発破
バイロン「今更だが、こんな事して大丈夫なのかぁ?軍を、国を敵に回す様なもんだろ」
ゲーテ「問題ない。これは事故なのだから――不運な事故で全てが焼失するだけ…。二代目の為よ。これで雷鳥も目が覚めるだろう」
バイロン「来てたのか…」
ゲーテ「貴女だけでは心配でね――夜音は何処?」
朴「夜音なら、もう外へ。確認しています」
ゲーテ「そうか、なら私が夜音を連れて行く――『女性街』で落ち合おう」
バイロン「あんたは何もしないのか?火ぐらい着けてけよ」
ゲーテ「そこは信用しているよ。得意でしょ?――じゃ、後で」
バイロン「ちっ。やるか――――早いとこ片付けて、私らも『女性街』へ行こう」
やる事は簡単だった。唯、それが一番危険でもあった――軍需工場内は火薬や油で溢れ、何処に火を着けても爆発するに違いなく、ここで今まで何事も無かったのが不思議なくらいだった。
そんな所にわざわざ火を着けるなんてアホだろ?
私らは逃げる時間を稼ぐ為、一番安全なところに火を放った。
火薬に火が回るまで数分は稼げた筈だった。
誰一人傷つかずに済む筈だった。
あの男が現れるまで――。
憲兵「貴様等そこで何をしている?何故生徒達の姿が見えない?――!?火が!貴様等が着けたのか?貴様等一体何者だ?」
バイロン「私らは…、えーとっ…女性解放運動の――女性解放…女性解放、先生?」
憲兵「女性解放戦線だと?――女性解放運動家か?貴様等、雷鳥の仲間だな。雷鳥め、遂に化けの皮が剥がれたな。貴様等も唯で済むと思うなよ」
バイロン「えーい、しゃらくせぇ!邪魔建てするなら今直ぐにでも吹き飛ばしてやる!」
憲兵「馬鹿!止せ!――貴様等、これ以上動くな!さもなくば撃つぞ!」
既に火は回りいつ爆発してもおかしくない状況で、その憲兵は私に銃を向けてきた。
早く逃げないと爆発に巻き込まれるというのに。
どっちにしろ助かる方法はこの場所から逃げるしかなく、この状況で銃を撃つ訳がない。そう考えた。
バイロン「冗談だよ。そんなもん下ろせ――時間が無い。今すぐ逃げないと火薬に引火して爆発する。話はそれからだ、あんたも死ぬぞ」
憲兵「うるさい、そんな手には乗るか!貴様等さえ捕まえれば、雷鳥は落ちる。この機を逃すものか」




