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吸血鬼の住む城(7)

部屋から脱出した俺達はとりあえず通路を進んでいく。後ろからはキャロルが暴れているのだろう、凄まじい物音が響いている。今のうちに距離を稼いでおかないとまずいなこりゃ。そう思うのだが中々体が思うように進まない。先程の吸血がやはり体に響いているようだ。


「お、お兄さん……ごめんなさい。私たちのせいで……」


そんな俺を見てアイナがそう小さな声で言った。顔を見てみると少しだけ涙目になっていた。彼女も色々といっぱいいっぱいなのだろう。無理もない、実の姉にあんなことを言われたのだから。


「だ、大丈夫だよ。きっとなんとかなるって」


こんな状況でなんて言っていいかわからずとりあえずそうベタに励ます。根拠もなければ自信もない。もしかしたら今のセリフは自分自身にも言い聞かせていたのかもしれない。

そう思っていた時だった、あの部屋からだいぶ離れているにもかかわらず、通路の中にひときは大きい物音が響き渡った。


「い、今の音は……」


「お姉ちゃんが部屋から出てきたんだわ!」


ついに来やがったか! できることならもう少し距離を稼ぎたかったがしょうがない。とにかく見つからないように進んでいくしかないな。


「早くシェリルさんを見つけないと……」


情けないが俺達だけではどうすることもできない。ここは裏シェリルさんに頼るしかない。

動かしづらい体を煩わしく思いながら俺達は薄暗い通路を進んでいく。





一方その頃、


「うーんと、今度はこっちですね」


シェリルはケルベロスの道標を片手にもちひたすら赤い矢印の指し示す方向を進んでいた。先程から随分と城の中を進んできたが一向に目標が見えてくる気配はない。

魔王城よりは小さいと思っていましたがそれでもやはりかなり大きいのですね、このお城。

そう思いながらいくつもの扉をくぐり通路をどんどん進んでいく。相変わらず矢印は色々な方向に動いている。

その指し示す方向に従って何十回目であろう扉を開いた時だった、


「あれ? これは……」


また同じように通路が続くものだと思っていたが、そこにあったのは下へと伸びているひとつの階段であった。階段の先は薄暗くどこに続いているのかは分からない。


「一体どこに続いているのでしょうか?」


ケルベロスの道標を見ると赤い矢印はこの階段の先を指し示すようになっていた。


「この先に佐藤さんが……」


シェリルは少しだけ薄暗い階段を不気味に思っていたが、この先に目標があると示されたからには行くしかなかった。

壁に手をついてゆっくりと階段を下っていく。どんどん降りていくと徐々に空気がひんやりと冷たくなっていき、先程来た場所とは全く違う異様な雰囲気が辺りを漂い始めていた。


「うぅ~……何だかここ嫌な感じがする~……」


下に降りていくほどシェリルは心細くなっていき、目尻にうっすら涙を貯めていた。





しばらく進んでいくとやっと階段が無くなりその先にはひとつの扉がそびえ立っていた。


「また扉ですか……」


開けたらまた階段とかだったら嫌だなー……。そう思いながらシェリルは恐る恐る扉を開けた。

ギィィ……と軋む音を立てながら扉は開いていく。そしてその先には薄暗い通路が広がっていた。


「階段じゃなくて良かったですけど……うぅ~、また通路ですか……」


本当にどれだけ広いのでしょうかこのお城は……。そう肩を落としながらシェリルは再び薄暗い通路を歩き出した。








その頃佐藤たちは、


「がああああああああああああ!!」


「うおおっ!! なんか叫んでいらっしゃる!!」


どこからともなく聞こえてくるキャロルの叫び声にビクビクしながらも通路を進んでいた。アイナによれば今いるこのフロアから抜け出せる階段につながる扉がどこかにあるらしい。俺達はとりあえずそこを目指していた。

徐々に体も回復してきたのか先程よりは進む速さが上がっているように思える。

しかし、まぁなんだ。追われる恐怖っていうのはここまですごいものなのか。今まで味わったことがなかったから知らなかったが……というかできることなら知りたくなかった。


「なぁ、アイナ。方向はこっちであってるんだよな?」


「はい、確かこっちにあったはずです」


アイナに道を示してもらいながら扉のある方向へと進んでいく。どうかこのままキャロルに見つかりませんように。俺はそう願った。

お久しぶりの投稿です。

そして今日は茶色くて甘いあんちくしょうが所々で見られる日ですね。まぁ、何がとは言いませんが……。

そもそもですよ、別にいつでも食べられるものをわざわざ盛大に日にちまで決めてプレゼントしたりアレンジして作ったりする必要ってあるんでしょうか!!

まぁ、どうせもらえない奴には関係ないだろと言われるのが関の山なんですがね。でもですよ!! たかがチョコ一つで人間の価値が決まるわけでもないのに貰えた貰えないで一喜一憂するのはどうなんでしょうか!!

どうせくれるなら自分はチョコよりお金が欲しいですよ!! ええ、そんなこと言う自分はどうせ夢がないですよ!! でもねチョコなんてすぐに溶けるし食いすぎたら虫歯にだってなるしでいいことの割合があまりないじゃないですか!! だったら……


佐・シ「もういい作者!! もう……休め……」


ちくしょーーーーーー!!バレンタインなんて滅びればいいんだーーーーー!!(以上、負け犬の遠吠えでした)

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