出発前の片付け
スローペースな物語です
「俺は一時、故郷に帰ることになった。第一軍は、私が戻るまで半数ずつに分かれ
て第三軍と第四軍に合流するように訓練などもそれぞれの軍に合わせた形で参加してくれ」
とりあえず簡単な命令を出してクリフは自分の軍を解散させた。
ノロノロと動き出す自分の軍を眺めながらクリフは旅支度をするために、砦によういされた自室へと向かう。
もっとも、戦場暮らしが常だったクリフは常にカバン一つ持っていけば済むように準備をしているので、やるのは簡単な掃除だけだ。しかし、それも従者のオリヴィエが済ませていた。
従者のオリヴィエは今年で12歳になる少年で整った容姿をしているうえに、いろいろなことによく気が付き、先回りしてクリフの身の回りの準備をしてくれる。
「助かる」
そう言ってクリフはオリヴィエに小遣いを渡す。常に戦場にいるせいで使い道のない金だ。従者の小遣いにするのがマシだろうとクリフは思った。
「コンフォード卿、申し訳ありません。捕虜の処遇について相談が」
休む暇もないなと思いながらクリフは兵士に連れられ、捕虜の収容場所へと向かう。
そこには亜人や魔族。だけではなく、亜人や魔族についた人間たちもいた。
クリフは一通り見渡すと、悩まずに淡々と処理を進めることにした。
「亜人は全員、奴隷商に売っていい。男はいらんと言われたらその場でいらん亜人は殺していい」
クリフの言葉で亜人がいったん収容施設から追い出される。
「魔族は例外なく処刑。今日から始めて良い」
魔族が大声でわめきながら部屋から連れ出される。
残ったのは人間が数十人ほど。多いか少ないかは微妙なところだ。
クリフは懐から紙を出すと、何人かの名前を呼んだ。
呼ばれたものは兵士たちによって前へと突き飛ばされる。
「お金持ちのご両親に感謝するんだね。キミたちはこの戦場にいなかった。他国へ留学中らしい。外に馬車が待っているからそれに乗っていきなさい」
亜人と魔族の同盟軍に協力して帝国に革命を起こそうとした少女たち数名は親の金で国外へ行き、ほとぼりが冷めるまで留学ということらしい。
「次、名前呼ばれたものは前へ」
今度は男たちだ。それも貴族っぽい身なりをしている。
「キミたちは家族から絶縁されたので、どうとでも扱ってくれだそうだ。魔族の味方をしたということで教会の異端審問官が外で待っているので彼らの指示にしたがうように」
異端審問官が拷問をして殺すだろう。
クリフはどうでもいいと思い次を呼ぶ。
「残った男は鉱山奴隷。一応。年季が定められているので、頑張って年季明けまで頑張ってくれ」
さて、女性陣がまだいるなとクリフは見て、仕切りを早めることにした。
「貴族の方々は右、平民などの方は左へ。左の女性陣は奴隷落ち、外に奴隷商がまっているので値段をつけてもらって」
兵士たちに女性陣が追いやられる。
「さて、残りの貴族の子女の皆さん。女だてらに剣を学んで騎士のまねごとをした皆さんですが、御実家の方は命だけは助けてくれと嘆願してきたので、命は助けます。選択肢は二択。修道院に入るもしくは誰も知らないどこか遠くの田舎の貧乏貴族のもとに嫁ぐかです。修道院に入ったら、基本的に家族との面会はできないとおもってください。田舎の貧乏貴族に嫁ぐ場合はあとは御自由に。こちらで監視もしないので好きに生きてください」
と、説明すると貧乏貴族に嫁ぐという女性が意外と多かった。
まぁ、修道院で牢獄に閉じ込められたような生活をするのは辛いと思ったのだろう。
「では、捕虜の処遇は決まったので、あとは手順通りに」
クリフはオリヴィエを連れて捕虜がいた部屋を後にする。
「少し冷たいですね」
「そうかな。だが、彼らは自分の意志で帝国に反逆することを選んだんだ。それも敵国と手を結んでね。その責任は彼ら自身の人生で償うしかないと俺は思うがね」
負けてたら逆の立場になっていたかもしれない。
だからといって同情は無しだとクリフは思うのだった。
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