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悪役令嬢、謎の実力者

バシュバシュバシュッ!

飛び散る血。


かなり長い時活動を続けていた。

そのため、


「むぅ。そろそろ睡眠を取った方が良いな」


そろそろ眠らないと次の日に支障が出そうな時間になってしまった。

クレアは、クラウンのモノたちを探す。


 ーーあら?何処だったかしら?割と遠くに来ちゃったから、元の場所が………もしかして、

もしかしなくても、


 ーー私、迷子?

迷子である。


「………仕方ない。探すか」


クレアは高いところに上ったりしつつ、クラウンの仲間を探す。

ついでに、見つけた敵の拠点を潰していく。


「いないな」


見つからない。

クレアはちょびっとだけ不安になった。


「本当に見つからない。どこだ?どこにいる?」


クレアはキョロキョロと周りを見回しながら、クラウンの仲間たちを探す。

近くに目印になるようなモノでもあれば、ここがどこか分かるのだが、木しかない。


「くっ!村でも見えてくれば話は変わってくるんだが」


クレアは顔を歪ませながら、森をかける。

だが、本当に何もない。


「……あぁ!仕方ない!!」


クレアの焦りは、だんだんと高まっていき、使いたくなかった手段を使うところまで追い詰められる。

クレアは地面に手をつき、


トンッ!

思い切り地面を蹴る。


一瞬にしてクレアの身体は空中へ。

 ーーこの高さからなら、探せるはず。


落ちる前に素速く周りを見渡し、仲間たちを探す。

 ーーこっちは違う!あっちもいない!………あっ!いたっ!!


見つけた。

クレアは心の底から安堵する。


すぐに仲間の元へかけだそうと、足に力を入れ、


「っ!?」


横へ転がった。

直後、


シュッ!

と、飛んできた矢が横切る。


クレアは矢の飛んできた方向を睨んだ。

 ーーかなり遠くから狙ってきた。クラウンの子たちで対応できるかは分からないわね。ここで私が仕留めるべきかしら。


クレアは早く帰りたいが、仲間の命には代えられないと考え敵を殺すためにかけだした。

……今度は道に迷わないよう、きちんと目印も付けてある。


「はっ!」


クレアは加護の力で敵の首を切り落とそうとする。

が、


「ふんっ!」


敵が手を掲げると、加護の攻撃が消滅した。

 ーー面倒な敵ねぇ。時間がないって言うのに。


イラつくが、それで待ってくれる敵ではない。さらに連続で矢が飛んでくる。

クレアはそれを見て、


「ふっ!」


矢を手で掴み、投げ返した。

掴んだ状態で遠心力を付けるように回して、投げ返したのだ。


矢を無理矢理止めずに進行方向を誘導するだけなので、そこまで難しくはない。

………クレア基準では。


「っ!?」


矢を返した先からうめき声のようなモノが聞こえる。

どうやら矢が刺さったらしい。


 ーーただ、あんまり急所に刺さったとは思えないわね。慎重に行きましょう。

クレアは魔力を探って敵の位置を感じつつ、敵の攻撃に意識を集中させる。


シュンッ!

また矢が飛んでくる。


クレアはそれを難なく避ける。

が、


「追加、か」


いつの間にか後ろから飛んできた矢は、

 ーー避けられないとでも、思ったのかしら!


クレアは無理矢理身体を捻り、側転のようなモノをしながら矢を躱す。

そうしながら地面の石を拾い、


「はっ!」


全力投球。

投げる方向は、後ろから矢を放ってきた方だ。


ガンッ!

「ぐぅ!?」


かたい音がした後、うめき声が聞こえた。

 ーーーかたい音?鎧でも着てるのかしら?


投げた後、クレアは森の中をかける。

そして、


「はっ!?」


後ろから矢を放ってきたモノを発見し、奇襲をしかげた。

 ーーこっちは、あまり索敵能力は高くないようね。


「のわっ!?」


弓矢を持っていた1人はクレアに気付かず、突き飛ばされる。

突き飛ばされると、その勢いのまま、後ろにあった木にぶつかった。


更にクレアはその敵に近づき、

 ーーコレでとどめね。それじゃあ、さよなら。………って、あれ?


「ちっ!」

ドスンッ!


