力
おとめ「環…」
環「おとめ――貴女が魔女だったなんて…。世間は狭いわね」
ゲーテ「環。『新しい太陽』の一員でもなく、女性解放運動家でもない君は、何故『オズ』へ行きたがる?目的は一体なんだ?」
環「――ハイネさんが戦争をするらしいので、見物に」
ハイネ「……」
環「人の喧嘩ほど見ていて面白いものもない。それが大きければ大きいほど面白いわ――」
おとめ「環!あんた何言って――」
ゲーテ「ご説明願おうか、ハイネ」
ハイネ「何も私が戦争を起こそうって訳じゃない。いずれ起こるであろう大戦に参戦しようと――その為には『OZ』の力が必要なだけです」
おとめ「参戦って――『オズ』を巻き込んで戦争しようだなんて…。やりたきゃ一人ですればいい」
ハイネ「他人事ね。貴女にも、いや全ての女性に関係がある事よ――こんな機会もう二度とない。世界が危惧している大戦は、何も国家間だけの問題じゃない。国境、人種、そして性別。男尊女卑の世の中を変えるには、女性が力で男性に勝るしかない。戦争という言わば合法で、女が勝つ事が出来れば、女性の力が、男性より勝る事を証明することが出来れば、その立場は逆転する。もう、蔑まれることも無くなる」
ゲーテ「ナンセンス」
ハイネ「二代目は乗り気よ」
おとめ「その為に魔女を、私を利用するのね」
バイロン「そんなに上手く行くかな?」
ハイネ「いかに『OZ』でも、無関係ではいられない。大戦が始まれば否が応でも戦わざる負えない――問題はきっかけ…」
おとめ「貴女おかしいわ。環も貴女もおかしい。『オズ』も魔女も魔法も、戦争の為に使うものじゃない。戦争を止める為に使うべきよ!いえ、それ以前の話――そもそも『オズ』なんて国、一体何処にあるの?本当に在るの?」
ハイネ「フフフ。無いなら作ればいいわ。魔女ならここに居るもの――」
おとめ「――!?」
ハイネ「そうよ、在るか無いかなんてもうどうでもいい。作ってしまえば――いいえ、ごめんなさい…。『OZ』はきっと何処かに在るわ。その証拠が彼女。彼女が居ればきっと見つけられる。二代目なら分かってくれる。だから協力を…」
バイロン「場所が分かっていればともかく、それを探す手伝いだなんて。しかも、探す理由が宣戦布告する為だとは――」




