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嘘つき英雄と嘘の妹 ~リメイク版~  作者: 野良犬タロ
アステリオン編
72/72

#71 襲来


~ウルド アステリオン:ミノスの涙~



「・・・。」



 色んな意味でヤバイ現場を押さえられ、何も言えずにルタに見つかった状況のまま固まり続けていた。

 いや俺は終始拒否ってたから誤解なんだけどな!!

「宴の会場を抜け出して何処ほっつき歩いてんのかと思ったら。クスクス!」

 何故か楽しそうに笑うルタ。

「お盛んですねぇお兄ちゃん♪」

「おい誤解すんなよ? 俺はずっと拒否してたしこの状況、どう考えても俺が襲われてる状況だからな?」

「どっちが襲ったにせよ、穴に棒が入っちゃったら交尾(セッ●ス)は成立しちゃうんだよ~?☆」

「おいやめろその動き!!」

 左手の親指と人差し指で作った輪っかに右手の人差し指を通しながら前後に動かすルタの手の動きは明らかにそう言う意味だ!!



「おい、さっきから何ベラベラ喋ってんだ!」

「!」

 グラの一声でルタと二人だけになってた世界から目を覚ます!



「今からこいつは俺と交尾するんだ、関係ねぇ雌は引っ込んでろ!」

「いや俺は同意してねぇけどな!?」

「うるせぇッ!!」

「うわッ、ちょッ!! やめろッ!!」

 グラはまた俺の服を脱がせようと手を掛けるので咄嗟にその腕を掴んで抵抗する!

「ふふ♪」

「おいルタッ!! 状況見りゃ分かるだろ!? 助け・・・ッ!?」

 突然俺の言葉は塞がれた!!

「・・・は?」

 グラも目を見開いて口をぽかんと開け、唖然とする!

 何故なら・・・!



「・・・!!!!???」

 ルタが俺とグラの間に割って入って俺の唇を奪っていたからだ!!



「ッ!!?」

 しかもなんか口の中にぬるって・・・舌!?

「・・・!」

 お、おい、こいつ、巧い!?

 なんか、手慣れてて・・・!

「ぷはッ!」

 ルタが唇を離すと唾液が俺の舌とルタがわざとちょっと出してる舌を繋げるように糸を引いていた。

「ッ!!」

 すぐに腕で口を拭って唾液をふき取る!

「てめッ、いきなり何しやがるッ!!」

「も~☆ 今更何恥ずかしがってんの? もう初めてじゃないんだからさ☆」

「ッ!!」

 唐突に遺跡での事を思い出す!!

 多分水中でルタを助ける為にやったあの・・・!

「あ、あれは『救命行為』ッ!! ノーカンだノーカンッ!!」

「おい、何の真似だ?」

「!!」

 ルタと言い争う間もなくルタの後ろからグラに凄まれる。

 身体をちょっとずらして見てみると表情は無表情に近いが僅かに眉間にしわが寄っててそれが余計に怒っている雰囲気が出て恐ろしい顔だった!

「俺から雄を横取りすんのか? どういう事か分かってんだろうなぁ?」

「・・・!」

 今にも戦闘をおっ始めようってくらいグラはバキバキと右手を鳴らしていた!

「ふふ♪」

 ルタは不敵に笑いながらグラの方を見る。



「グラはそれでいいの?」

「「・・・は?」」



 あまりに意味不明すぎてグラは当然のこと、俺まで反応が被って間抜けな声が出る。

「このまま私をボコボコにしてお兄ちゃんと交尾出来たとして、それってホントに私に『勝った』ことになるのかなぁ~?」

「あ?」

「何言ってんだお前・・・!」

 意味も分からずグラは表情を歪ませ、俺もついついツッコむ。

「女が男を女から奪いたいならさぁ・・・。」

「ッ!?」

 言いながらルタは指先で俺の腹から首筋にかけてすぅぅっと生易しいタッチでなぞる様に滑らせ・・・!



()()()で勝負した方が良くない?」

「ッ!?」

 俺の耳の裏を舐めながらいけしゃあしゃあと言いやがった!!



