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大和撫子さまのお仕事  作者: 小茶木明歌音
第四章
224/346

あざみと皇族神子




 それは文月の祈りの儀が終わった翌日の事、幽吾はあざみとともに大鳥居広場へと来ていた。


 鷹臣への処分や後処理、遊戯管理部女性人達の記憶修正の件もあり、実は例の事件以来、あざみと顔を合わせるのは久しぶりだった。


「……言っておくけど、僕はまだ君を赦したわけじゃないからね」

「なんとでも言いなさい。あくまでアタシは無実を主張するから」

「嘘を吐けば吐く程、地獄に堕ちた時に苦しむ羽目になるからね」

「へえ~、意外。何に対しても興味無さそうなアンタが、悪や罪を絶対許さない正義のヒーローとはね~」


 ギスギスとした空気が辺りに漂う。

 幽吾が無表情の一方で、あざみは余裕の笑みを浮かべているが。


「……こう見えて僕は『影の一族』だからね。人の罪を決して赦さず、相応の罰を必ず下す。それが僕の使命だ」

「『血』の定めってやつかしらね。まさかアンタにそんな使命感を持つなんてね。まっ、せいぜい頑張れば~?」


 ヒラヒラと適当に手を振ると、あざみは大鳥居の前へと進み出る。


 そして、大鳥居の向こう側からやってくるその人を待ち構えた。


 今日、神域管理庁に再び新しい職員が入る。

 正確に言えば、彼女は約五十五年前に神域管理庁で働いた事があり、言うなれば再雇用にも近い。


 前髪の一房だけが深い緑色に染まった真っ白な髪と黒に近い深い緑に染まった瞳を持つ高齢の女性。高齢でありながら背筋はピンと伸び、踵の高い靴を履きこなし、実に年不相応である。


 待ち望んでいたその者に会えた事であざみの顔には堪らず笑顔が浮かんでいた。


「おばあ様ぁっ!」


 大鳥居を越えて大鳥居広場にやって来た女性にあざみは駆け寄っていく。

 若干その声に随分と甘さが含まれていると幽吾は思った。


「もう、おばあ様ったら! 来るの本当に遅いっ!」

「すまないね。出来の悪い大馬鹿娘にいろいろ説教していたらすっかり遅くなってしまったよ」

「えぇ~っ!? ママへの引き継ぎじゃなくて、バカオバサンへの説教でアタシ待たされたのぉ~!?」


 まさかの理由にやり場のない怒りが湧いてくる。


「帰ったら叔母さん扱き使ってもいい? ねっ、いいでしょ?」

「いいけど……あまり使い物にならないかもしれないよ。本当に大馬鹿だから」

「大丈夫、大丈夫。バカとオバサンは使いようでしょ」

「ふふふ、そうだね。それもそうだね。流石、私の孫娘。じゃあ、思う存分扱き使っていいわよ」

「やったぁっ! おばあ様、ありがと~! だいすき~~っ!」

(知の一族こっわ)


 見るだけなら実に微笑ましい祖母と孫の戯れだが、会話の内容は実に微笑ましくない。そんな光景を見守っていた幽吾は思わず身震いをした。


「おやおや、これは影の一族のご子息。久しいね」

「御無沙汰しております、知の一族当主」

「もう当主は引退したからね。仮名は津雲(つくも)というからそう呼んでくれて構わないよ」

「はい、津雲様」


 にこにこと笑う津雲に幽吾は深々と頭を下げた。そして、顔を上げようとしたが、上げる事ができなかった。手で押さえ込まれてしまったから。そして、ぐりぐりと撫でられてしまったから。


「私の大事な大事な孫娘の手伝いをしてくれたそうだねぇ~。ふふふ、感謝しているよ、ふふふ。ああ勿論、私の可愛い孫娘に何か間違いとか、過ちとか、手を出そうとした輩なんていなかったと、君が責任を持って対処してくれていたと私は信じているよ~、ふふふ」

(知の一族こっっわっ!!)


