのは止めては貰えないだろうか」
「えー、なんのことかな」
「アナタも嘯くのが好きですな、分かっていますでしょうアナタがしていることは拙者の仕事の邪魔をしているのが」
「えー、仕方ないじゃん、君が直す担当なら対の私は壊す担当、これはもう『天』が定めた掟じゃん?」
「それは『天』ではなく人間が勝手に決めた掟でござろうが。確かにアナタは破壊神ではあるが限度という言葉を知っていただきたいである」
蔭と呼ばれた全身タイツの言葉にきょとんと目をぱちくりさせた白銀の髪の者は参ったと言わんばかりに肩をすくませる。
「酷いなぁ、これでも私は破壊神ではなくて武神として名を売っているんだけど、ねぇ――直日神くん?」
「それは失礼いたした、しかし対して変わりありませぬと思われますが―――禍津日神殿?」
笑い会う2人の間には肌を刺すようなナニかがあった。
「でも確かに破壊神ってのも悪くないかもね、特に響きがいい」
ふひひっ、そう不気味に笑った白銀の髪の者――禍津日神は丸眼鏡を押し上げた。
そんな禍津日神を一瞥し、全身タイツ――直日神は扉へと足を向ける。
「あれ、もう帰るの?」
「残念ながらどこぞの破壊神のお陰で拙者はてんやわんやなのでござる故に」
「うわっお疲れさまー」
「それより、前から思っておりましたがその髪色似合いませんな、白銀を止めて元に戻すことを拙者はお薦めするでござる」
あはっ、ヤーダ★
他人事だと言わんばかりに笑う禍津日神は部屋を腰を曲げて決めポーズをして出ていった直日神にキモいぞーと手を振った。
「この間までのフレンドリーな空気は何処へ?」
「え?普通にプライベートじゃフレンドリーよ?」
「…はぁ、」
「あっ!見て見て従者!茶柱だよ茶柱!」
従者は頭を押さえた
禍津日神はお茶を煽る。
その隣で従者は自分の湯飲みを取り出すのだった。