「なッ・・・!」

 グラが顔を歪めてたじろぐ。

「おいッ!! マジで何言ってんだお前ッ!!」

「二人でお兄ちゃん襲って、どっちがお兄ちゃんをメロメロに出来るか。『雌らしく』ていいでしょ?」

「勝手に話進め



(お兄ちゃん♡)

「ひッ!?」

 急にルタが首筋を指でなぞりながら耳元に囁きかける。



「な、ちょ・・・!」

(初めて会った時にもこうやって触ってたけどさ?)

「え・・・?―――



『例えば、私みたいな『女』を使って・・・』



(篭絡しちゃったりとか♡)



―――・・・!」

 ルタとカザで初めて対峙した時だ!

 冗談めかして『篭絡する』とか言って背後に回りながら俺の身体をべたべたとまさぐりまわしていたことだ。

「そ、それがどうした・・・!」

(触り心地で分かってたよ?)

「は・・・?」

(あの時、ホントはガチガチに緊張してたよね?)

「・・・!」



(『勃起』・・・してたよね?)

「・・・ッ!!!!」

 バ、バレてるぅ・・・!



「いッ!?」

 何かがヌルッと身体を這うような感覚にゾワっとする!!



「ん・・・舐めんな?」

 そう言いながらグラは俺の服のインナーを捲り上げ、腹から胸に掛けて舐め回していた!



「いや舐めてるのお前だが!?」

「これでもガキの頃から大人が交尾してるの見てたし・・・。」

「ちょ、待・・・!」

 グラは舐めながら今度は俺の胸を(まさぐ)り始める!

「なんなら村の雌親達にも雄が喜ぶやり方叩き込まれてたからな!」

「うッ・・・!」

 グラの手首の毛皮のような毛が手と一緒に腹の上を這ってまるで羽や筆で撫でられてるみたいに・・・!

 しかも元々のグラの体温か、生暖かい人肌の体温が合わさって余計に・・・って!!

 気持ち良くなっとる場合かッ!!



「いい加減にッ・・・しろッ!!」

 なんとか理性を奮い立たせてルタとグラを振り払って尻餅を着いたまま距離を取る!



「お前ら何勝手に俺抜きで話進めて

「「うるさいッ!!」」

「うおッ!!? 痛てッ!!?」

 声を荒げて文句を言おうとしたら二人から同時に両肩を掴まれ、そのまま押し込まれて地面に叩きつけられる!!

「雌同士の戦いに雄が首突っ込むなよ。」

「いやそれ逆じゃね!? ってか、雄が巻き込まれてるから言ってんだろ!?」

「相変わらずうるさいなぁお兄ちゃんは。」

 物凄い力で押さえつけつつルタは呆れるようにため息をつく。

「細かい事はいいじゃない♪ 女の子二人に襲われる経験なんて、この先一生無いかもしんないよ?」

「いらんわ!! そんな不純な経験ッ!!」




「おにいちゃん♪ 覚悟してね♡」

「今夜は寝かさねぇぞ♡」

 丁度真上に見上げた空に入っていた月を背に、ルタとグラが獣のように鋭い目で蠱惑的な笑みを浮かべていた・・・!



「ッ・・・!!!」

 ある意味やばすぎる状況にダラダラ冷や汗が止まらなくなる!



「オーケー分かった、話し合おう、お前ら一旦落ち着いた方が、やめあああぁぁぁぁぁあ!!!」

 俺の制止も虚しく、二人の伸びた手が俺の身体のあちこちをもみくちゃに触りまく




 ドォォォォォンッ!!!

「「「!!!?」」」



「ッ!!!」

「あッ!!」

「おいッ!!!」

 突然の爆発に乗じて二人の拘束を振り払って立ち上がり、すぐに走り出す!!

「逃がすかッ!!」

「待てぇッ!!」

 すぐにルタとグラも追いかけて来た!!

「くそッ・・・!」

 顔を洗って酔いを覚ましたとは言え、べろべろに酔わされた酔いの前じゃ一時しのぎだ・・・!

 まだ頭がクラクラする・・・!