 撫でられているはずなのに、何故こんなにも圧力を感じるのか。いっそ二度と顔を上げたくないと思う程の恐怖に襲われる。


「おばあ様、おばあ様。早く行かないと中央本部の皆様が待っているわ」

「そうだね。じゃあ行こうか」

「あ、そうだ、おばあ様。アタシ、これ頑張って作ったの~~!」

「ほおほお。これはなかなかの出来だねぇ。流石私の可愛い孫娘」

「えっへへ~~」


 可愛い表紙の本を見ながら仲良さそうに歩いていく二人を、幽吾は溜め息を吐きながら追いかけた。




 やがて辿り着いた域管理庁中央本部。

 そして、議会室で待ち受けていたのは、神域内の総監督を行なっている神域管理庁の上層部の大人達だ。


「これはこれは、知の一族当主、大変ご無沙汰しております」


 全員、八大準華族の家の生まれであり、四大華族である津雲のことは勿論よく知っている。


「やあやあ、本当に久しいね、八大準華族の諸君。まさか私の出迎えもせず部屋で待っているだけとは随分な御身分になったようで何よりだよ」


 議会室に一気に緊張が広がり、重鎮達の笑みに歪みが生まれる。


「それはさておき、私の可愛い孫娘の働きぶりはどうだったかね?」

「それはもう。大変優秀なお嬢様でして」

「我々も勉強させて頂く事が多い毎日でした」


 しおらしい事を言っているのは勿論建前。

 本音は、あざみに叱られ怒鳴られ馬車馬のように働かされる日々に辟易として、一刻も早いあざみのお帰りを願っていたはずだと、幽吾は思う。


「そうかい、そうかい。私の可愛い孫娘は神域管理庁の役に立てたようだね~」

「まさに、その通りでございます」

「あざみ様、様様でございます」


 そして、あざみが帰れば、中央本部の権限は重鎮達の元へ返される事になっている。

 中央本部の大人達はみな、実に憎たらしく醜い嬉しそうな笑顔を浮かべていた。


(でも、忘れちゃいけない……相手は何処までも知の一族だよ)


 冷たい表情で見ている幽吾に、中央本部は誰も気付かない。


「ところで……そんな私の可愛い孫娘に向かって『神域管理庁を舐めている』と言ったのは誰だね?」

「……は?」


 絶句する中央本部の前で、津雲が開き見ているのは先程あざみに託された可愛い表紙の本である。


「『女なんかに神域管理庁の仕事が務まると思っているのか』……とまでも言ったようだね」

「な、何を……」

「なんと、これは酷い。『神々の閨の相手ができると思って来たのか』と言ったのかい?」


 津雲は笑いながら光の宿らない冷たい視線で中央本部を見つめる。


「一体何処のどいつだい?」

「あっ、あざみ様ぁっ!?」

「はっ、話が違います!!」


 煩く喚く中央本部の重鎮達を楽しそうに見つめながらあざみは言う。


「失言に目を瞑ってあげるとは言ったけれど、おばあ様には報告しませんだなんてアタシ言いましたぁ~?」


 ああそうだ。言っていない。一言も言っていない。

 幽吾は良く覚えている。


「あとこの写真は何なんだい? 賄賂にセクハラ、必要以上の金の使い込みにパワハラ……おやおやおや、こんなにたくさん」


 津雲が取り出したそれは紛れもなく、あざみが式を使って集めていた中央本部の不祥事の証拠写真である。


「あっ、あざみさまぁっ!!??」

「だからぁ、不祥事の証拠も隠しておいてあげるとは言ったけど、おばあ様に見せませんだなんてアタシ言ってませ~んっ!」


 まさにその通りである。

 幽吾もよく覚えている。


 あざみは津雲に抱き付くと猫撫で声で言った。


「じゃ、おばあ様ぁ、アタシ次の仕事に行かなくちゃ~。中央本部の皆様と仲良くしてくださいねっ! アタシがどんなに叱りつけても、結局、アタシは子ども……子どもの言う事なんか聞いていられるかぁって言われてしまったのでぇ~~」

