コーヒーの来歴について
テーマ「コーヒー」
私はコーヒーが好きだ。昼下がりに飲むコーヒー、夕方に飲むコーヒー、朝方のコーヒーも良い。気分が安らぐ。
ところで、私の記憶では、コーヒーはエチオピア発祥である。そこからイスラム世界に伝わり、そこからヨーロッパに伝わり、そこから世界中に広まった。
そして日本でも明治時代あたりから飲まれるようになり、今に至る。
しかし、コーヒーを飲む習慣は、順調に伝わってきたわけではない。というのは、イスラム世界にコーヒーが伝わった時、コーヒーは合法か非合法かという議論が持ち上がったからである。
よく知られているように、イスラムの戒律では酒を飲むことが禁じられている。コーヒーには、酒と同じように覚醒作用があるので、コーヒーを飲むことは非合法である、という主張が、イスラム世界では根強く主張されていた。
そのため、初期のコーヒーは、一部の神秘主義者の間でくらいしか飲まれていなかったらしい。
このように、コーヒーは非合法であると主張する人々に対して、コーヒーは合法であると主張する人々がいて、合法派と非合法派が、長い間議論を戦わせてきたそうである。
そして結局、コーヒーを合法であるとする人々が優勢になっていったために、コーヒーはイスラム世界に広がり、そして世界中に広がっていったわけである。
もし、イスラム世界で、非合法派が勝ちをおさめていたら、コーヒーは世界に広まることもなく、今でも、エチオピアの一部でしか飲まれていなかったかも知れない。そして今、私がこうやってコーヒーを飲んでいることも無かったかも知れない。
コーヒーを飲む権利のために闘ってきた、先人たちに感謝したい。
そんなことを考えながら、今日も私はコーヒーを飲む。