六話め
本編はこれで完結です。次話はおまけで変人まとめの回。読まなくても問題なし。
10分後に投稿しますので、興味のある方だけお越しくださいませ。
後日、太田の次のターゲットにされかけた田中がやってきた。
「西野さんの言う通りだったよ。教えてくれてありがとうね。ヤバいのに関わるとこだったわ」
「去年はそんなふうには見えなかったから、仕方ないよ。わたしも経験しなかったらわかんなかったしねえ」
めぐみが話していると、瀬戸と佐藤も気がついてそばに寄ってきた。
「なになにー、どうしたの?」
「太田のことだよ」
「ああ、今度はあんたが声かけられたんだっけ? ねえ、気をつけたほうがいいよ。太田のクラスメイトでウザいヤツいたから〜」
「何があったの?」
澤田だか沢村の話をすると、田中は驚いていた。
「え、まさか、クラスメイトなのに、太田に騙されたの? 何人かに聞いたけど、皆知ってたよ?」
「頭悪いんじゃない?」
「アホなんだよ」
瀬戸と佐藤が遠慮なくこき下ろす。田中もうわあと顔をしかめて引き気味である。
「太田もだけど、そいつも変なヤツだね」
田中も言いがかりつけてきた澤田だか沢村には興味がないようで、そいつ呼びだ。
誰もそれを気にすることなく、「二組ってヤバいのしかいないの?」と顔をしかめている。
「それとも、一クラス挟んでるからバレないと思ってたのかな?」
「まっさか〜」
「いや、わかんないよ。バカとアホなんだから」
田中が大きく頷いた。
「よし、クラスの子に話しておくよ。他の子が被害に遭ったらかわいそうだからね!」
「そうしたほうがいいよ」
「もう太田には関わらないほうがいいよ。嘘つきだから何言われるかわかんないし」
「うん、廊下で会ってもシカトするよ! キモいもんね」
田中は元気よくクラスに戻って行った。
田中が声掛けすれば、太田を無視する相手がいるかもしれないが、そもそも太田は加害者だ。しかも、しつこくてストーカーっぽいとなれば、気持ち悪いし誰も関わり合いたくないだろう。自業自得だな。
まあ、同じクラスに澤田だか沢村がいるから、何も問題はない。太田が泣いたからと、わざわざめぐみに文句を言いに来たのだ。一度も話したこともない無関係な相手なのに、だ。
どんな間柄なのかは知らないが、泣く太田を心配するくらいなんだから、太田がまた泣けば彼女が面倒を見ればよいのだ。
そもそも、クラスが違うのだし、関わりを避けたかったらめぐみには簡単にできる。
後はし〜らない、一抜けた〜、とめぐみは太田をお節介な人間に放り投げることにした。
後日、太田がクラスで孤立している、と田中が報告してきたが、めぐみにはもう興味も関心も何もない。
「へえ〜、そうなんだ」と聞き流して終わった。
変人エンカウント4・太田美沙
変人レベル5
男子に媚びるのに平気で友人?でも利用する。問題が起こっても泣けば済むと思っている。
一度、とっちめられたのに懲りない。同じことを繰り返そうとするとか、案外、メンタルは強靭かもしれない。
頭は虫でも湧いてるのかと疑問に思うレベル。二度と関わり合いになりたくない人間。
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