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農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
6章  初心忘れること無かれ

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215 ニーニャの出自

Tips :獣人種の分類

 猫人族を始めとして、牙狼族、犬頭族、兎人族、鼠人族と「百獣」と言われるほどに異なる姿の一族が存在する獣人種。

 姿が異なれば生活様式等ががらりと変わるのだが、実は大まかに2つ…ないし3つに分類することができる。

 まず一つは、獣人種の中でも身体能力に優れる「狩猟種系」。

 これに分類される一族は獣人種の中でも身体能力に優れ、肉食を好む。個人主義者が多い。

 性格は直情的で喧嘩っ早く、思考を苦手とする。

 次に、菜食を好む「農耕種系」。

 穏やかな性格の者が多く、大勢で暮らしていることが多い。

 だが穏やかとはいえ獣人であり、一度闘争心に火が着くと狩猟種系獣人以上に手が付けられなくなるので注意が必要。

 総合的な身体能力は狩猟種系獣人に劣るが、聴力や走力、持久力といった生存に関わる能力は狩猟種系獣人より高い傾向にある。

 以上2種に加えて獣人種全体が不得意とする魔法や繊細な作業、思考を得意とする「技能系」の一族も存在するが、大体が上記2種のいずれかに含まれている。


 唖然とする俺を引き戻したのは、ボスの申し訳なさそうな声だった。


「息子がスマンな。」


「はっ!…え?」


 息子?誰の?

 あのクソガキがボスの息子だってのか!?


「ガキのうちくらいは自由にさせようとしていたんだが…、どうにも他人(ひと)の話を聞かないようになっちまってなぁ。」


(いやいやいやいや!?)


 手に負えなくて困っているといった様子で言うボスだが、完全に教育を失敗している。

 将来この村の長になる奴がああでは、この村はその時が終わりだな。


「…まっ、今は興奮しちまってるが、その内ちゃんと落ち着くだろうさ。

 あんたらも遠いとこを来て疲れてんだろ?

 空き家を用意させるから今晩は泊まっていけよ。

 …積もる話もあるだろうし、な?」


 そう捲し立てるように言ったボスの視線の先には、ニーニャを「捨て子」と言った少女がポツン…と所存無さげに立っていた。


(…そう言えば、ボスの発言とニーニャが奴隷にされていたことについて、話の食い違いについて訊ねていたんだったか。)


 そこで言葉に詰まっていたボスの代わりにこの少女が答え、更にそのことについて尋ねようとしたところで、あのクソガキの襲来だ。


「んじゃ、俺は女達に場所を準備するように言わなくちゃならんから…。」


「あ!?おいっ…」


 と、俺が状況の整理をしている隙を突くように、俺たちの相手を少女に押し付けたボスが立ち去ってしまう。

 嫌な共通点だが、こういうところからボスとあのクソガキが父子であることを実感した。


「…え~っと、そういうわけらしいんだが?」


 半ば強引に泊まることにされてしまったが、帰りの旅路は歩きになるため、ありがたく身体を休ませるとしよう。

 そして一通り食糧を配り終えて手持ち無沙汰になったこともあり、俺はその場に残された少女に話を聞けるかお伺いを立てる。


「はぁ…。良いわよ、話してあげる。」


 そのため息は果たして、誰に対するものか。

 …それはともかく、どうやら話して貰えるようだ。


「おう、ありがとな。…えーと─」


 とここで、俺はこの少女の名前を知らないことに気付き、言葉を詰まらせる。

 …確かニーニャはこの少女を「ソー」と呼んでいたが─


「…ああ、名前?わたしの名前はソー‘ニャ’…ッ」

 

 少女は親切にも名前を教えてくれた。


「そうか。ありがとな、ソーニャ。」


 話を聞かせてくれることと名前を教えてくれたことに、俺は改めてソーニャにお礼を言った。

 のだが…


プルプル…


 何故か顔を真っ赤にして、小刻みに震えているソーニャ。

 ニーニャとのやり取りではそんな様子は無かったのだが、実は顔見知りが激しいのだろうか?


「………よ。」


「えっ、何て?」


 何かを呟いたソーニャだったが、生憎俺は獣人ほど耳が良く無いので聞き返す。

 すると次の瞬間─


「わたしの名前はソー“ナ”よって言ってんの!

 このバカ!アホ!オークッ!!

 人が噛んだのを揶揄うなんて、サイッテーッよ!」


「うわぁあぁっ!?

 スマンッ!俺、てっきり─」


 羞恥で涙目になりながら、俺を罵倒してくるソーニャ改めソーナ。


 そういえば、ニーニャと出会った時も「ニャ」と「ナ」で、俺は勘違いを起こしていた。

 原因は違えど、同じ勘違いを繰り返すとは…!


(つか、「ニーニャ」とか「ソーナ」とか、何でそんな間違え易い名前なんだよ!?)


 と、ソーナに必死で謝っている裏で、半ば逆ギレする俺。

 それとは異なるが、村の長の名前が「ボス」というのもどうかとついでに思う。


 …まぁ、ソーナも自分が悪かったという自覚があるのか、割とすぐに落ち着いてくれたのが救いだろうか。

 だからその後、話を聞いている際に不自然なまでに目が合うことが無かったのは、仕方のないことだったのだ。



 … … … … … … …。


 … … … …。


 …。



 俺が密かな哀しみを覚えつつ、ソーナから聞き出した話は次のようなものであった。


 ニーニャが育った村はここで間違い無いのだが、ニーニャが産まれた場所というのが不明らしい。

 というのも十数年前、当時赤ん坊だったニーニャを抱えた見馴れぬ衣服の、火の魔法を使う猫耳の美女がこの村に訪れたらしい。


 暫く腰を落ち着かせる場所が欲しいと言う美女を、当時の長であったボスの父親は不安がる村人達を宥めてまで受け入れた。

 美女はそのお礼にと村周辺の木々を『火輪』という魔法で根まで灰に変え、当時難航していた開拓に大いに貢献したそうだ。


(なるほど…だからこの辺は開けているわけか。)


 この村を見た時、俺はてっきり元から開けた土地に村を作ったと思っていたが、そんな都合の良い土地が山間にあるわけが無かった。

 …いや、元から多少開けた場所を選んだのだろうが、さすがに十建近くの家に畑まで作れるほどでは無かっただろう。


(最初に気付けよ…俺。) 


 これでは俺もリタのことを、「街育ちで慣れていない」などとは言えない。

 

 …話を戻す。


 村の開拓に大きく貢献したことで畏怖されつつも、美女が村の一員として迎え入れられて暫くが経ったある日のこと。


 村で暮らす美女の元に、紙で作られた鳥が何処からかやって来た。

 それを偶然目撃した村人の話によると、それは手紙のようなものであったらしい。


 それから数日後のこと。

 美女は当時乳飲み子がいたソーナの母親にニーニャを預け、行先も理由も告げること無く村を去って行ったそうだ。

 

 それから時が経ちニーニャが奴隷として村を去るその時まで、ニーニャの母親と思わしき美女からの音沙汰は一切無かったという…。



見馴れぬ衣服…、火の魔法『火輪』…。

勘の良い方はニーニャ母(仮)の正体が分かるかも?



いつも読んでいただきありがとうございます。


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