 万全とは程遠いが逃げなきゃ

「うッ・・・!」

 ヤバイッ!!

 上がってきたッ!!

 腹からこみ上げる吐き気を押さえるために必死に手で口を塞ぐ!!

 正直その場で立ち止まって一気に吐いちまいたいが・・・!



「待ぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「子ぉぉぉだぁぁぁねぇぇぇよぉぉぉぉこぉぉぉせぇぇぇぇ!!!」

「ッ!!!!!!!」

 もう隠す気もねぇよあいつらッ!!!



 捕まったら間違いなくヤバい!!

「ぺッ!!」

 口の中の物を思いっきり道の脇に吐き捨てて口を拭いながら走る!!

「くっそぉッ!!!」

 何が悲しくて夜の森を痴女二人から逃げながら走らにゃならんのだッ!!

 マジで俺が一体何したって言うんだッ!!

 そんな思いでしばらく走ると・・・!

「ッ!!!?」

 信じられない光景に目を見開いて足が止まる!!



「オラぁッ!!!」

「捕まえたぁッ!!!」

「うげッ!!」

 ここぞとばかりに後ろからグラとルタが飛び掛かって後ろからのしかかるように俺を取り押さえた!!



「待てッ!! 待てってッ!!!」

「そうやってまた逃げる気だろッ!!」

(ちげ)ぇって前見ろ前ッ!!!」

 二人に片腕を押さえられながら必死に腕を伸ばして目の前を指差す!!

「うん~?」

「誤魔化そうったってそうは

「「!!!?」」

 二人も目の前の光景に気づく!

 村には炎が上がっていた!

 宴の焚火なんて比じゃない程の大きな火が!

 しかもそれだけじゃない!

「なんだよ・・・あれ・・・!」



 そこには巨大な鉄の巨人の様な何かが巨大な銃を持って立っていた!



~??? アステリオン:森林~



「おお、それは本当か!!」

「はッ!! 〇一八小隊通信兵より報告にて間違いありません!!」

「よしッ!! よくやったぁッ!!」

「おおお!! ついに!!」


 

