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最優さんの道  作者: ルーフェンガルド
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二番目の世界:ダンジョニア


 今度はどんなところでしょうか。光によって飛ばされたのは夜だというのに光が溢れる世界です。巨大な建物が立ち並びどこをみてもモニターがあります。


 中心の大きな塔に付いているモニターを見れば、蛙のような顔をした男がマイクを持って話しています。


『ようこそ、ここはダンジョニア!生と死、希望と絶望が溢れる世界です!私のダンジョンをクリアしてみなさい!私が何でも願いを叶えましょう!』


 定期的にそのような映像が流れています。ダンジョンをクリアすれば願いを叶えてくれるようです。僕が生まれた意味を教えてもらえるでしょうか。


 僕はダンジョンをクリアすることに決めました。まずはダンジョンを探さないといけないですね。道行く人に聞いてみます。


「すいませんあの人の言っているダンジョンはどこにあるんですか?」


 少し顔の赤いおじさんに話しかけます。


「はぁ、お前さん本気で言ってんのか?ガマル様のダンジョンっていやぁあの塔よ。

 お前さんもダンジョンを攻略しにきたクチかい?辞めといたほうがいい。願いを叶えてくれるって言ってるけどよ、あの塔がクリアされたのはたった一回だけさ。それも三百年も前らしいぜ。この国の初代王様がダンジョンをクリアしてここにこの世界唯一の国を建てたらしい。」


 どうやら願いを叶えてくれるのは本当のようです。場所も教えてもらえましたし早速いきましょう。


「ありがとうございました。」

「おいお前さんちょっと待ちな。」


 まだ何かあるのでしょうか。おじさんが引き止めます。


「お前さんガマル様を知らねえってことはとんだ田舎者だろ。どんな田舎に住んでりゃあガマル様をしらねぇで生きてきたのかしらねぇけどよ。ダンジョン初心者には優しくしなきゃな。ダンジョンカードは持ってんのか?」


「それは何ですか?」


 おじさんが言うにはダンジョンカードなるダンジョン攻略者であることを証明するものらしいです。カードはランク分けがされていてS~Fまで階級が決まっています。ガマルという人が作ったダンジョンは唯一のSランクダンジョンです。Bランク以上のダンジョン攻略者しか入れないそうです。


 そのダンジョン攻略者を取りまとめるダンジョンギルドというのがあり、そこの試験に合格すればダンジョン攻略者の一員としてカードがもらえるそうです。ダンジョン攻略者は一番人気の職業らしく、試験はとても厳しいものらしいです。ちなみにおじさんはDランク攻略者らしいです。自慢するようにカードをひらひらとしています。


 そこで攻略者のおじさんにギルドへ案内してもらいます。ギルドはとても大きく四階建てで、扇状に広がるような建物です。人混みにまみれながら試験受付に案内してもらいます。


「試験の申し込みですね?」

「はい。」

「ではこちらにご記入ください。」


 名前、性別、年齢、住所、経歴、など記入していき、同意事項に丸をつけます。


「性別と年齢と住所が書かれていないようですが?」

「性別はありません。年齢もわかりません。この間生まれました。住所はここにきたばかりなので不定です。」


 受付の女性は首を傾げながら対応します。


「では性別は男、年齢は16、住所は決まり次第書いてください。合格した後に必要になりますので。性別などは見た目から判断させていただきました。中世的な顔立ちでいらっしゃいますが、胸はないようなので。」


 女性は紙を機械に通すと番号の付いたプレートを僕に渡します。


「そのプレートを持って十番ゲートにお入りください。試験専用のダンジョンとなっております。試験官はダンジョンとなっておりますのでいつ入っていただいても結構です。それでは頑張ってください。」


 僕はプレートを受け取り十番ゲートへ向かいます。案内板があるので道に迷うことはありません。おじさんは僕に頑張れと言って帰っていきました。


 真ん中に十と書かれた縦横共に十メートル以上はある金属製のゲートがあります。僕は何百人とゲートへ潜る1人として十番ゲートへ潜りました。いつものどこかへ飛ばされる感覚です。どこかへ転移したのでしょう。


 次に目にしたのは岩肌です。あたりが岩肌の小部屋に無造作に看板が突き刺さっています。


【このダンジョンをクリアせよ】


 これが試験内容のようです。僕は先ほどまでなかった出口を進みダンジョンを攻略するために歩き出しました。


 何かが見ていますね。ダンジョンが試験監督という話ですからダンジョンが見ているのでしょうか。


 早速二手に分かれています右と左どちらにいきましょうか。僕は空間魔法を使いダンジョン内を全て把握します。途中で不自然に途切れました。どうやら右の道の奥に転移する装置があるようです。