「ほう、そうかいそうかい。それは悲しかったね、私の可愛い孫娘よ。代わりに私が、きっちり片を付けるとするかね~」


 津雲は踵の高い靴で床に打ち鳴らし、いつの間にか持っていた乗馬用の鞭を素早く振るう。

 ピシィッ! と激しい音が鳴る度に中央本部は震え上がる。


「さあ~、ガキども……躾の時間だ。覚悟をし」


 津雲は実に楽しそうな笑みを浮かべながら鞭で手を叩く。


「それじゃあね、中央本部のオジサマ達。短い間だったけど、なかなか楽しかったわ」


 あざみは片目を瞑って別れの挨拶を告げると、幽吾とともに議会室を出ていった。


(ほ~ら言わんこっちゃない……ざまあみろ)


 そんな幽吾もまた楽しそうな笑みを浮かべていた。




*****




 ここは神域の中心部にある宮区――神域で最も神聖なる地と呼ばれる場所だ。

 中に入ることを許されるのは、皇族神子と皇族神子に仕える宮区職員など極一部の許された者達だけ……。


 しかし、今回特別にあざみは足を踏み入れる事を許されていた。

 宮区専用の馬車に乗って揺られながら幽吾が言う。


「それにしても……よくもまあ頭のかったい宮区の職員達の面談の許可なんてもぎ取ったね~」

「そんなの然るべきところにお願いすれば簡単よ」


 あざみがそう言って見せつけたのは、一の神子こと皇太子の捺印付きの手紙だ。


「……相変わらず根回しはや」

「できればおばあ様が来る前に片付けたかったんだけどね~。ホント融通の利かない頭の固い連中ね、宮区ってのは」

「応じてくれるだけありがたいと思った方がいいよ~」


 荘厳で巨大な大手門がゆっくり、ゆっくりと開かれ――馬車は大手門を通っていく。

 その地に宿る強く美しい神力の波動の心地良さに、あざみは思わずほうっと溜め息を吐いていた。


「なるほど……流石神域の中心部なだけはあるわね」


 やがて馬車が一旦停止する。

 そして、窓の外に見える光景を見て幽吾はギョッとした。


「まさかの一の御社……」


 大和皇国の文化の集合体と言える巨大で荘厳な御社の門に、あざみは思わず目をキラキラと輝かせる。


「ふっわーーっ! 大和皇国の歴史を物語る建築様式! 写真撮りたいっ!」

「撮るなよ。絶対撮るなよ!?」


 一応四大華族なので馬鹿なことはしないと分かっていても、あざみの興奮した様子に幽吾は一抹の緊張を覚えてしまう。


 大きな音を立てて門が開かれると馬車は一の御社へ入っていく――。




 一の御社の建築も大和皇国の栄華が集結された素晴らしい建築様式で、あざみはかなり興奮気味だ。

 一方で幽吾は緊張して気が気でない。


 宮区の職員に導かれてやって来たのは、大きな扉の部屋の前だ。

 恐らく謁見の間だろう……興奮していたあざみもいささか緊張した面持ちとなる。


「皇族神子様が御待ちでございます」


 宮区職員の手で扉が開かれた瞬間、目の前に広がったのは天井高い空間の謁見の間。

 絢爛豪華な美の結集と言える調度品や飾り。

 手入れもきちんと行き届いており、床は輝いて見える程。


 そうして、謁見の間に並んで鎮座するのは、皇族神子達。


 あざみと幽吾は謁見の間へ足を踏み入れると、皇族神子達の前で膝を着き、深々と頭を下げる。


「双方、面を上げよ」


 許しが貰えたところで顔を上げれば、そこにいたのは月の光のような月白の髪と日の出の如く輝く金色の瞳を持つ一の神子だった。