 伝令の兵士からの報告で上官のジジイ共が手を取り合ってぴょんぴょん跳ねながらはしゃぐ。



「ったく、女子かよおめぇら。」

「ッ・・・!」

 あたしの声に気づいてジジイ共が苦い顔になる。



「ふぅ~。」

 縦長の長椅子に座りながら爪に塗ったマニキュアがすぐ乾くように息を掛ける。




「レッサ特務中佐、その・・・。」

「あ? なに。」

「先程伝令より報告がありまして・・・。」

「で?」

「ッ・・・!」

 あたしが答えを急かすとジジイが顔をくしゃくしゃにしたみたいに苦い顔を強くする。

「狼型獣人の集落が見つかりまして・・・。」

「あっ、そ・・・良かったねぇ~。」

「いや、その、喜ばしいんですが・・・。」

「なに? あたしもあんた達みたいにキャッキャしてはしゃげっての?」

「い、いや、そうではなく出撃を・・・。」

「あたしパ~ス。」

「いや・・・その・・・!」

 ハッキリ言ってあげたのにジジイは口ごもる。

「なに? 文句あるわけ?」

「ほ、本国の指令で『獣人は見つけ次第捕獲せよ』と・・・。」

「ふ~ん・・・。」

 めんどくさいけどジジイに視線を移す。

「あんたあたしに『行け』って命令するわけ?」

「ぐ、軍規ですから・・・その・・・。」

 モゴモゴ言うジジイ。

 あ~、まじだる。

 めんどくさ。

 だったら・・・。



「ッ!?」

 ジジイは目を見開く。

 目の前に自分が腰に差してたはずの拳銃が浮いていたから。

 けどそれだけじゃない。



「ひッ!?」

 目の前の拳銃がまるで粘土みたいに無理矢理力を咥えられて潰れるように変形して、最後には団子のようになって地面に落ちた。



「あッ、ごめ~ん☆ 大事な銃だった?」

 あんぐり口を開けてるジジイに誠心誠意籠った慈悲の謝罪をしてあげる。

「なんかぁ、よく覚えてないけどぉ、すっげぇイラつく事言われたような気がしたからぁ、ついつい手が滑ってぐちゃぐちゃに潰しちゃったぁ☆ め~んご☆」

「なッ、え・・・!」

 しっかり謝ってあげてんのにジジイは顔をひきつらせたまま固まる。

 まぁだ自分の立場分かってないみたい。

 ホント、教えてあげてるこっちの身にもなって欲しい、ってかだる。

「今度ムカついたらぁ、また何か潰れちゃうかもねぇ~、あ、もしかしたら・・・。」

 そういってジジイの顔を見て・・・。



()()()()()()かもねぇ~☆」

「うッ・・・!」

 笑顔で警告してあげるとジジイは顔を真っ青にした。

 やば、ダサすぎてウケる!



「大体ママもさ~、いくらうちだけで遊べるおもちゃが無いからってこんな苔くさ~い獣くさ~いとこ行かすとか正気かっての!」

「い、いえその・・・最近我々先遣部隊の行動を阻害する正体不明の組織の動きがあるので、念には念を入れての上層部の判断かと・・・。」

「じゃあそいつらがなんかして来たらでよくな~い? もう夜の十時回ってんの~! こんな時間に女の子駆り出すとか~、あんたら神経どうかしてない?」

「うぅ・・・!」

 さっきのぐちゃぐちゃ銃のショーにビビったジジイ共はもうなぁんにも言えない感じ!

 ダッサ!

 ホント張り合い無くてつまんな!

「第一さ? もう出撃してるのに一人強いのいるんでしょ? なんつったっけ? び・・・?」

「ビリー大尉でありますか?」

「あ、そうそうそれそれ! そいつが行ってんだからいいじゃん?」



[こ~ら、ワガママ言わないの!]

「!!」

 音楽を掛けていたラジオが止まり、声が聞こえる!



「あ! ママ!!」

[ごめんね~! 今時間取れたから可愛い娘の声聞きに来たの♪]

「も~! ママってばひどい~!」

 口では言うけどそんなに怒ってない。

 だってママの事だ~いすきだから!

[まぁまぁ、機嫌直してよ! 前行きたかったブティック、今度連れてって上げるから!]

「さっすがママ! 分かってる~!」

[司令官の人たちに迷惑かけてない?]

「かけてな~い♪」



(嘘ばっかり。)

「ああ”?」

「ひッ!?」

 ムカつくことを言うジジイを睨んで黙らせる。



[まぁとにかく今回の任務、ちゃんとやってたら良い事あるかも知れないからね♪]

「どういう事?」

[ちょっと情報調べたら面白い事が分かってね。]

「何々?」



[昔逃げた『あの子たち』、生きてるかも知れないらしいの。]

「・・・!」

 ママの言葉に顔から表情が消える。



[もしかしたらあなたも会えるかもしれないわね、あなたの可愛い可愛い()()ちゃんに♪]

「・・・。」




[じゃ♪ お仕事頑張ってね♪]

 そう言い残すと通信が切れて音楽が流れ始める。

「ちゅ、中佐・・・その・・・。」

「ッ!!」

 不意に声を掛けて来たジジイの一人を思いっきり睨む!



「えッ!? おごッ!!! ごぁッ!!? がぁぁッ!?」

 ジジイの腹が急に膨れてそこからつられるように腕や足や顔が膨れ上がる!

 そして・・・!



「ぶぶぉぁッ!!!!!?」

 短い断末魔を上げてジジイは破裂した!



「ひ、ヒィィィィッ!!!」

 残りのジジイがビビッて尻餅を着いてションベン漏らしながら私を見る。

「ふふ・・・。」

 私はジジイの元へ歩み寄ってしゃがみ・・・。

「今からあたしの言う事復唱。」

「は、はひッ!?」



「『突然の敵襲により、私の隣のジジイは殺されました』。ハイ。」

「・・・!」

 私の言葉にジジイは目を見開く!



