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固有スキル【交換】でいらないものを邪魔者に押し付けて成り上がります!  作者: 気まぐれ@ハズリバ2巻、コミカライズ1巻
S級昇格編

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第98話 交易路の開通 

 決闘は僕の勝利で終わった。

 なのに、試合に勝って勝負に負けた感がするのはなぜだ。


 去っていく二人を複雑な気持ちで見送る僕にエリアがさりげなく近付いてくる。


「物語みたいな二人でしたわね」


「そうだね」


 僕は静かに生命結界を解除した。




◇◇◇




 決闘の内容はその場にいた者により広められ、やがて平民の間で流行して歌になり本になり一年もしないうちに演劇にまでなった。

 題名はそのまんまの『真実の愛』。


 後日エリアと見に行ったが、劇中の主人公のライバル役(元になったのは僕)は武技のみの決闘において卑怯にも隠れて魔法を使い主人公を追い詰めていた。

 そして主人公とそれをずっと陰ながら慕っていた幼馴染の愛の力により隠されたスキルが解放されライバルを正々堂々と打ち倒す、という筋書きに変わっていた。


「大丈夫よ、あくまで演劇なのだから。真実は別のところにあるのよ」


 とエリアは言ってくれたが、なんかまた何かに負けた気がしていた。


 もしかして、英雄譚ってこんな感じで脚色されているのか? 

 もしかしたら歴史書の類も? 

 ちょっと出版物に不信感を持ってしまうことになった。




◇◇◇




 カイル帝国に書状を届けたはずだが、特に反応はなかった。

 もし開拓に異議があったら連絡されたし、としていたので多分大丈夫なんだろう。

 皇帝が絵空事、と切り捨てた可能性もなくはないが。



 というわけで、交易路開通の続きだ。

 街道はクレミアン商会のウォーレンさん主導の元、半分くらい出来つつあり街道の両脇には早くも宿泊施設や物販施設がいくつかできていた。



 未舗装の街道に立ち、東側に向かって、グランドシェイカー、ウインドカッター、ディメンジョンボックス、ファイアボール、コールグラウンドを使う。

 大量の魔石も僕のディメンジョンボックスに吸い込まれていく。

 そして対魔結界を展開し交易路を保護する。


 転移でカイル帝国側に移動すると以前交渉した砦の少し北側の空き地に着いた。

 うん、いい感じだ。

 帝国側に近い部分の交易路にはさらに対人障壁を張っておく。

 まだ交易も何も決まってないのに人を往来させるわけにはいかない。


「貴様、そこで何をしている!」


 巡回の兵士に見つかる。

 当然だよな?


「ええと、ザンボー将軍閣下に会いに来ました。クラウス=オルランドと言います。クラウスという名を告げていただければわかると思います」


「黙れ! そんな戯れ言を聞くと思うか! 死にたくなければ大人しくしろ!」


 別に暴れてないんだけど。


 問答無用で連れて行かれようとされかけたところで、砦の副官が現れた。


「何を騒いでいる! あっ!」



 あっ、て何だよ。

 脅しすぎたかな?



「クラウス殿、此度は何用でございましょうか?」


 副官は部下の手前、冷静を装って尋ねてくる。


「お久しぶりです。交易路を開通しましたので、先に見にきたのです」


「本当だ……。まさかこちらはクラウス殿お一人で?」


「秘密です」


 最初に僕に詰問していた兵士が交易路に入ろうとするが……


「道ができているぞ! いてっ! なんだこれは……」


 対人障壁に阻まれて入れない。

 ちゃんと結界が機能しているようだ。


「あの、道は作りましたが、出入国の条件とか交易の条件が決まってないので、まだ入れないようにしています。それで、ザンボー将軍はいらっしゃいますか?」


「ああ、いるぞ。案内しよう」



 砦の指揮官室に案内される。

 来るのは2回目だ。



「ようこそおいでいただきました、クラウス=オルランド伯爵殿。聞けば王国側で魔の聖域の魔物を撃退されていたとのこと。貴殿の武勇を知らず前回の非礼をあらためて詫びましょう」


「これは丁寧に、ザンボー将軍閣下。今回の件ですが、先ほど交易路を帝国側まで繋ぎましたのでご報告に参った次第です」


「なんと……」


「先程私の目で確かめて参りました、閣下」


 副官さんが補足する。


「そうか。では早速陛下にご報告せねばな。ただクラウス殿、一つ問題があってな。どうも陛下は先の書状を信じておられぬようで、内容は捨て置かれているとのことだ」


「ああ、それで返事がなかったのですね」


「確かめようにも魔の聖域の深部に立ち入ることが難しいものでな」


「そうでしたか。しかるのちあらためて我が国王陛下より書状をお渡しすることになろうかと思います。その時はまたよろしくお願いいたします」


「あいわかった」


 もう帰ろうかな、と思ったとき。


「閣下、失礼いたします」


「どうした、客人が来ているというのに」


「はっ、それが……」


 報告にきた将軍の部下はこちらをチラ見する。

 ここは多分空気を読まなきゃいけないところだ。


「ザンボー将軍閣下、僕の用事は終わりましたのでこれで失礼します」


「すまぬ、クラウス殿」


 


 そして、僕は部屋を出るが、すぐに時空魔法で存在を隠して将軍達の話を聞いてみる。


「閣下、レジスタンスが東のムーラン山地に現れました」


「レジスタンスか…… 陛下に逆らう愚か者どもが。魔の聖域からの守護も忙しいのに仕事を増やしよって」


「奴らは全国的に範囲を広げております。とうとうこの地の近くまで現れるようになりました」


「そうか。兵を差し向けろ。どうせ大した力はないだろうが」


「はっ」




 レジスタンス、ねえ……。

 他国のことだから別に何か思うところがあるわけではないが、陛下ができるだけカイル帝国を見ておけ、と言っていたしちょっと探ってみるか。



◇◇◇



 次の日、ムーラン山地に向かう。

 ちょうど辺境軍とレジスタンスが戦っている様子だったがレジスタンスが敗走しているところだった。

 装備からして違うからね。

 レジスタンスが勝てるとは到底思えない。


 逃げる集団についていくと追撃の辺境軍に追いつかれてしまった。

 これだとレジスタンスを拝めなくなるので、僕は【ステルスサーチ】で金髪に姿を変えて両者の前に現れる。


「スパークリングバブル!」


 【中級水魔法】の短時間の麻痺の効果を持つさせる泡を発生させ、辺境軍の動きを止める。

 確率で麻痺を発生させる魔法だが、僕のステータスだとほぼ必中だ。


「早く逃げましょう!」


「……助かる」


 僕がとりあえずの敵ではないと判断したレジスタンスは、さらに山奥へ逃げ、僕も着いていく。



 いつもお読みいただきありがとうございます!

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