デモクラシーを待て
おとめ「万千を助けなきゃ!それこそ女性解放の出番でしょ?」
夜音「お前馬鹿か?大郷司を助けて、この国の指導者にでもしたいのか?それよか、嫁入りした方があいつの為だ――でもまぁ、あいつ等ならそうするだろう。大郷司万千によっぽど執着してるからな」
おとめ「私だってそんな事望まないわ。でも――」
夜音「それに大郷司が結婚して計画が頓挫したら、お前は『オズ』へ行けるかもしれない」
おとめ「万千は…、万千の気持ちはどうなるの――それでは貴女達も、万千の父親と変わらないじゃない」
夜音「何を寝ぼけた事を。これが常だ。親の縁談を断れる程デモクラシーは追いついていないんだよ――」
おとめ「それを変える為の女性解放運動でしょ?」
夜音「女性解放運動はそうかもしれない…。唯、少なくともあたしは、自ら行動を起こさない奴には手を差し伸べない――」
おとめ「万千はそんな奴じゃない。万千という人物を全く分かってない――」
夜音「じゃあ、どうすんだ?婚約を阻止するのか?女性解放運動を止めるのか?」
おとめ「それは――」
――――。
夜音「いいのか?こんなとこ来て――」
おとめ「いいのよ。私には関係ないもの。貴女こそいいの?『三代目』様がこんなところに。見つかったら面倒じゃない?」
夜音「今はそれどころじゃないだろ。跡目よりも、この国の未来の方が大事だろう――それより、気になるのは奴さんの相手だな。一体どんな奴か。ふふ、どんなもの好きなんだか」
おとめ「……知らないわよ」
夜音「今頃祝言でもあげてたりして」
おとめ「………」
夜音「…退屈だな」
おとめ「………」
夜音「――何怒ってんだよ。気になるなら行けばいいだろ。サーカスなんて見てないで」
おとめ「…行きたきゃ行けば」
夜音「お前はどうすんだよ?ここまで送って来てやったのあたしだろ」
おとめ「………」
夜音「じゃ、あたしは行こうかな――」




