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終の楽園達
春の朝日に
光る刹那の道のりを
君は笑って走り出すのに
僕は、踏み出すことさえ恐れ
暗闇になけなしの夢を
語る日々が嫌いで
精一杯、伸ばす君の手を
笑って握れずに僕は
憂いを謳歌する
小さな孤独を
陰りの中で育てていく
朝日が夕日に変わっても
僕はそれを知らぬまま歩く
それでもあなたが
頭に浮かんで離れない
心と心が繋がるなら
どうか僕の夢を飲み干して
作詩不明、作曲不明。
しかし〝自然郷〟で数千年近い年月に渡って歌い継がれてきた。
この詩が何を意味するのか、本当のところは誰にも分からない。
されど人々から愛され続け、そして望まない力を手に入れた小さき王もまた、ひとりぼっちの丘の上で口ずさむ。
「……誰か……ワタシの……罪を……」