 僕は右へ進みます。転移してもいいのですがせっかくなのでダンジョンを観光しましょう。こういう道を歩くと楽しくなってきます。

 僕は感情がまだ安定していません。基本何も感じないのですが、感情が芽生える時があります。料理を食べて美味しいと感じたりこの道を歩いて楽しいと感じたり、他にも感情が芽生えるのはきっといいことでしょう。僕の生まれた意味にも何か繋がるかもしれません。


 景色の変わらない岩の道を歩くと何かが現れます。どうやらゴブリンのようです。こうした知識は僕はどこで知ったのでしょうか。わかりません。生まれた時から持っています。


 ゴブリンが襲いかかってくるならどかしましょう。そう思って歩調を変えず歩いているとゴブリンが道を避けてくれました。体全体が震えていて道の脇でひれ伏しています。


 僕はそのまま道を進みました。奥の小部屋には転移装置と書かれた機械があります。円の上に乗ると円盤が浮き僕の周りを回り始めました。青い膜が僕を包むと僕は転移しました。


 次に見た景色は草原です。周りには草しかなくただ広いです。中央にはミノタウロスがいます。大きな斧を持った二本足の牛です。どうやらここが最後のようです。このボスを倒せば試験が終わるのでしょう。


 荒い鼻息とともに突進してきたミノタウロスです。斧を振り下ろしてきます。僕は片手で斧を掴み握り潰します。


 使えなくなった斧を捨て今度は突進をしてきます。僕は今度は角を掴みました。微動だにしない僕に理性のないミノタウロスが驚いているようでした。僕はそのままミノタウロスを上に放り投げます。


 悲鳴とともに落ちてきたミノタウロスを天を掲げるように右手を突き出し殴ります。あたりに血と肉の雨が降り注ぎます。


 これで終わりのようです。思ったよりもあっけなかったですね。僕が中央に現れたゲートをくぐると元のギルドに戻されました。


 合格した人のみが飛ばされる部屋のようでプレートをはめる機械があります。僕がそこにプレートをはめると、Fと書かれたカードが出てきました。これでダンジョン攻略者となったのでしょう。


 僕が部屋を出ると他にも合格を喜んでいるものや今日も不合格と嘆いてるものもいます。おや、モニターを見ている人が多いですね。何かあるでしょうか。


 モニターにはダンジョン攻略タイムと現在のダンジョン攻略中の映像が流れていました。僕はランキング1位と出ていますね。一番上にシロという名前があります。僕が見ていると周りから噂する声が聞こえます。


「あいつが今月の一位か。」

「試験のボスの中でも一番強いミノタウロスを瞬殺だろ?あいつ何者だ?」

「一体どんなダンジョンアイテムを持ってるんだ?」


 僕の映像も映っていたようです。ダンジョンで感じた見られている感覚はこれでしたか。


 僕を見ていた内の一人が近づいてきます。


「君合格したんだろう?どうだい、うちのパーティに入らないかい?」


「何ですか?」


 金髪の優男が僕に話しかけてきます。


「これは失礼。申し遅れたね。僕はハルト。Bランクパーティ、薔薇騎士団のリーダーさ。」


「そうではなくパーティとは何ですか?」


「もしかしてパーティを知らないのかい?攻略者のことは全然知らないみたいだね。パーティっていうのは協力してダンジョンを攻略する集まりのことさ。一人じゃ無理なダンジョンも、みんなとなら攻略できるからね。」


 協力してダンジョンを攻略するということですか。僕には必要性を感じません。この男からは魔王のかけらほどの力も感じません組むだけ無駄でしょう。


「必要ありません。」


 僕はそのまま立ち去ろうとします。ですが肩を掴んできます。


「ちょっと待った。最初は一人で出来てもいずれ限界がくるよ。本来ならFランク冒険者に声をかけることなんてしないんだけど、君の戦いを見てね十分Cランクダンジョンでも戦えると思って声をかけたんだ。」


「必要ありません。」


 僕はその場から離れます。


「後悔するよ!君を狙う人は他にもたくさんいるだろう!その力の源であるダンジョンアイテムを狙う人もね!」


 ハルトという男から警告が飛んで来ます。特に心配する必要はないですね。それとダンジョンアイテムとは何でしょうか?ダンジョンを攻略すればわかりますね。


 僕はダンジョン攻略のために歩き出しました。

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