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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯1 乙女のおとめ
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魔法

 唯一ゆいいつ手掛てがかりを知る人間が、目の前に――私はどうすればいいのだろう…。


貴女きじょにはじゅんって説明したいところだが…。私にとって必要ひつようきみだ。いずれむかえに来るつもりだったのだが――今知る覚悟かくごはあるのかい?」


「今知らないと、きっと後悔こうかいするわ。教えて…、教えて下さい」


 彼女は懐中かいちゅう時計をのぞき見、こしに手をえ、溜息ためいきいた。


「時間が無い。簡潔かんけつこたえよう――魔女まじょとは、貴女がさっき見せた様な力、『魔法まほう』を使う者の通称つうしょう。私の国では――まぁいい。で、『OZ』とは、その魔女の『国』のこと。私はたまきをそこへれて行くと約束やくそくしている」


 信じられない。それは本当なの?だとしたら私は、この力は――そもそも『魔法』って一体何?『魔女』は私の事?『オズ』が国?それじゃあ、私の他にも魔女が?母もそうなの?それで『オズ』へ?


「信じられない――それに、『オズ』なんて国は無い……」


地図ちずにはない国。しかし、存在そんざいする。その証拠しょうこが貴女――確信かくしんよろこび。貴女の存在が計画の証明しょうめい。これほど嬉しい事は無い」


「私は、その魔女というもので、私以外に魔女が……?そんなのって、そんな事が現実げんじつなら――」


「世界がおかしくなる?――まぁ信じられないだろうけど、そうはならない様、法律ほうりつも存在するわ。うそまことか、国際法こくさいほうで魔法は世界で禁止きんしとされているわ。しかも、その法律は『OZ』が作ったものらしい」


 私の世界は、私をいてけぼりにし、てしなく広がってしまった。


 私は何も知らず、あたかも世界の中心ちゅうしんるとでも錯覚さっかくしていた。しかし、実際じっさいは私()きでもまわっていたのだ。


 心の何処どこかで自分は特別とくべつだと思っていた。その所為せいで私は、何も知ろうとはせず、何も知らなかったのか。


「そんな事言われても、私――どうすれば…」


「…悪いけど、時間切れね。行くわ――いずれ貴女を正式せいしきむかえに来る。その時続きを話しましょう」


「まって!私は――いや!行かないで!私も――」


残念ざんねんだけど、このクルマに貴女のせきは無いわ――どうしてもというなら、女性街へいらっしゃい。その時は全て話すわ」


「――!」


「見つけられたらだけど――ごきげんよう」


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