第三話 出会い
「………ここどこ?」
私は気づいたらさっきとは違う暗い空間にいた。
…私は確か、ソロコンの帰り道に何かが落ちてきて死んだ……。
ならなぜ私は生きているのだろう。辺りを見渡してみても何もない。でもただの暗闇ではないようだ。周りがうっすら煌めいていて、なんだか神秘的だ。周りと自分の状況がだんだん飲み込めてきて、ハッと気づいた。
「私のアルトサックスがない!!」
なんで?あの時しっかりと抱えて守ってたのに!私だけここに移動した?だとしたら私のアルトサックスは、あの場に置き去り…?
考えても分からない。とりあえず状況を把握しなければ。とりあえず暗闇に向かって呼びかけてみる。
「あの〜すみませ〜ん。だれかいませんか〜?」「私のアルトサックスどこにあるか知りませんか〜?」「っていうかここどこですか〜?」
暗闇に私の声が吸い込まれただけで返事はない。
心細くなってその場でしゃがみ込む。
…やっぱり死んじゃったんだ私。
もうサックス吹けないんだ……。
そう思った瞬間涙があふれてきた。
「〜〜〜ッッもっとサックス吹きたかったよぉぉお!!!もっともっと上手になってかっこよく吹きならしてみんなにかっこいい!元気貰えたって言われるサックス奏者になりたかったよぉぉおおお!!!」
言葉にすると余計現実味が増して悲しくなる。
「「そう泣くな」」
「無理っ!この辛さは誰にもわかんないもん……!!はぁ私のアルトサックス恋しい…私の相棒居ないのの辛い。ごめんねぇ…!!」
誰かの声がした気がするけどそれよりも私のアルトサックス《相棒》がいなくてより涙が増す。
「「なぜさっきより泣く!?!?」」
また誰かの声がする。
「…うるさい─」
「「それはお前の方だろうがぁぁっ!!」」
「ほわうぇえ!!だれ!?いつからいたの!?」
急な怒鳴り声に驚いて顔を上に上げると夜空色の髪を後ろに束ねた青年が金色に煌く瞳をつり上げて私を睨んでいた。
「イケメンが私の目の前にいる…やっぱり死んじゃったんだぁぁぁあああ!」
部活に青春を注いできた私は異性(部活以外の)に関わってこないまま高校まできたのだ。
そんな私にイケメンが話しかけるわけない。
「「いいかげん泣きやめ!!それにお前はまだ死んでなどいない!」」
【投稿は不定期です】
【感想待ってます!】




