プロローグ 深みに澱む記憶
暑い――――
どこまでも続く真っ直ぐな道――――
つまんない――――
冷たい記憶――――
そういえばいつも吐き気がしてたな――――
食べたものを出したいんじゃなくて――――
身体の内側から何かが出ていくような――――
バスの中――――
どこまでも変わらない景色――――
イライラする――――
ぼくはわるくない――――
どうしていたがるのかわからない――――
何で睨むんだよ――――
オレが悪いのか?――――
べつにおまえなんかいなくたって――――
あいつなんかいなくたって――――
階段を昇ってドアを開ける――――
玄関。廊下。部屋。――――
どうしておそとであそんじゃだめなの?――――
おそとであそびたいな――――
火山だ――――
すげーなぁ――――
港――――
海を背景に色とりどりの家――――
大きなケーキ――――
3本のローソク――――
吹き消していいよ――――
ぐちゃぐちゃのケーキ――――
運動会――――
茶色くてちょっと焦げた丸い食べ物――――
からあげだいすき――――
1等とったよ――――
エプロンの人――――
オフクロじゃないよな――――
誰? せんせい――――
どうしておこってるの?――――
1等になりたかっただけなのに――――
きもちわるい――――
どこまでも続く真っ直ぐな道――――
つまんない――――
つまんない!――――
もうやだ! ここから出たい!――――
おうち帰る!――――
次の記憶――――
オレは抱きしめられていた。
オフクロ。オヤジ。
最後に記憶に残っているのは
ふたりの――――
血塗れの笑顔――――