「知の一族息女、あざみ。此度の件、誠に御苦労であった」

「一の神子、月城(つきしろ)皇太子殿下。こちらこそ、わたくしのお願いに応じて頂き、恐悦至極に存じます」

「いや。こちらこそ臨時とはいえ、わざわざ出向で来てくれた事感謝している」

「光栄の極みでございます」


 あざみが再び深々と頭を下げれば、上品な笑い声が響き渡る。

 声の主は一の神子の左隣に鎮座する二の神子のものだった。透き通るような露草色の髪と森のような緑色の瞳を持つ絶世の美女であり、第二皇女だ。


「知の一族のお嬢様と言えば、前当主に溺愛されていたあの子猫ちゃんのようなお嬢様よね? 随分大きくなって」

露姫(つゆひめ)様もますますお美しくなられて。尊顔を拝する事ができ、光栄でございます」

「あらあら、お上手ね」


 するとこんどは貶すような笑い声が響く。

 声の主は一の神子の右隣で足を組んで鎮座する三の神子のもののようだった。鮮やかな曙色の髪と夜闇のような紺色の瞳を持つ第二皇子だ。


「知の一族のお嬢、こんなババアに世辞なんていらねぇよ。金かけて若作りしているだけだから」

「……(あかつき)殿下……は、相変わらずお変わりないようで……」


 主に言動面の方で。


(この人の口の悪さと態度の悪さは相変わらずね~……)


 瞬間、二の神子から吹雪のような怒りの波動が発せられたのは気のせい――ではない。

 一触即発の空気にあざみは思わず背筋を凍らせる。


「兄上、女性に対してそのような態度は失礼ですよ」


 三の神子を窘めたのは、その隣に座る四の神子だ。爽やかな色合いの若竹色の髪と澄んだ水のような青色の瞳を持つ第三皇子。

 弟に窘められてしまったせいか、三の神子が大人しくなったので、あざみはほっとする。


(流石は女性人気の高い皇子様だわ……)

「知の一族のお嬢様。お元気そうでなによりです」

武千代(たけちよ)殿下に気にかけて頂き、光栄でございます」

「ところで――」


 あざみはそう声をかけてきた人物に目を向ける。

 二の神子の隣に鎮座する五の神子だ。混じりの一切無い本紫の髪と夕焼けを彷彿とさせる橙色の瞳を持つ第四皇子である。


「――宮区の神子管理部の職員の面談をしたいというのは一体どういう理由か聞かせてもらおうか」

「はい。先日、巽区の神子管理部職員が神子反逆に当たる行為をした為、改めてわたくしの方で神子管理部として適正か判断をしている次第でございます」

「その反逆者は巽区の者であろう? 我が宮区にそのような者はおらん」

「……畏れながら、咲武良(さきむら)殿下、念の為でございます」


 内心イラッとしつつも、それをひた隠し、必死に笑顔を保つ。


(第一に事前に伝令で面談理由は申し送っているでしょうがっ!!)


 むしろ笑顔が引き攣らないようにするのが必死だ。

 早々に五の神子への挨拶を切り上げ、あざみは六の神子の方を向く。


菜種姫(なたねひめ)様もますますお美しくなられて」

「あっ、いえ、そんな……」


 可憐な菜の花色の髪と母なる大地と同じ茶色の瞳を持つ第一皇女は、美しいというよりも可愛いといった言葉の方が似合う姫である。

 少々恥ずかしがり屋で親しみも感じられるそんな印象だ。


「菜種より、我が妹の桜姫の方が美しいに決まっているだろう! 菜種もそう思うだろう?!」

「そ、そう……ですね……」


 五の神子の怒涛の台詞に六の神子はすっかり萎縮してしまっていた。


(アンタには聞いてないっつぅのっ!!)