 いかにも『正気か!?』って感じのふざけた目だ。

「なに? もしかしてあんたも

「と、突然の敵襲により、私の隣のジジイは死にましたッ!!」

「・・・。」

 ビビッてジジイが復唱すると私はゆっくり立ち上がる。

「じゃ、この辺の掃除よろしく~!」

「は、ハイぃぃぃ!!!」

 ジジイは慌てて掃除用具を取りに行った。

「ふぅぅぅぅ。」

 大きく息を吐いてテントを出る。

「あッ! こら待てぇッ!!」

 兵士の声が聞こえる。

「ハァ・・・ハァ・・・!」

 獣人の捕虜が逃げてきてる。

 多分捕まえてた奴がヘマでもしたんだろうけどちょうどいい。

「ッ!!」

 獣人があたしに気づく。

「どけぇッ!!」

 手錠を着けられて残った攻撃手段にと取ったような蹴りであたしに蹴りかかる。

 ムカつくけど丁度いい。



「あは☆」

 獣人の前に手をかざす!



「ぐッ!?」

 獣人は空中で動きが止まる!



「なッ!? なんだこれッ!!」

 獣人の身体は段々宙に浮かぶ。



「ぐッぎッ!?」

 獣人の顔が歪む。



「ぎッぎあああぁぁぁッ!!」

 叫び声を上げるとともにメキメキと骨が折れる音が辺りに響き、獣人の姿が段々潰されるように縮んでいく。

 そして・・・。



「ぎゃぐぇッ!!!」

 短い断末魔と共に獣人は血しぶきをまき散らし、肉団子になってその場に落ちる。




「ちゅ、中佐・・・これは・・・!」

「えぇ? あんたもこうなりたい?」

「ひぃッ!!?」

 あたしの言葉に兵士は顔を真っ青にしてビビる。

「じ、じじ、自分は何も見ておりませんッ!!」

 自分のするべきことをすぐに察して兵士は言うべきことを言って逃げるように去って行った。

「はは・・・!」

 ああ、月が綺麗。



「あはははははははははは!!!!」

 天を仰いで高らかに笑った。



「ティィィィィィルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」




~ウルド アステリオン:森林~



[ノートン1ストライカー、現地に到着! 行動開始する!]



「喋った・・・!」

「なんなんだあれ!」

A・A(アサルト・アーミー)

「え?」

 ルタがなぜか念話で話しかけてくる。

【アサルト・・・アーミー・・・? なんじゃそりゃ?】

【ロキウスで密かに開発が進んでいた搭乗型兵器。】

【とーじょー型?? ってなんだよ。】

【巨大なロボットに人が乗って動かしてるって考えて。】

【あれに人が乗ってるってのか!?】

 見た感じ人間がくっついて何かしているようには見えない。

 ってことは、中に入ってる・・・?

 状況的にはそう考える方が自然か?



[む! 整体反応?]

「!?」

 巨大ロボットが気がついて、こっちを見た!



「ッ・・・!」

 俺達は無言で構えた。

 だが、そこへ・・・。




「うおおおおおぉぉぉぉぉッ!!!」

「親父!!?」

 なんとゾルガが村の方から現れてロボットに向かって腰を振りかぶったまま飛びかかる!!



 だが・・・。



[おっと!!]

 ロボットがそれに気づいた途端に信じられないことが起こる!

 巨大な胴体から青白い炎が噴射されたかと思うと後ろに下がり、ゾルバの突撃を回避した!!

 そしてすかさず右手に持っていた銃を構えると・・・!



「うおおおぉッ!!?」

 容赦なくゾルガに向かって銃弾をぶっ放した!




「うわあぁぁぁッ!!」

 銃は連射式のようで、ガガガガと物凄い連射音があたりに響くと同時に、押し戻されるように村の方へ吹き飛んでいく!!

「親父ッ!!」

 ゾルガの安否を気遣ってグラが駆けつけに行こうとしたその時だ!!



[む! そこか!!]

 ロボットが存在に気づいて、銃を乱射させるとグラが向かおうとしていた先のあたりにの地面に丸が当たって地面が弾け飛ぶ!!

「うわぁッ!!」

 その風圧にグラは思わず緩んでその場に立ち止まる!

