白いガス
時空の調整はどうだい。古びた学校の職員室にある時空調整機を確認した。
いつも管理を任されているのはウサギ型のロボットで、名はフジスケである、ベレー帽がとても可愛らしい。
私は父の世代からテレポートやタイムスリップの研究をし続けている、名はテルスだ。
今日も誤作動なし、そうだ、沙水子はまだ帰ってないな、テルスは沙水子の部屋を覗いた。テルスの部屋は隣の教室で、沙水子の部屋は4.5畳間の談話室である。
どこにいるのかな、学校の玄関の段差に座り、ギターをひき始めた。朝の風が心地いい。
「あ、兄ちゃん姉さんからトーガを受け取りにきた」
「ミーナ、今、沙水子は居ないよ」
「水辺じゃないでしょうか、兄さん、じゃあ二人で出かけに行きなさーい、勝手にトーガ持ってくね」
朝から元気のいいミーナは沙水子の部屋に入りテーブルの上にある新しいトーガを持って家へと去った。
人の場所などが分かるのは人から人への高周波による超音波で情報を受けている。耳につけているイヤリングで受信する仕組みである、未知の存在から送信されるらしい、宇宙人からあるいは宇宙政府などから受信されるなど噂がたちまう奇妙な道具である、名はゴッドエンジェルという。
テルスは学校を出ると木々を通り抜け、小鳥はバサバサと飛び、水辺へ来た。
「沙水子、どうしたんだい?」
「私、死にたかったの、でもね、私」
着物姿の沙水子は水辺で座りこみ、すすり泣いていた。
テルスは沙水子をそっと抱きしめた。
「ヤイクス!ヤイクス!」
と木々の間からフジスケの声が聞こえた。
「ヤイクス、ヤイクス、つまみが取れてひっくり返ったー!」
フジスケが時空調整機のつまみを抱え騒がしく走り回った。
「フジスケ、そんなに焦るな」とテルスが呆れた。
「ああ、二時間後二時間後」
とフジスケは学校へと戻った。
「またスティーブさん家?」
と沙水子はテルスに聞いた。
「ああ、また」時空の調整に少しでもズレがあるたび白ガスが発生する地下へ行けば安全だ。
テルスの周りの家が5件あり、9人住んでいる。
「おはようございます、スティーブさん」
「やあ、テルス、ニンジンを茹でてるんだがねえ、フジスケにあげようかねえ」
とスティーブさんはジャージ姿で台所にいた。
「いや、私はロボットでして電源ならここに」
フジスケはしっぽを引っ張ってコンセプトプラグを出した。
「いやあ、ロボットだったかあ、沙水子さんはいつもキレイだなあ、よっと」
とスティーブさんはベッドに寝転がった。
沙水子はスティーブさんが飼っている白コウモリを嫌っていた。コウモリが気になって仕方がない。
「ニンジン茹でただけ?」
とミーナがスティーブさん家にいつの間にかいた。それはそれはテレポーライトというペン型のもので足元に光を当てれば行きたいところへすぐに行けるという便利なしろものだ。
「このままスープつくるねー」
熱リサイクル型コンロで調理し始めた。
「ゴッドエンジェル、今日も新しいレシピ教えてよ。」
ミーナは調理に困っていた。
「私も手伝おうか」
と沙水子も料理をし始めた。
野菜のスープとサーモンのムニエルとパンを作って四人で食べた。
「ミーナ、アーラは戸井さん家の地下へいるのかね」
「はい、アーラはいつも裸の問題児で」
するとスティーブさんは大笑いしました。
テルスは外が気になって仕方なかった。
フジスケは戸を確認した。
「少し漏れてるぞ」
白いガスが煙のように漏れていた。
フジスケはショックで自動に電源が切れた。
「こりゃあ、戸井さんに連絡する?」
と、テルスがミーナに聞いた。
「アーラ、空次元ボックスに入ってね」
とゴッドエンジェルに話しかけた。
「そろそろ空次元ボックスに入るか」
空次元ボックスとは白い立方体の箱でフタを開けて中に入ると小部屋がたくさんある、特別な避難ボックスである。
食糧などはきっちり備わっている。
「沙水子、大丈夫かい?」
とテルスは沙水子を見つめて言った。
「はい、私、死にたいなど言ってごめんね」
「テルス、沙水子を寝かせておき」
とスティーブは毛布をもってきた。
ミーナは隣の部屋に行きアーラを呼んだ。
「もー、タオルかぶって何してるのー」
アーラはじたばた廊下を行き来した。
「戸井さんごめんねー」
「いえいえ」ミーナは戸井さんの部屋にいる事にした。
「京都に帰りたいわ」
と沙水子は毛布にくるまりながらぶつぶつ独り言を言っていた。
「あぁ、沙水子もうつで大変だなあ」
とスティーブさんとテルスは話をしはじめた。
「いつも、こんな調子じゃないんですけどね」
「そうか、元気か」
「はい、私の服も作ってくれて私は嬉しいです」
「いい彼女だな、今は何の研究をしておるのかね」
「もう、ほとんど出尽くした感じだと」
「そうか、たまには畑の手伝いしてくれよー」
「もうそろそろ大麻の実が実る頃ですね」
「テレポーライトで畑までひとっとびで助かるわぁ」
「本当は飛行機に乗りたいんですよねスティーブさん」
政府はテレポートが誕生したとたん飛行機の飛行を禁止にされた。大麻が世界に解禁されてのびやかになり。Akc宇宙旅行機構が発足し、世界は大きく変わった。
「若い頃は操縦してたなあ、懐かしい、今は乗る気はないな、兄は元気かい?」
「OxPに居るけどなかなか帰ってこないね」
「あぁ、宇宙の研究施設ね、忙しいのか」
電源オン、フジスケは丸まった体を起こした。
「ん、フジスケ一休みするね」
と二人は寝ることにした。
フジスケはハシゴを登ってボックスから外へ出た。
一時煙は消えていた。
フジスケの計算で明日の夕方には外へ出れそうだ。
朝、一番にフジスケは外へ出て空気を確認した。
まだだな。
夕方には外の空気はキレイになっていた。
テルスはテレポーライトで学校に行き、反重力スクーターに乗り町や森林を確認しに行った。
多少は草木が萎れていた抵当だった。
丘にある誰もいない城にテルスが入った。
大広間に入るとハシゴを取りだし天井裏へと入っていった。
中にはグリッド状の青い光が張り巡らせた空間になっていた。
そうだ、今日はあそこ、日本で買い物をしよう。
テレポーライトをグリッドになぞるとそこに四角い穴があいた。
ん、ちょっとまってよ、この数値はまた変なところに通じちゃったか。
テルスがもっているテレポーライトを見て思った。テルスは穴の中へ入っていった。
日本のスーパーにてスナックソーダバーと沙水子が好きな八つ橋を買い、沙水子のいるイギリスへと帰った。
「明日、京都へ行こう」
「テルス、出会いの場所ね」
「今日は一緒に寝よう」
と二人はベッドで眠った。
「フジスケ、今日は沙水子と一緒に京都へ言ってくる、頼む」
「ラジャ」とフジスケはぴょんぴょん跳び跳ねた。
テルスと沙水子は城でテレポートして京都へと行った。
京都の海岸で二人はシーグラスを広い集めビンにつめた。
テルスは沙水子を抱きしめ口づけをした。
「沙水子、今日は今日で楽しかったな」
「うん、私元気が出てきたみたい」




