過去に
私が魔女だということは証明した筈。
それをまるで魔女そのものを知らない様な態度を。
しかも、彼女は私が魔法を使えない事に気付いている。
それに通訳とは一体――。
そもそも、二代目の雷鳥は知っているのか、魔女との繋がりがある事を。
でもそれじゃあ、ハイネさんを閉じ込めておく意味は――まるで、雷鳥には魔女の存在を、繋がりを隠していたかの様な。
「貴女は一体何を知っているの?――何故隠していたの?」
「『女性街』を守る為よ――通常はあり得ないことだけれども、あの場所を魔女以外に突き止められる事が稀にあるの。ハイネの様な者に。魔女を利用しようとする者達、あの土地を利用とする者達。それらから女性街を守る為。と言っても、魔女について知っているのは私唯一人だけなのだけれども」
「私は魔女と証明出来た筈。何故教えてくれなかったの――」
「えぇ、だから貴女にはこうして話しているのよ――順を追って話しましょう。私の事、貴女の体の事」
「…知っているの?」
「――それがいつから在るか、何故あるか私も知らない。唯、聞いた話によると、オズの大使館は初代雷鳥とも関わりがあったらしい。雷鳥と魔女にどんな関係あったかは分からない。けれど、いつしか『新しい太陽』がそこを『女性街』と呼び始め、占拠していった」
「……」
「そこで私はあるものを見つけた。あれを――」
「あれ?」
「日記――それには、見た事も無い文字が書かれており、何故か私はそれが読め、そこには魔女について書いてあった――」
――――。
私が何故そこに居たのか、何をしようとしていたのか。今ではその事が思い出せない――。
――あの日私は『女性街』に居た。
女性街中枢『六鳴館』。
その時、館には私一人しか居らず、薄暗く不気味な館に恐怖していた私は、偶然見つけてしまったの。その扉を――。
探しても見つけられない様な、まるで隠していたかのような扉は、地下へ続くものだった。
扉を開くと中は暗く、地下へと続く階段は闇へと続いていた。
一人で入るには怖気づいてしまいそうな階段。
とても灯り無しでは入れそうになく、誰かを呼ぼうにも館には私一人で、どうすることも出来ずにいた。
しかし、好奇心とは時として恐怖に勝るのもの、入ってしまったのよ、私は。




