あとがき
ラストです!!
物語の振り返りやその後など、いろいろ詰めたら長くなってしまいました。
読者の方に感謝の気持ちを込めて。
――作者のことば――
2006年12月11日から始まり、約半年。毎日更新を掲げて書いてきた「たとえばそこに、愛という名の肩書き」をご愛読いただきまして、ありがとうございます!!
というか、最初は100話まで書こう!!と思ってただけなので、まさかこんなに目標をブッち切るとは思ってもいなかったんです。
思えば連載の間はいろいろありまして、卒業し、社会人になり、スランプを迎え。
友だちには「ドラマじゃん」と言われ、「そうだよ月9狙ってるんだよ!!」という訳の分からない答えを返したりもしました。
連載中、感想や評価くださった読者の方々!!何気にツライ毎日連載の励みになりました。本当に感謝しています。
――「たと愛」裏話――
登場人物と「その後」を紹介します。
◇ユーキ・吉倉光姫◇
本編最後まで朱葵に「光姫」と呼ばれていなかったユーキ。おまけではあえて出しときました。
イメージは長谷川京子さん。となるとそっくりな姉も長谷川京子さん。ちなみに結姫は昔の、前髪つくってたときのイメージです。何となく分かっていただけるでしょうか? 「かわいい」と「美人」の違いです。
◇青山朱葵◇
イメージ俳優は特にないんですが、長身で爽やかな芸能人を想像してください。それが朱葵です。
28歳になっても子供みたいな口調でした。ユーキといるときの年下っぽさを出そうと思ったら、喋り方が何だか可愛くなってました。初めはもっとクールなはずだったんです。朱葵初登場の第3話はまだそのクールさがありますよね。たった1回限りでした。
◇樹◇
樹は谷原章介さんをちょっとホストっぽく、悪っぽくした感じです。最後までユーキのよき理解者であり、夜の帝王でした。
◇有紗◇
こんなに物語に加わってくるとは・・・・・・。イメージは矢田亜希子さん。可愛くてキャバクラなんて縁のないように見える子です。
最初に出して、そこだけの子のはずでした。それが今や六本木ナンバーワン。有紗も物語の中で成長しましたね。
ちなみに整形ネタは番外編を書くまではなかった設定。完璧思いつきでした。
◇東堂雄一◇ ※ここからイメージタレントいません(笑)
名前出したのに誰も呼んでくれませんでした。
東堂は最後らへん出番少なかったんですが、その後、朱葵からユーキを待つということを聞かされます。「東堂さん、ありがとう」の言葉に不覚にも笑顔になってしまう、という。のちに自身にも愛する癒し系彼女ができます。
実は最初の設定では、東堂は2人を邪魔する存在でした。だけどいつからか、2人を守る人になっていました。けどそれで良かったんじゃないかなと。
◇桐野 和登◇
出番は前半〜中盤でした。原宿のカリスマ美容師をイメージ。朱葵のお兄さん的役割として、2人をくっつけてくれました。ちょっと前までは遊んでましたが、モデルの彼女と真剣なお付き合いを経て、できちゃった結婚。一児のパパです。
◇夏野 心◇
ユーキに積極的なアプローチをするはずだった彼。こんなに出番が少なくなってしまいました。
実は!!ドラマで共演したユリと、その後付き合います。だけど2人とも売れてくるにつれて、1年半後に破局・・・。
◇他にも物語の中でたくさんの人物が生まれました◇
愛・警備員(秋山勝壱)・真咲ユリ・紅林・吉倉結姫・稜・桜田園・釈師長・・・
【いろいろな「その後」】
・樹×有紗→樹が予感した通り、2人はずっと一緒にいます。樹が35歳のとき、付き合い0日にしてプロポーズ、そして結婚。有紗は28歳でキャバクラを辞め、樹の仕事を支えます。
・秋山×園→「芸能人は分からない」と朱葵に話していた秋山。実は、園が大女優になっているのを知っていました。一方、園も、警備員が秋山だと気づいています。だけど園はすでに結婚、孫までいます。もう一度恋人に、というわけにはいきませんが、のちに2人きりで話す機会があり、和解。この2人のその後は番外編で書きたかったうちのひとつでした。
