【番外編】30センチ
ゴンッ
「いって......」
寝ぼけたルーカスが梁に頭をぶつけた。
「もー、大丈夫ですか?」
朝食の用意をしていたステラがパタパタとキッチンから出てきた。ステラと朝食を共にして以来、朝が苦手なルーカスもこうして起きて朝ごはんを食べる日が増えてきた。
「師匠って身長高いですよね、何センチですか?」
「んー、最後に測ったのは魔法学院に入学したときだったか...たしか188だったな」
「いいなー、私は158センチから伸びなくなっちゃいました。魔法が使えたら身長伸ばしたいです」
キラキラと憧れの目で見るステラに、ルーカスは笑った。
「ははっ...身長を伸ばす魔法なんてあるんだったら是非ともお目にかかりたいものだな。それにお前は今のままがいいよ」
「え?今のままって...」
笑っていたルーカスは我に返る。いつも見えているステラのつむじが可愛いなと思っていたのだ。
「...『可愛い』ってなんだ...ありえない、弟子にこんなこと考えてるなんてキモすぎだろ俺...」
心の中で葛藤したルーカスは、ステラを真顔で見つめた。
「...?なんですか?」
じろりと見上げるステラに、ルーカスは顔を背けて「...なんでもない」と言った。ステラは気づいていなかったが、彼の耳は真っ赤だった。




