表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
99/131

小心者

 この人は万千まちの人間だ。


 万千をこの国の指導者しどうしゃにしようとし、さらに万千を三代目さんだいめ雷鳥らいちょうにまでしようとしている。


 万千ならそれが出来ると、本気でなれると信じている。


 ハイネさんは夜音を三代目にしようとしていたけど、私もあれを見せられたら――万千ならと、そう思えてしまった。しかし、こんなやり方は間違っている。


 こんな時、こんな時万千なら――。


「一体何の相談そうだん?そんなものでおどして、私が引くとでも?それとも、何かげる算段さんだんがついた?――まぁ、どうせてっこないわ」


夜音よね魔法まほうを使って!魔法を使えば、私達もいるからどうにかなるわ――夜音!?」


 いく蚊帳かやそとの私でも、これだけ夜音へ呼びけているというのに反応はんのうが無いのはおかしい。


 無視むししているというより、まるで聞いていないような。


 魔女まじょの言葉で話しているから、私の言葉が通じていないのか?


 いや、それはないだろう。彼女は魔女にれていないはず


 いや、それ以前に彼女は彼女だ。まだ私の言葉が通じる筈。


 ならば、もしかして――。


「ゲーテさん。夜音につたえて欲しい事があるの。今から言うことを魔女の言葉で伝えて――」


「?伝えたければ自分で言えばいい。何故なぜわざわざ――」


「いいから!」


 しぶ々だったが、ゲーテさんは私の言葉を魔女の言葉で代弁だいべんしてくれた。


 魔女の言葉は知らないし、ちゃんと通訳つうやくしてくれたか分からないが、夜音ならきっとこたえてくれる筈だ。夜音なら。


「何を言っているんだ?きゅうに」


「――何も反応しないわよ、あんなことを言ったって」


「やっぱり!おかしいわ。本物の夜音ならだまっていられない筈――貴女きじょは夜音じゃない。別人よ!」


 それなら説明せつめいがつく。


 自分で逃げ出そうとしないわけ、私のいに応えない訳が。


 きっとこの国の言葉が分らず、私を無視し、本物の夜音ならいか心頭しんとうな私の言葉に反応しなかった。


 すなわち、魔法まほうちからで夜音にけているに違いない。


 ならば本物の夜音は一体何処(どこ)に――。


「それに夜音は、あんなものをけられたら、動揺どうようして虚勢きょせいるわ。彼女、小心者しょうしんものだもの――」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