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絶望の目覚め

読んでいただきありがとうございます!


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次回もぜひお楽しみに!

「なんで……まだ生きているんだ……?」


荒れた呼吸と共に、少年は呟いた。


肺が焼けるように痛い。

心臓が、壊れそうなほど脈打っている。


その視界の先――


無数の肉片が、地面に散らばっていた。


血の匂い。

ぬるりとした感触。


そして、その中心には――


黒い短髪の少女が、静かに横たわっている。


動かない。

呼吸もない。


「……リナ」


声が、震えた。


膝が崩れ落ちる。


「……ごめん」


震える手で、彼女に触れようとして――止まる。


触れてしまえば、すべてが現実になる気がした。


「……なんでだよ」


顔が歪む。


「なんで……俺だけ……」


涙が溢れた。


「代われるなら……俺が死ねばよかったのに……」


――その時。


背後で、何かが蠢いた。


ぞわり、と背筋が凍る。


ゆっくりと振り返る。


そこにいたのは――


巨大な黒い蜘蛛の怪物。


まだ、生きている。


瞬間。


ミナトの中で、何かが切れた。


「……ふざけるな」


低く、掠れた声。


「なんで……お前が生きてるんだよッ!!」


地面を蹴る。


次の瞬間には、身体が動いていた。


無意識に、傍らの剣を掴み取る。


青く、淡く光る魔剣。


振り下ろす。


何度も、何度も。


肉が裂ける音。

骨が砕ける感触。


青い光が弾け、血飛沫が舞う。


それでも止まらない。


止められない。


怒りも、悲しみも、すべてを叩きつけるように――


やがて。


怪物は動かなくなった。


静寂。


荒い呼吸だけが、そこに残る。


ぽたり、と血が滴る音。


ミナトの視線が、ゆっくりと下へ落ちた。


そこには――


再び、リナの亡骸。


「……終わったよ」


掠れた声で呟く。


「……遅かったけどな」


拳を握り締める。



やがて、ミナトは小さな墓を作った。


無言で土をかける。


花を添える。


最後に、一度だけ振り返った。


「……行くよ」


誰にともなく呟く。


そして――歩き出した。


見知らぬ空の下。


遠くには、石造りの街が見える。


ここがどこなのか、分からない。


だが――どうでもよかった。


「……全部、壊してやる」


低く呟く。


「この世界も……何もかも」


青き魔剣が、微かに光を放った。


――その時。


頭の奥に、声が響く。


『ミナト……』


微かで、か細い声。


『……殺して……殺される前に……』


ミナトの瞳が、ゆっくりと見開かれた。



2022年3月――東京。


ある高校で、奇妙な事件が発生した。


全校生徒と教師が、一瞬にして消失したのだ。


校舎に残されていたのは、


途中で止まった授業。

置き去りにされた鞄。

手つかずの食事。


そして――


防犯カメラに映っていたのは。


校舎全体を包み込む、真紅の光。


それがすべてを――奪い去った。

初めまして。本作はダーク寄りの復讐ファンタジーです。

少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

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