表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯5 おとめの――
129/131

それ、それ、それ。

 もし彼女かのじょ魔女まじょであるなら、まさか夜音よねを――。


「――貴女あなたが夜音を?」


如何いかにも――嵐山あらしやま夜音よね何処どこにもないとなれば、必然的ひつぜんてきに『女性街じょせいがい』をうたがう。かく部屋べやの事をいていれば尚更なおさらな。あんじょうれて来てくれた」


「彼女は何処?」


「ここに――」


 ――彼女はおもむろやみの中へ手をばした。すると、せるように夜音を引き寄せた。


「夜音!?」


 意識いしきが無いのだろう、夜音は立ったまま彼女に抱きかかえられている――それが分かるのは、私が夜音もはっきりと見えているからだった。


 不思議ふしぎな事にこの空間くうかんでは、人物じんぶつものは見えるらしい。


 夜音はうしなっているのだろうし、これではまるで人質ひとじちだ――この状況じょうきょうた様な事が以前いぜんにもあったな。


 しかしかった――私は夜音が見つかってホッとしていた。


「夜音をどうする気?」


「どうもしない。邪魔じゃまだしね――」


 そう言うと彼女は、夜音を自身じしんの目の前にき出した。


 突きばされた意識の無い夜音は、私の目の前でくずちそうになり、それを私は咄嗟とっさに抱きかかえた。


 あぶない――一体何を考えているのか。


「ところで、私は日記にっきにあるものをいて来た。ところがそれは日記をはなれ、ある人物のもとへ行った。しかし、それを持っていた人物はいて、それを手放てばなした事が分かった――何故なぜならそれは、永遠えいえんわかさなのだから」


 !?――永遠の若さ?それって、としを取らないって事?一見いっけんよさそうだけど、たしかどこかで…。


「私はそれが無いと日記が読めないんだ――それを持っていた人物は、君たちのあいだでは『ゲーテ』とばれていた」


 『ゲーテ』さん!?彼女は確かきゅうに老いて、それは私に魔法まほううつしたから――それがそうだと言うの?


「日記のを知っているとすれば彼女。きっと私のそれも日記にもどっているはず――貴女きじょは知らないか?『ゲーテ』の居場所いばしょを?または日記の在り処を?」


「それが貴女の目的もくてき?そうまでして――日記には一体何が?」


「――『OZ』へのかた


 『オズ』への行き方!?やっぱり、『オズ』は本当に――日記にはそれが!やっと見つけた!『オズ』への手掛てがかり。


 それも行き方だなんて、彼女に協力すれば私も連れて行ってもらえる筈。


 それしかない――。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