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神々の箱庭  作者: 星奈
第三章 天界での出来事
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第47話 四神封印

 時間は1か月前に遡る。

 茜がルシファーに会いに行った日、蒼は寝ずに茜たちが帰ってくるのを本を読みながら待っていた。

 その横ではジブリールが寝ている。

 突然、空間にゆがみが出来て開けた。

 それはこの半年で何度も見た光景で、その影の中からはクロアが出てきた。

 

 「お帰り、クロア。お姉ちゃんは?」


 開口一番に茜のことを聞いてきた蒼にクロアは苦笑を漏らした。


 「茜は一か月城で過ごすことになった。」


 蒼はクロアの言葉に安堵した。

 もし仮にルシファーが茜のことを認めず、戦いとかになっていたら蒼はすぐにでも城に行き暴れただろう。


 「じゃあ、先に天界に行く?」


 「あぁ、明日の朝にはここを出るから用意しておいてくれ。」


 用意と言っても荷物が沢山あるわけではない。

 心の準備と言う所だろう。

 取り敢えず、体を休めようと横になった時に、空中にポンと音を立てて小さな影が見えた。

 現れたのはラプラスだ。


 「ラプラス、どうしたの?」


 「―――――――」


 一旦横になった体を起こし尋ねると、ラプラスは蒼にだけ聞こえる声でルシファーが気付いた茜と蒼の真実を話した。 

 それを聞いた蒼は、このことを確実に知っている人のもとに行くことを決めた。 

 「うん、分かった。・・・クロア今すぐ僕たちをゼウスの所に連れて行って。」


 「どうしたんだい?」


 「後で話すから、急いで。」


 蒼に急かされ、クロアはゲートを開いた。

 蒼とラプラスはその中に入り、神界へと向かった。










 オリュンポスの山頂にあるゼウスの宮殿に蒼は半年ぶりに帰ってきた。

 今、王の間にはゼウスと蒼、ラプラスだけがいる。


 「ゼウス、久しぶり。」


 「あぁ、久しぶりだな。茜はどうした?」


 突然の蒼の訪問にもゼウスは驚いた様子はなかった。 


 「茜は今、魔界の城でルシファーといます。」


 「そうか。・・・それで、こんな夜中にどうした?」


 「僕たちに掛けられている封印を解いて、ゼウス。」


 「気づいたのか。」


 そのうち気付かれるのは分かっていた。

 茜たちがアレスと初めて接触したとき、すでに封印は解け始め、力は覚醒し始めていた。

 それでも二人が気付いていなかったため今まで誰にもばれずに済んだのだ。


 「気が付いたのはルシファー様です。それを私が検索をかけ事実を確認しまし

た。」 


 あの男なら気付いてもおかしくはないと、ゼウスは息を吐き出す。

 天界に居たころ、神に次ぐ地位にあり、最も美しく聡明な大天使であった友。

 神として、見られたこともあったあいつならいつか必ず気づいただろう。

 それが今だっただけの話だ。


 「はぁ、・・・分かった。もともと気づかれたら解くつもりだったからな。蒼こっちに来い。」


 蒼はゼウスの言うとおりにゼウスの前まで行った。

 ゼウスは蒼の額に触れ、杖を鳴らした。

 その瞬間、蒼を中心に眩い光が広がり、次第に消えていった。


 「これで封印は解けた。茜はお前が解いてやれ。」


 「僕でもできるの?」


 「あぁ、このタイプのは術者と血がつながっていればいい。」


 「分かった、次は天界に行くからもう暫く掛かりそう。終わったらすぐ戻るから。」


 「あぁ。・・・そうだ、これを持っていけ。これがあれば一時的に神の力を封じることが出来る。」


 ゼウスはそう言って赤と青の二つの石を投げた。

 蒼はそれを片手で取ってその石を見た。


 「ありがとう、ゼウス。・・・行ってきます。」


 蒼とラプラスは外で待っていたクロアに声をかけ、ジブリールの居る魔界に戻った。

 蒼が王の間から出てきたとき、クロアは驚いた顔をしていた。


 「・・・神格を得たのかい。」


 「違うよ。もともと持っていた神格の封印を解いてもらったんだ。」


 「それは生まれつきということかね。ということは君たちは悪魔でも天使でもなかったということだね。」


 「そういうこと。これは他の人に言わないでね。」


 「分かった。だが、見る者が見ればわかるだろ。」


 神は他の者からしたら分かりやすい。

 身に纏う雰囲気や体内を流れる力、それらは他の生物、悪魔や天使とは完全に異なっている。

 そして、極め付けに目の色が決まっている。

 金色の眼、それは神特有の瞳の色であり、神の証でもある。


 「ゼウスがこれをくれたんだ。一時的な封印になるって。」


 「四神をモチーフのした石か。それなら何とかなりそうだ。もう夜明けだ。そのまま出発するかい?」


 四神(しじん)は、中国の神話、天の四方の方角を司る霊獣である。

 東の青竜(せいりゅう)・南の朱雀(すざく)・西の白虎(びゃっこ)・北の玄武(げんぶ)である。

 これら四神はそれぞれ司る方位、季節、そして象徴する色がある。

 そして蒼に渡された赤と青の石、それは朱雀と青竜の象徴する色であった。


 「うん、ジブリールを起こして行こう。」


 蒼はゼウスにもらった青色の石をアテナから貰ったお守りの中に入れ、もう一つの赤い石を茜のお守りに入れて首にかけた。

 外からは見えないようにしてだ。


 「よし、準備はできたね。開くよ。」


 三人は魔界での拠点にしている店に戻ってきた。




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