[獣人だな? おとなしく投降するならこれ以上の危害は加えないぞ?]

「く、くそ・・・!]

 圧倒的な巨体。

 素早い動きに反応できるほどの機動力。

 おまけに圧倒的な破壊力を持つ飛び道具。

 下手な動きをすればすぐに殺されそうな状況を察してか。

 グラは立ち止まりながら悔しそうに歯噛みする。

[まだ整体反応があるな・・・! お前の仲間か?]

「!?」

 A・A(アサルト・アーミー)は俺とルタの存在に気づくが・・・。



[なんだ? お前たちは人族(ヒューム)じゃないか! どうしてこんなところに?]



 A・A(アサルト・アーミー)は驚いたような声を上げる。

 だが銃を向けするものの、構えが少し緩んでいる辺り、奴にとっての敵はあくまで獣人だけみたいだ。

 どうやらさっきルタが言っていたロキウス兵士が乗っている搭乗兵器と言うのは間違いないみたいだ。

[どうしてヒュームがこんなところに?]

 A・A(アサルトアーミー)改め、乗っているロキウス兵が困惑していると・・・。



「助けてくださいッ!!!」

「!!?」

 突然俺の隣から予想だにしない言葉が聞こえてくる!!



「お前・・・何言って・・・!」

【お兄ちゃん!!】

「!!」

 念話で話しかけてくるルタ!

【・・・わかったよ。】

 俺の言葉を遮ってまでこうやって念話で話してくるルタの必死さを見て何が言いたいか察した。

[どういうことだ!?]

 ロキウス兵がますます困惑していると・・・。



「助けてくれ!! 俺たち獣人に捕まってたんだ!!」

「私たち、この村の訳の分からない儀式の生贄にされそうになってたんですッ!!」

「助けてくれッ!! こんなところで死にたくないんだッ!!」



 事前に打ち合わせた訳じゃないが、見事なまでに二人で揃って息を合わせ、悲劇的な一般人を演じる。

[むぅ・・・!]

 A・A(アサルト・アーミー)は、俺たちから視線をそらしつつ、困ったようにうなり声を上げる。

 大体困惑の理由は察する。

 おそらく獣人を攫う為に村を襲ったんだろうが、思わぬところで人助けをしなくちゃいけないような奇妙な立場になってしまい、調子が狂っているんだろう。

 おそらくルタの狙いは、こういう突然の状況につけ込んで相手を油断させようって魂胆だ。

「お前ら何言ってんだ!!」

「!!」

 グラが食って掛かるように俺達に非難の声を投げかける!

 まずい!

 いま口を鼻差まれたら・・・!

[おい!! 動くなッ!!]

「うわぁッ!! く、くそ・・・!」

 A・A(アサルト・アーミー)が銃をぶっ放すとグラが怯んで後ろに飛び退いて黙らされる。

 聞く耳持たないって感じか。

 だが助かった・・・!

[わ、わかった・・・! 上に掛け合って君たちは保護することを約束しよう!]

「・・・!」

「ありがとうございます!!」

 俺はわざと神様に救われたかのような希望に満ちた笑みを浮かべ、ルタ共々、内心でほくそ笑む。

[まずはこの村の者たちを鎮圧して、それから

[師匠ッ!! 何言ってるのですか!!]

「!!?」 村の方角から聞いたことのある声で、予想外の言葉が返ってくる!



「メロ・・・!」

 村の方から既にメロがこっちに来ており、睨みつけるように俺を見ていた!

 まずいッ!!



「師匠ッ!!見損なったのですッ!!! 獣人を守ることに協力するって言ってたのにッ!!」

[ど、どう言うことだ!!?]

 こんの馬鹿弟子があぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!




~リメイク前との変更点~

・泉でのグラが傷を癒す現場が夜で一緒にいるのがウルド

理由:夜の方が幻想的でグラが美しく見えるから、あと旧版ではここでルタが泳げないのが判明するがすでに遺跡でやっているためやらなくていいから


・襲来イベントが早めの登場

敵が悠々と待つわけがないため


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