42/70
42
信一は、協会の仕事を神父として行っていたが、根幹の仕事は祖父がしていた。衣食住に不自由は、していないが車の免許は持っていても、車は所有していなかった。ちなみに免許は自動車学校に祖父に通わせてもらい、取得していた。
信一は、この時、祖父を何かオゾマシク感じはじめていた。
祖父、柴崎 正山を。
ここで、柴崎 信一と、柴崎 正山、そして柴崎家のことを大方、説明しよう。
柴崎 正山は、この協会に産まれ、神父として育った。正山は結婚して息子が産まれる。一人息子だった。妻は元々、身体が弱く出産後に大きく体調を崩し他界する。
その一人息子が信一の父にあたるわけだ。その正山の息子も神父になり、結婚。そして信一が産まれる。
それから、ある悲劇が起こる。悲劇が。