・愛×剣斗→小学6年生の2人。これも何年後かの話を番外編で書きたかった。20歳のとき、剣斗は病気でこの世を去ります。気持ちの通じ合っていた2人。愛は剣斗を想いつつ、人を愛することを知り、想いを引きずらないように生きることを決めます。
・結姫×稜→2週間後に退院した結姫は、樹に、稜のことを聞かされます。そして2人は警察病院に向かい、再会。この2人も続きを書きたかった。警察病院を出た稜は、結姫と一緒に暮らし、結姫に支えられながら生きていきます。
この物語に登場したすべての人が、どんな形でも幸せであるように願った結末です。
――おまけ 〜ユーキと朱葵の「その後」〜 ――
くだらない思いつきネタです。2本立て。
1、最終回続き。ユーキは朱葵の帰りを空港で待っていた・・・・・・。
成田空港はいつも人が多いけれど、今日は特別、な気がする。皆、青山朱葵を待っている。
ユーキも、朱葵を待っていた。世界に羽ばたいた朱葵が、自分のもとへ戻ってくるのを。
するとそこに、朱葵が、現れた。一斉にフラッシュがたかれ、朱葵は取材陣に囲まれる。朱葵はそれらを押しのけ、出発前、「空港で待っててあげる」と言ってくれたユーキの姿を探す。
ユーキはどんな顔をしているだろうか。世界を前にしてのプロポーズを、ユーキは、どれだけ喜んでくれているだろうか。
朱葵は、密かに買っておいた婚約指輪を上着のポケットに忍ばせて、辺りを見回した。今度は日本中見ている前で、再度プロポーズをして、2人の仲を公表する、というのが、朱葵の考えだったのだ。
「あっ、ユーキさん!!」
朱葵がユーキを見つけると、報道陣もそっちを見た。朱葵は走り出し、ユーキだけを見つめて、向かっていく。ユーキも「朱葵くん!!」と叫びながら、朱葵のほうへ向かう。
あの夜明けにも似た、眩しい光の輝きに照らされて、朱葵とユーキは抱き合った・・・・・・のではなく、ユーキが、言った。
「朱葵くんのばか!! なんてこと言うのよ!!」
「えぇ〜?!」
2、結婚して1年・・・・・・。
「ただいま、ユーキさん」
「おかえり朱葵くん。・・・・・・ねぇ、いい加減『ユーキさん』て、やめない? あたしはもうユーキじゃないのに」
「だって、ユーキさんが言ったんだよ。『出会った頃からユーキだったから、そのままがいい』って」
「そうだけど・・・・・・」
朱葵は勝ち誇ったような顔をして、困惑するユーキを見つめる。
「どうして今さら? ユーキさんって呼び始めてもう10年になるのに」
するとユーキは、上目づかいでちらりと朱葵を見た。
「・・・・・・どうしてもユーキって呼ぶ?」
「うん」
ユーキの困った顔は何だか可愛くて、朱葵はつい、意地になった。そう。本当は、そんなつもりではなかったのに。
「ユーキさんが何て言おうと、俺はユーキさんって呼び続けるからね」
朱葵は、ユーキの困った顔が見たかった・・・・・・だけだったのに。
ユーキはキッ、と、朱葵を睨み、そのあとすぐ、にっこりと、笑った。
「あたしね、赤ちゃんができたの」
「・・・・・・え?」
「女の子でも男の子でも「ゆうき」って名前にしたいの。朱葵くんがあたしを呼び続けるってことは、自分の子供をさん付けで呼んでるってことになるのよ。ばっかみたい」
「ちょっ、待ってよ。今の本当?」
「知〜らない」
今度はユーキがぷいっと、勝ち誇ったように顔を背けた。
「ちょっと、ユーキさん」
「あ、動いた。ほら朱葵くん。ゆうきが返事したわよ」
「光姫さん!!」
くだらなくてすいません・・・・・・。
これがユーキ×朱葵の「その後」です。2人は幸せな未来を過ごしています。
この作品を読んでくださった皆様にも最大限の感謝を込めて!!
本当に、本当にありがとうございました!!
現在は「桜サク夏」という、これまた恋愛小説を書いています。
初めての学園モノ連載。興味があったらぜひのぞいてみてください。
ご愛読ありがとうございました。