表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
6章  初心忘れること無かれ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

229/280

220 実績解除(?):フラグ建築士

くり…すます?…ナニソレ?


ドスッ!

「ギュィッ…!?」


 俺の投げた槍の穂先に首を貫かれ、短い断末魔を上げて一撃で絶命する〈角兎〉。


ズボッ

「よっ…と、ふう…。」


 〈角兎〉の死体から槍を引き抜き、〈拡張袋〉に入れて一息吐く。


 これで狩りの成果は〈山林狼〉が1体に、〈角兎〉が3体。

 狩りの成果では無いが、ついでに痩せ細った〈ゴブリン〉も数体討伐しておいた。


(今日はこの辺で帰るか。)


 まだ陽が落ちるまでには時間に余裕があるが、狩り過ぎてもいけない。

 帰りに遭遇したら狩る、くらいの気持ちで丁度良いだろう。


 …そんな俺の考えが「フラグ」になってしまったのだろうか?


…ブォオオッ……


バッ!

「っ!この声は!?」

 

 聞こえてきた〈オーク〉の鳴き声に、俺は反射的に槍を握り込み、即座に戦闘態勢を取る。


(近いぞ…、…それに興奮している?)


 野生で生きていく上で、無駄な吠え声は命を縮める行為に他ならない。

 おそらく…ウルフに襲われたか、あるいは…何かを襲ったか。


(…声が聞こえたのはあっちか?)

ザッ…


 〈初心者の森〉でも深層にいる〈オーガ〉の吼え声が、浅層まで聞こえてくるのは珍しくは無いことだ。

 だが嫌な予感を覚えた俺は、〈オーク〉の吠え声が聞こえて来た方へと足を向ける。


ザッザッ…

(確かこっちは…、村へ向かう方じゃないか?)


 ボスは奥に行けば〈オーク〉が出るかもしれないと言っていたが、それは狩場の浅い場所に出ないということでは無い。

 俺達が獲物を求めて奥地に入り込んでいるのと同様に、〈オーク〉もオーク側の奥地…つまり猫人族の村近くに来ていてもおかしな話では無いのだ。

 

ブォオオッ… バキバキッ


(近付いて来る…?)


 俺が音の聞こえた方に向かっているのもあるだろうが、俺が歩いて行く以上に音が向かって来る方が速い。

 〈オーク〉に襲われた“何か”が魔物であるなら、(別の敵)がいる方へ向かって来る筈は無い。


 しかし実際は、俺がいる位置が分かっているのか?…と思ってしまう程に、音が俺に向かって一直線に迫って来る。

 そのことが俺の嫌な予感を更に駆り立てる。


バキバキッ… ブォオオッ!

「っ!」

(近いぞ…!)


 俺は歩みを止め、その場で身構える。

 そこへ─


ガサガサッ…、ビュッ!


 俺の前…やや左側に寄った藪が葉擦れの音を発てたかと思えば、そこから白い影が飛び出して来た!


「っ、ご主人居た!」


「ニーニャ!?」

(…とチャトラン?)

 

 藪から姿を現したのは、グッタリとしたチャトランを引き摺るようにして担ぐニーニャだった。

 小柄なニーニャに青年1人担ぐのは難しく、ニーニャの額には珠のような汗が浮かぶ。

 

(何でここに!?いや、今はそれどころじゃ─)

ダッ!


 何故ニーニャ達が奥地にいるのか?とか、ボスの言い付けを破った理由などは、今はどうだって良い。 

 状況からして、〈オーク〉が襲っていたのはニーニャ達で間違いないだろう。

 俺は一刻でも早くニーニャを保護するべく、駆け出した。


バキバキッ!

「ブヒョオオォッ!」


 ─が、ニーニャ達が飛び出して来た藪を踏み折り、血走った目の〈オーク〉がニーニャ達の背後から迫る。

 その距離は〈オーク〉の口から撒き散らされる涎が、逃げる二人の背にかかってしまうのではないかと思う程に近い。


 このままでは間に合わない!

 そして悪いことは更に重なり─


「ぅ…、ん…?

 …うわああぁっ、ニーニャ!!」


 気を失っていたらしいチャトランが目を覚まし、状況を把握するとパニックを起こした。


「チャトラ落ちつ─」

ガッ!

「「あ…」」


 今まさに襲われている状況で、声掛けだけで瞬時に落ち着く筈も無く。

 チャトランに気を取られたことで、木の根に躓いてしまうニーニャ。


「っ…!」

「ぅわあっ!?」

ドサッ…


 チャトランが暴れていたこともあり体勢を立て直せず、チャトランに押し倒されるように転倒するニーニャ。


「ブッヒョオオォッ!」


 ラッキーとばかりに二人に手を伸ばす〈オーク〉。

 

(させるかっ!)

「『猪突猛進』っ!」

ドンッ!


 最近何かと頼りになるスキルを発動し、俺のことなど眼中に無い〈オーク〉に突貫。


ドッ!


 スキルの加速を得て、〈オーク〉の手が倒れた二人に届く前に、俺の槍の穂先が〈オーク〉の胸に刺さる。

 

「ブヒャアアッ!」

(浅い!?)


 しかし距離を詰めるために勢いを使ってしまったのか、悲鳴を上げながらも〈オーク〉は止まらない。

 普段であれば怯んでいてもおかしくは無い筈なのだが、ご馳走を目の前にした興奮が痛みを上回っているのだ!


(こなくそっ!)

「『猪突猛進』っ!」

 

 止まらないのなら止めるまで。

 俺は「この豚野郎を確実に殺す…!」という意思を込め、二度目の『猪突猛進』を発動。


「ブギャア─」

ドパンッ!


 穂先が更に深く刺さっていく痛みに悲鳴を上げかけた〈オーク〉だったが、次の瞬間には胸の上から頭にかけて消し飛んだ。


(うわぁ…。)


 その瞬間を間近で見てしまった俺は、我が事ながらにドン引きだ。

 そして〈オーク〉は倒され全員無事であるが…


「ひぃっ!」

ブルブル


 ニーニャを抱きしめ、俺の視線に怯えるクソガキ。


スッ

 

 無事も一応確かめたことだし、恐怖の一因にもなっていそうなオークの死体を仕舞おうと動けば…


ビクッ!


 …まぁ、視線だけでもダメなのに、動くのが平気なワケ無いか…。

 というか、ニーニャもいつまでそう(抱きしめ)させているつもりなのか。


 相変わらず抵抗の薄いニーニャに苛つきを感じた俺だったが、嫉妬に任せて態と怖がらせるなどという小さいことはしまい。


 結果、誰も動けないという奇妙な状態のまま、数分から10分程が経った頃。


ザワザワ

「………っ!」

「………!」

「……ぃ、……!」

「……辺で……た!」


(おっ、やっと来たな。)


ガサガサッ

「おいっ、あそこだ!無事だぞ!」

「あれはまさかオークか!?」

 

 ボスを含めた村の狩人達が合流したことで、ようやく俺は身体を動かすことができたのであった。


ラスト は 『ダブルタップ』 を 覚えた!



いつも読んでいただきありがとうございます。


ブックマーク、☆、いいね等、執筆の励みになります。

「面白かった」「続きが気になる」という方は是非、評価の方よろしくお願いします。


感想、レビュー等もお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