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固有スキル【交換】でいらないものを邪魔者に押し付けて成り上がります!  作者: 気まぐれ@ハズリバ2巻、コミカライズ1巻
S級昇格編

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第99話 レジスタンス

 やがて追っ手を振り切った後で、レジスタンスが話しかけてくる。


「なぜ助けてくれたのだ? 我々の協力者か?」


「いや、まあ相手の方が凶悪そうに見えたので」


 そして僕は帝国の冒険ギルドで作ったフェイクの名前が入ったカードを見せる。


「……ただの冒険者か。我々は人手が必要だ。協力せぬか?」


「興味あります」


「なら、ついてこい」




 しばらくするとそりたつ岩の壁の前までくる。


『ダンジョンマスターが許可する』  


 と、どこかで聞いたような言葉が響いてきた。


 そういうと景色が歪み、人工の建物の中に移動していた。


「驚いたであろう?」


「ええ、まあ」


 実は以前にも王国で経験している。

 いくつかの扉をくぐって案内されたが、どうもこの【ダンジョンマスター】はいくつものダンジョンを支配下においているようだ。

 王国の者とはスキルの練度が違う。


 そして、案内された先には青髪の青年がいた。


「ご苦労。その者は?」


 青髪の青年が問う。


「辺境軍に追われているところを助けられました。冒険者のフェイク殿です。無詠唱で魔法を放ちましたので戦力になるかと思い連れて参りました、リーダー」


 リーダーと呼ばれた人間は僕をじっと見る。

 そして、リーダーの隣にいる男が僕を見た後、リーダーに何かを小声で話した。


「貴様、この国の人間ではないな」


 リーダーの隣にいた人間が僕に向かって言う。

 居並ぶ人間がみな殺気立つ。

 同時に、リーダー以外のスキル、ステータスが見えるようになった。


 このリーダーの隣にいる屈強な男はシラーといい、【真実の眼】というスキルを持っていて、これは対象の嘘を見破り本当のことがわかるというものだ。

 僕が偽名のフェイクを名乗っていることと、容姿を誤魔化していたので本名がバレて、【ステルスサーチ】による容姿の偽装も強制的に解除された。

 まさかそんなスキルがあるなんて。

 油断した。



「クラウス=オルランド、か。帝国や王国の貴族、聖メルティア教国の中にそんな者は居なかったはずだ。何が目的だ?」


 リーダーが言う。

 僕は最近叙爵されたばかりだし、レジスタンスなら最新の情報がすぐに手に入るわけでもないのだろう。


「目的は…… この国のレジスタンスがどんなものか知っておこうと思った個人的な判断からです」


「我々を辺境軍から助けたのはなぜだ? 帝国と対立するとなると、王国の手のものか? それとも本当に我らに共感したのか?」


 僕を案内してきたのはダリルという。

 名乗ってはいないが、シラーの思考から読み取った。

 ダリルは助けてもらった恩と疑惑の狭間で思考が揺れ動いていて、ダリルの発言はなんとも中途半端なものになっていた。


「助けたのは、ダリルさん達が捕まるとせっかくムーラン山地まで来たのにレジスタンスの様子を知ることが出来なくなるからというだけです。この国のことはこの国の人間が決めるべきだと思うので、僕は何もするつもりはありません」


 リーダーが変わらず僕をじっと見ている。


「クラウスよ、この国は皇帝の独裁により疲弊しきっている。帝都は王国をも凌ぐ豪華さを誇ってはいるが、それ以外は王国よりはるかに貧しく虐げられている。このような状態がいつまでも続くはずがない。我々はそんな国を憂い、嘆き、変えようとしているのだ。お主も心ある者なら賛同するだろう。国は違えども意思を同じくするなら迎え入れようではないか」


「……なるほど、これが【天性のカリスマ】ですか。確かに思わず従いたくなる。前皇帝の妾の子、現皇帝の腹違いの弟がレジスタンスをまとめていたというのは本当だったんですね。()()()()()()()()()殿()()


「殿下と呼ぶな。私はいずれ帝国を倒し解体する。そして統治者を皆で定期的に選び出す形に変えようと考えているのだ」


 なるほど。

 考えてみれば、王や皇帝がなぜその位置にいるのか、根拠がないな。

 いや、建国の昔にはあったかもしれないが、今となってはもはやわからない。


 ……おっと、【天性のカリスマ】の効果に僕も絆されかけているようだ。

 気をつけないと。


「さっきも言いましたが、この国のことはこの国の人達で決めるべきです。だから、僕は何もするつもりはありません。僕の国に累が及ばない限り」


「この者の言葉に偽りはありません」


 シラーが言う。


「だが、我らの事を知ってしまい、【天性のカリスマ】でも惹かれないのであればタダでは帰せんな。この場所のことを喋られても困る。全くダリル、助けてもらって恩に感じているのはわかるが、得体の知れない者を連れてくるなど迂闊がすぎるぞ」


 続くシラーの言葉にダリルが青ざめる。


「僕もレジスタンスの様子が分かりましたし、もう帰りますね」


「「バインドチェーン!」」


 【捕縛術】により僕を捕まえようとするが、主に器用に依存するスキルなので、当然というか僕には効かない。

 鎖を軽く振り払うと、【ステルスサーチ】のラナウェイでその場から逃げ出す。

 追いかけてきた者を引き離したあと、転移で自分の家に戻ってきた。


 これで多分大丈夫だろう。

 ただ、【ダンジョンマスター】は、ダンジョン内にいる人間を把握できるので、すぐに僕がどこかに消えたことがわかる。

 【ダンジョンマスター】は、入場だけでなく外出も禁止できるが、【時空魔法】による転移ならそれも関係ない。


 

 帰ってきた僕は、エリアを通じて陛下にレジスタンスであった出来事を報告した。



 いつもお読みいただきありがとうございます!

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