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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯5 おとめの――
130/131

目覚めの――

 それしかない――だが、彼女は何故なぜ『オズ』をさがしているのだろう?


 目的もくてきは?彼女が魔女まじょなら探す理由りゆう一体いったい


「私も『オズ』へ行きたい。そのためなら何でも協力きょうりょくする――だけど、貴女きじょは何故『オズ』を探しているの?一体何が目的?」


「私はね、『OZ』へ行き、魔法まほうで世界を平和にしたいの――」


「!――本当?」


 素晴すばらしい。この人ならしんじられるかもしれない――この人なら魔女を、魔法を利用りようして悪事あくじはたらく事もないだろう。


「――ただ日記にっきも、『ゲーテ』の居場所いばしょも分からない。それに日記が見つかったとしても読むことが出来できない。『魔法まほう文字もじ』は、読む為に『ある魔法』が必要ひつようなの」


「それって、もしかして――」


 ゲーテさんからうつった魔法。もしかして、それが――。


だまされるな、おとめ!――そいつはハイネの仲間なかまだ!」


 その声は、私がきかかえていた夜音よねのものだった。


 すっかりわすれていたが、どうやら目をましたらしい。


「夜音!――無事ぶじなの?」


「あら、目が覚めたの?」


「おとめ!そいつはてきだ!」


 敵?ハイネさんの仲間?それって――彼女も『オズ』を利用して戦争を?


「――失礼しつれいね。彼女と仲間だからといって、思想しそうまでも一緒いっしょとはかぎらないわ」


「人の事を誘拐ゆうかいしておいてよく言う――って、なんだここは!?」


 あわてふためく夜音に事情じじょう説明せつめいし、なだめた。


 彼女は夜音を誘拐していたのか――それはそうか、そう彼女も言っていたし、きっと魔法で誘拐したのだろう。


 しかしそう考えると、やはり夜音の言う通り敵、ではないにしろあまりいい人ではないのかもしれない。


「彼女もきた事だし、そろそろここを出よう――話はそれからだ」


「よく言う。自分がれて来たくせに」


「そうね、出ましょう――お願いします、アキコさん。魔法を使って。魔法で出られるのでしょう?」


「さぁ?私、魔女じゃないし、魔法なんて使えないわ」


 ――彼女(いわ)く、本当にただの人間らしく、それは夜音と近い所が有り、その魔法が日記にあるという。


 しかし、もしそれが本当なら、今その魔法は私にるのかもしれない。


 唯それはたしかめようが無く、それこそ彼女に知られるわけにはいかない。


 まだ彼女がどういう人間か解っていないのだから。


 ――このかくし部屋、もとい異空間いくうかんから出る為には一体どうすればいいのか?


 ゲーテさんから聞かされていたようなものは見当みあたらず、それを見つける為には走馬灯そうまとう必要ひつようなのだろうか。


 それに出られるまで五十年かかったと言っており、出る為にそれが必要となったら――。


 私はくるいそうであった。



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