 ところで、だ。あざみの前に鎮座する皇族神子は六名……あと一名足りない。

 その桜姫こと七の神子がまだ来ていないようだ。


(桜姫か……皇族様方秘蔵っ子の愛されお姫様ね~……最後に見たのはいつだっけ?)


 毎年現世開かれた桜姫の誕生日の宴にはあざみも参加していた。

 そして、最後に顔を見たのは現世で最後に開催された宴だったはずだと記憶している。


(確か、桜姫が小学校卒業された直後に開催されたから……七年前の弥生か)


 当時わずか十二歳でありながら、この世の美しさと愛らしさを詰め込んだような非常に可憐な少女であったと記憶にある。

 肌は瑞々しく、頬はほんのりと赤く染まり、桜の花弁のような艶やかな唇。

 皇族の誰からも愛され、国民にも愛され、挙句神にも愛される。誰もが羨む程の物しか持たない姫君。


(だけど良い意味でも悪い意味でも純粋無垢なのよね~……)


 人の会話に割り込む、食べ物や飲み物を押し付ける、強引に引っ張りこもうとする……まあ、あの当時は桜姫もまだ幼く許された行為である。


(どれほど成長していますかね~)


 そんな事を思っていた時だ。


桜姫(さくらひめ)の御成でございます」

「皆様、申し訳ありません。大変お待たせしました」


 謁見の間に可憐な声が響き渡り、桜姫の到着が告げられる。


(やっと来た……)


 あざみは挨拶をする為、振り返った瞬間――背筋が凍りついてしまっていた。




本日のおまけ話は本編と全く関係ない紅ちゃんお誕生日会の準備前の蘇芳と紫の会話です。

書いたのはいいけど、組み込むタイミングを失ってしまったので唐突にここに載せました……。



<おまけ:紅玉誕生日の宴の予算>


「今回の宴の経費どうしようか? いつも通り御社経費から出す?」


 算盤で今回の宴にかかった経費を計算しながら紫は蘇芳に尋ねる。


「紫殿、神子の誕生日の宴ならまだしも紅殿は職員。御社の経費から出せるわけないだろう」

「ですよねぇ……」


 算盤に打ち出された金額が結構な数字を叩き出しているのを見ながら、ではどうするのかと思っていると。


「全部俺が出す」

「……はいっ!?」

「当たり前だろう。これは完全に私事。自分達で出すのが道理だ」


 蘇芳の言うことは正しい。至極もっともである。しかしながら。


「け、結構金額あるよ? お酒代に食費って結構かかるんだよ? しかも大人数」


 紫が恐る恐る算盤を見せると、蘇芳はキョトンとした。


「問題ないが?」

「……はいっ!?」

「その程度問題ない。使う機会がほとんどないからそれなりに貯蓄はしているんだ」


 言われてみれば、この蘇芳、同じ職場で働き続けて三年の仲になるが、何かを買い食いしたり趣味に勤しんだりしているところなんて一切見たことがなかった。

 そもそも蘇芳の趣味はなんだ? と聞かれれば、紫は迷わず「鍛練」と答えてしまう程、鍛練をしている蘇芳しか見たことがない。その鍛練だって、何か道具を使っているわけではなく、ただひたすら己で己自身を鍛え上げるやり方だ。

 要は蘇芳が金を使ったところを見たことがない。


 そして、神域管理庁職員の給与はそれなりの金額である。それを長年使わずに貯蓄しているとなると……。


 紫は蘇芳の手をガシリと掴んでいた。


「やっべぇ、蘇芳君、超優良物件じゃん」

「は?」

「ねえ、僕と結婚しよ? で、養って」

「寝言は寝てから言ってもらおうか」




晶ちゃんの一言

「うみゅ、ちなみにお姉ちゃんの誕生日ぱーちーの費用は自腹を切るべきだとすーさんは言ったけど、本音はお姉ちゃんの誕生日ぱーちーだから自分が出したい、だからね」


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