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カナリア、騎士様を問い詰める

 それは、騎士様=セシルさんという疑惑です。おかしいでしょう? 普通、あんな高い木を平気で乗り越えていけるなんて…尋常ではありません。


 それに背の高さも一致します。今、思うと、セシルさんと騎士様が同一人物だとしてもなんら不思議ではないような感じがします。


 そういえば、騎士様に初めて助けられた時も、セシルさんと舞踏会で別れたその日でした。


 セシルさん…怪しい…。やっぱり私に隠し事しているのでは?


 でも、助けてくれたのが、セシルさんだなんて思ったら、嬉しい気持ちです。私のために、助けてくれるなんて。それに、今日…教会の木の上にいたのは、もしかしたら、私のこと、見守ってくれているからなのかな?


 そんなことを考えていると、つい、クスクスクスッと笑ってしまいます。

 正体隠して私を助けようとするなんて、セシルさんって可愛い♥

 今度、助けにきたら確かめてみようかしら? あの手を使って…。


 ガシャーン!!

 突然、窓ガラスが割れる音がしました。いったい、何が起こったのでしょうか?

「何ですか? あなた達は!? キャアーッ!!」

 教会から、たくさんの人達の悲鳴が聞こえてきました。私は急いで、声がした方向に向かいました。


 すると、そこにいたのは、たくさんの魔族、そして、教会の聖女達です。


「おい、ここに我らの魔族の仲間、ユウキがいるな? 何処にいる、教えろ?」

「な、何のことよ、そんな人知らないわよ!」


「とぼけるな、お前達、あのユウキには魔力付きのセンサーが付いているのでな。すぐに居場所が特定できるようになっている。さあ、観念して出てくるんだな」


「カナリアさん…あいつが、魔族のリーダー、ハザン…。私…魔王城に帰るのが怖い…」


 ユウキさんが私の後ろに付いてしゃがんで震えております。


「良い、ユウキちゃん。私の後ろから絶対に出てはダメよ」


「う、うん」


「何処にいる? うん?」


 ハザンが突然、たくさんの聖女がいる方向の中、私に向かって歩いてきます。


「な、なんですか!? あなた! この教会にそんな人おりませんよ! 分かったら帰って下さい!!」


 足をとめずに歩いて来ます。

 ど、どうしよう。わ、私の力じゃあ、ユウキちゃんを守れない。でも、私が犠牲になってでも、彼女を守らないと。


 その時でした。あの方が私の守るように姿を現したのは。騎士様です。


 き、騎士様!? 騎士様の登場に教会がざわつきます。


「何だ、貴様?」


「弱い者を守る単なる騎士だ」


「フン、くだらん」


「お前、今日の夜、あの女の子を狙うことぐらい分かっていたぞ。気配がプンプンしていたからな。だから今まで、この近くで、この教会を見張っていた」


 やっぱり、さっきのお話しを聞くと騎士様はセシルさんなのね。


「ほう、面白い。ならば、貴様を倒し、ユウキを奪うまでだ」


「やってみろ」


「いくぞ!!」


 キンキンキン。

 金属音がこの教会に響いています。

 騎士様、頑張って!!。絶対に負けないで下さい。しかし、ハザンも押されておりません。まるで、騎士様と互角に戦っているようです。


「やるな、貴様。」


「お前もだな」


「ここで終わらせてやる」


「終わるのはてめえだ」


          ーキンッー


「何!?」


 騎士様、やりました。ハザンの体を傷つけました。


「やるな、貴様。今日はこれくらいにしてやる。必ずや、貴様を倒してユウキを魔王城に戻してやる! 分かったか!?」


「フン、いつでも相手にしてやるから覚悟しておけ」

 ハザンと、魔族、魔物達は姿を消しました。騎士様の勝利です。彼のおかげで、ユウキちゃんも助かったし、この教会も救われました。


 でも、私には確かめなければいけないことがあります。それは、騎士様がセシルさんかどうかということです。


 そこで、私は作戦に出ます。それは騎士様と手を繋ぐこと。

「うん? な、何んだ」


「クスクスッ。あなたと踊るためです」


「ど、どういうことだ」


 そして、私は騎士様と踊りました。この教会の中で。そう…セシルさんは踊りが好きです。

 そして騎士様の踊り方がセシルさん、そのものです。これで、私の中で確信しました。騎士様=セシルさんだということが。


「ねえねえ、騎士様、あなたの踊り、あの人にそっくりではありません?」


「あ、あの人って誰だ?」


「フフフッ。言葉使いを変えたりしてごまかさないで下さい、騎士様はあなたなんでしょう? セシルさん?」


 騎士様はびっくりした反応で言いました。


「い、い、いや、セシルって誰? 僕は騎士をやってるだけだ!」


「僕…この言葉使い、やっぱりセシルさんだ。私、見てたんだから、あなたが、あの高い木を飛び越えていくのを。騎士様だって、飛び越えていけるよね?」


「い、いや、違う、違うーー!?」


 騎士様はもうスピードで教会から去って行きました。可愛い♥ 騎士様、ううん、セシルさん。


 私は慌てて去った彼をみてクスクスッと含み笑いをしております。


 でも騎士様の仮面、取れなかったな。でも今度、お会いしたら、必ずや、騎士様の仮面を取ってやります。そしてその時は証明してやりましょう! 騎士様=セシルさんだということを!


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