気に掛かることがあり、クレアは敵の顔面にヒットしそうだった拳をギリギリでそらす。

そらされた拳は後ろの木にぶつかり、その木は拳の当たったところからポッキリと折れた。


「………貴様、何者だ」


「っ!?」


クレアは敵の首に剣を置いた。

だが、敵はこちらを睨み付けてくるだけ。


「そうか、なら、他のヤツに聞くか」


「っ!?」


クレアはガタイの良い敵を無理矢理抱き起こし、手を後ろで拘束して喉元に剣を当てた。

人質をとる時の構図である。


「出てこい。コイツを殺すぞ」


拘束している敵の喉に剣を突きつけながら、周りに呼びかける。

通常なら、訓練を受けた人間なら関係なく攻撃してくるだろう。


だが、クレアの予想通りなら、


ガサガサッ。

「………ちっ!なんのつもりだ?」


もう1人の敵が出てきた。

 ーーなるほど。この2人かぁ」


「貴様たちは、涙角か?」


クレアは目の前の男を見ながら尋ねる。

押さえているもう1人の敵は必死に抜け出そうとしているが、クレアの高いステータスから逃れることは出来ない。


「涙角?違うな。組織には所属していない」


敵はそう言いながらクレアを睨み付けてきた。

 ーーあぁ~。怖い怖いぃ~。


適当にそう思いつつ魔力の感知に集中する。

 ーーもう1人くらいいると思ってたけど、いないみたいね。


ほかの仲間がいないことを確認できればある程度こちらに集中できる。

ということでまず、


「貴様らの目的はなんだ?」


クレアは目的を尋ねてみる。

 ーーコレが分かれば、色々と秘密が解き明かせそうね。


「目的?俺たちは、」


そこまで言った直後だった。

敵の手元が光る。


 ーーあぁ。光で相手の目をひるませようって考えね。

クレアはそう考え、


「ふっ!」


拘束していた敵を蹴り飛ばした。

拘束されていたがたいの良い敵が、もう1人の敵の男に突っ込んでいく。


拘束解除で必死になっていたため、唐突なその動きに反応できずそのまま真正面の敵に激突する形となり、


ドシャッ!

「「グボッ!?」」


ぶつかるところを確認してから、クレアは背を向けてかけだした。

 ーーさぁて。少し遅くなっちゃったわね。急いで帰らないと。


クレアは当初の予定通り仲間の元に向かった。

そして帰ることを伝え、言葉通り寮へ直行する。




次の日。


「……ふわぁ~」


クレアはあくびをして、伸びをする。

まだ少し眠い。


 ーーうぅん。頑張って走って帰ったけど、結局遅くなっちゃったからねぇ。

クレアは昨日のことを思いだした。


「……予想外のことが起きてるわね。聖女が来て大変な時期だって言うのに」


クレアはそう言っているが、顔には笑みが浮かんでいた。

この状況を楽しんでいるのである。


ゲームの知識を持っているだろう聖女に、闇の勢力の抗争、そして、ゲームには出てこなかった知らない設定の数々。

クレアの予想外のことが、次々と起きているのだ。


この感覚は、とても久しぶりの感覚。

次々とやってくる波を上手く乗りこなすこの感覚は、前世以来だ。


「柄にもなく燃えてきたわね。とりあえず、今日も頑張りましょう」


クレアは立ち上がる。

そして、部屋の扉に手をかけた。


「おはよう」


「あっ!クレアちゃん!おはよう!!」

「クレア。おはよう」


エリーが起きてくると、珍しい組み合わせの2人がいた。

その組み合わせは、ハイロラとアンナリム。


普段はハイロラとガガーラナ。

そしてアンナリムとギービーという組み合わせが多いのだが、お互い相方がいないようだ。

 ーー寝坊でしょうね。


「2人はまだ部屋よね?」


「うん。2人とも起きてきてないみたい」

「ここは寝心地が悪かったからね。それも仕方ないかも知れないよ」


寝心地が悪いから、という理由で2人は納得しているようだ。

 ーー部屋を変えたばかりだから、寝心地が悪いという理由がしっくりくるのかもしれないわね。


「なら、2人を待ちつつご飯でも食べましょうか」


「そうだね!」

「食べてる間には起きてくるかな?」


そうして朝食を取り始めてから数分。


「……おはようッス」

「おは、よう」


ギービーとガガーラナがやってきた。

目の下にはクマができており、かなり眠そうだ。


「おはよう。2人とも」

「顔色悪いねぇ。大丈夫?」

「やっぱり、よく寝れなかったの?」


クレアたちが挨拶を返すと、一瞬2人は困った笑みを浮かべた。

だが、すぐに頷いて、同意を示した。


「そ、そうなんスよねぇ」

「ベットが最悪だった」


2人はそう言うが、クレアはそれが事実ではないことを知っている。

 ーー昨日私に矢を放っておいて、何を言ってるのかしらねぇ?


クレアはそう思いつつも、2人に笑みを浮かべておいた。

攻めるのは今ではない。


 ーーふふっ。あんな所で何をしていたのか。きっちり話して貰わないと。

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