もう一人の
「『OZ』!?今、『OZ』と言ったの?フッ、フハハハハ。貴女は『OZ』が何か知っているの?東洋の魔女は本当に何も知らないのね」
「『オズ』が何だってんだ」
「いい?『OZ』はね、人間に虐げられた魔女の妄想よ。唯の夢。そんな国在ったら良いなぁてっ――」
「しかし、現に魔女や法律だって――」
「貴女には法律が見えるの?――在りもしない幻想の所為でどれだけの魔女が命を落としたか…。私は世界中を周った。けど、そんな国は無かった」
「夜音…?」
「――こいつは…、『オズ』を知らないらしい…」
言葉が解らなくとも、彼女の反応や、夜音の気遣いで理解した。
彼女は今『オズ』にいて聞いた私達を嘲笑った。『オズ』を馬鹿にしていた。
『オズ』なんて国は無い。そう言われたに違いない――。
「夜音、彼女魔女なの?そうじゃなくても、何か魔女や魔法について知っていることを教えて欲しいわ。他に魔女が居ないかも聞いて――」
「こいつが魔女だとして、何を信用出来る。聞くだけ無駄だ」
「でも――」
「行くぞ、もうこいつに関わるな」
「魔女狩りは趣味じゃないけど――『イズイ』!」
?歩き出した夜音が、彼女に何かを言われた途端、不自然にピタリと止まった。
一体何を言われたのか、何か魔女に関する重要な事か、それとも『オズ』について?――夜音の様子からして只事ではない様だった。
――それにしても、様子がおかしい。どうしたというのか、夜音が全く動かない。
まるで、固まった様に。
「夜音、どうしたの?――もしかして動けないの?まさか魔法…」
「お前、何をした!」
「何って、魔法に決まっているじゃない――自ら魔法を使う時は、自分が魔女だと明かす時。自分から魔女と言う魔女はいないわ。もう出て来ていいわよ、シーリーン」
彼女は、私達の向こう側を覗き込み、何かに話しかけていた様だった。
不思議に思い、私は振り返った――。
すると私の後ろに、さっきまでサーカスで宙を舞っていた頭巾を被ったその人物が突然現れた。
その場には何もなく、確かに誰も居なかった。まるで、その空間から現れた様だった。
これは、魔法!?――。
「彼女が?」
「どうやら、魔法が解けた者(シンデレラ)らしい――」
「まさか、まだ東洋に魔女が居たとは。それじゃ、こっちは――」
まさか二人とも魔女?――今、突如現れた人物。頭巾で顔が見えないが、だとしたら女性だろう。
それに夜音を動けなくしているであろう彼女。もし、夜音に魔法を掛けているのであれば、魔女に違いない。




