守るものは一つ
アカネと圭は異動し風俗店の人気の少ない裏通りに居た。そこで圭は少しいらだっていた。
「おい。お前なんであんな勝手なことしたんだよ。お前が殺したなんて言う必要ないのに」
「じゃあどうすれば良かった?何かいい案でもあるの?もし全てがバレて私たちがいなくなったら彼女は本当に独りぼっちなのよ。」
アカネの言葉は厳しい。
「それは・・・」
「ほら・・・。だからね。そんなことになるよりはあたしが犯罪者になる方が良い。・・・私はどうせ今までもこれからも汚れた風俗嬢なんだから」
その言葉に圭は嫌な顔をする。
「昔からじゃないだろ。国立大学に行ける学力があるんだから」
「でもお金が無かった。・・それに学力はあなたもじゃない」
「いやそれは・・。とにかく、お前はこれ以上落ちたらダメだ。上がっていかないと」
「まだ全ての人を救う方法があると思ってるの。あなたって本当におめでたい人ね。最近妙にいろんな人がこの辺を嗅ぎまわっている。温田が意外に人脈を持っている人物だったことが面倒だわ。上だっていつまでも気が付かないわけじゃないのよ、真実をほじくり返している人間がいるってことに。」
アカネに凄い剣幕で言い返され圭は言葉が出ない。そしてアカネは続ける。
「そうなれば、ユイちゃんに危険が及ばないとは限らない。いや、正直一番危ない。あなたが一番守りたい人は誰?もうそれを決めるときが来てるのよ。大丈夫。私は降りてあげるから。ほら。もうユイちゃんしかいないじゃない。」
「・・・ああ、そうだな」
その時、アカネの携帯に着信がある。
「もしもし。・・あ、社長。ええ?今からもう一度?・・・はい、分かりました」
「どうした?」
「また社長室に来いって。あなたも一緒に」
「俺も?」
「・・・嫌な予感・・・」
2人は不安を抱えながらも社長室に向かう他無かった。




