神域管理庁×××部××課所属××の手記その肆~絶望~
太昌十四年 師走二十四日
後悔に苛まれながら、僕は戦った。
一人、二人……また死んでいく。
十人、二十人……どんどん死んでいく。
九十、百……数えるのを止めた。
二百、三百……上司も同僚も死んでいく。
千、二千……友達なんてとっくにいなくなってしまった。
九千、万……神域だけでなく、現世にまで邪神が溢れ出した。
そして、神子も神も一人、二人、三人と死んでいく……。
◇の神子の断末魔が響き渡った瞬間、希望が潰えた。
この世に神子も神もいなくなってしまったのだ。
世界は見渡す限りの地獄となってしまった。
邪神が蔓延り、死体を食い散らかす、血の海の惨劇が広がるだけの地獄絵図。
そんな中で、何故僕は一人生き残っているのだろう……?
僕は打ち拉がれた。
どこで選択を間違えたのか?
あの時、無理矢理■■を連れ出さなければ……?
あの時、●●から■■を引き剥がさなければ……?
もっと昔から▽の一族として動き、神域の闇を屠っていれば……?
胸の渦巻くのは後悔と絶望。
そんな僕の前に邪神が立つ。
それは今まで見たことない程、恐ろしく悍しくとても巨大な邪神だった。
ああ……死ぬ……。
僕は伸びてくる真っ黒なドロドロの腕を呆然と見つめる事しかできなかった。